私たちの活動~一年を振り返って~
私たちは、1990年日本で最初に子どもの虐待防止を目的に設立された民間団体です。2002年にNPO法人、2018年に認定NPO法人となりました。
設立と同時にスタートした「子どもの虐待ホットライン」には、子育てに悩む方々を中心に相談が寄せられ、今年もこれまでに500件以上の相談を受け、開設時からの総件数は63600件を越えようとしています。今年も子育ての悩みや生きづらさの背景にある様々な問題を思いながら、相談者の気持ちに耳を傾けた1年でした。
いくたびかの緊急事態宣言発令の中、実際に集まることもままならない日々が続きましたが、昨年身につけたオンラインスキルを活かしながら、地域で親や子どもの支援に携わる人々~行政・医療機関・学校・保育所・福祉施設や民生児童委員や地域NPOなどの方々~への研修会を開催し、参加者は全国に広がりました。
一方、コロナ禍で昨年制限されていた母子のグループケア活動や学校での虐待予防教育(ティーンズAPCA)の実施は徐々に戻りつつあります。教員の方々に参加いただいての虐待予防授業のための手引書作成に取り組んだり、中学生の質問に答えるオンラインミーティングを行ったりと新しい試みにも取り組みました。
またホームページ改訂やFacebook開設、オンライン研修などには、ITスキルを持つ企業やボランティアの方々の支援を得ただけでなく、会員や寄付者・ボランティアや関連団体の方々に広報についてのヒアリングにご協力いただくなど多様な方々にご支援いただきました。
この場を借りて、この1年ご支援いただいた全ての皆さまに深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
”育ちあい、認めあい、補いあって、子ども虐待を生み出さない社会”に向かって
この夏、大阪府内で3歳の男児が、死亡するという大変痛ましい事件が発生しました。当該市には再々にわたり虐待の通報があったが、生活実態や子どもの状態を正しく把握することができず、一時保護もなされないまま事件に至ったことは、非常に残念でなりません。
私たちは、どのような状況下に生まれた子どもであっても、愛情と環境に恵まれ、等しく人としての命と成長が大切にされる社会の実現です。現実には、多様な問題を抱え孤立する家庭があり、そこに育つ子どもがいます。そして家庭を支援する側も孤立感や孤独感を抱きがちです。
私たちは、民間の利点を生かした事業を展開し、子どもとその家庭を支援する体制の強化、そして、多様な地域の支援者も含めたサポート体制を社会全体のつながりで構築していくことを目指して、これからも活動していきます。
これからもご支援をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
理事長 津崎 哲郎
ご支援の使い道
私たちの活動は、皆さまからのご支援で成り立っています。子育てに悩みを抱える人たちに寄り添う電話相談員、学校に出向いて虐待予防授業を実施するスタッフ、多様な援助専門職者のスキルアップのための研修を企画・運営するスタッフ、こうした事業を地道にバックアップするスタッフ、活動を継続していくためには、こうしたボランティアの方々への交通費や人件費も必要です。
保護者や子どもたちに手渡したいリーフレットや冊子、相談に誘うポスターやチラシなどの製作費も必要になります。より多くの方々に子ども虐待について理解を深めていただくための啓発活動の充実も図りたいです。
皆さまからのご寄付は、こうした活動の原資として大切に使わせていただきます。
子ども虐待防止の活動を、ご寄付という形で共に担っていただければ幸いです。