タンブンツーリングとは
国民の約95%が仏教徒のタイ。多くの人が「寄付・喜捨を通して徳を積む(タイ語でタンブン)」ということを日常的に行っています。そのためいろいろな場所で、さまざまな方法で寄付の受け渡しが行われています。タンブンツーリングもそのなかの1つです。数十名でツーリングする自転車の後ろには棒が何十本も準備されていて、寄付する人は紙幣をその棒に挟みます。歩行者や道沿いにあるお店の人、車やバイクを停めて寄付する人も多いです。サイクリストに飲み物や食べ物の差し入れをする人もいます。寄付する人はもちろん、ボランティアであるサイクリストも、自分の身体を使って寄付を預かり、それを目的地へ届けることで、間接的に徳を積むことができるのです。
集まったお金や品物は病院や寺院、学校などへ寄付されることが多く、たいていその施設がツーリングの最終目的地になっています。一期一会の会話や、見ず知らずの人から受ける労い(おもてなし)に心温まることも多いです。寄付者、サイクリスト、寄付を受け取る施設のあいだで【感謝の循環】が起こる素敵な寄付の方法なのです。
退職後、自由になるお金はないけれど、時間はたっぷり、体力もまだまだあるよ、という年代の方が参加者の多くを占めています。たくさんの友だちとともに、旅行気分で楽しみつつ、環境にもやさしく、健康にもいいタンブンツーリング。さらに社会貢献にもなるため、高齢者を病死や孤独死から遠ざける効果があるばかりではなく、自己肯定感や人生の質(QOL)を引き上げることにもつながるサステナブルな活動です。
タンブンツーリングはタイ全国のどこかで毎月のように開催されています。募金箱ならぬ募金棒が自分たちの元まで走ってきてくれるイメージで、わざわざ出向くこともなく、見かけた人は誰でも、少額から気軽に寄付することができます。「徳を積み、良いことが自分に返ってくる」ということをちゃっかり願いながら寄付するのも、とてもタイらしくてほっこりします。
今回の企画について
2023年5月19日にバンコクを出発し、チェンマイの中心部より北に約100kmに位置するプラーオ郡を目指します。プラーオは「アークどこでも本読み隊」の本拠地である「ランマイ図書館」の所在地です! サイクリストたちは、毎日80kmほど、各自のペースで自転車を走らせます。その間、自転車につけられた看板を見て停車してくれた車やバイク、歩行者やお店の人と会話しながら寄付を受け取って集めます。受け取った寄付は、自転車の後ろに飾るように刺し、周囲に見せながら進みます。疲れたら好きなところで休憩し、お腹が空いたらごはんを食べる。そんな風にみんな自由に進んでいきます。たとえ自転車から目を離しても、寄付されたお金が盗まれることはまずありません。どちらかというと、自転車の持ち主がその場にいなくても、知らない間にお金を挟んで行ってくれる人がいるので、増えていることはよくあります。
その日の宿泊地であるお寺などに到着したら、その日全員が受け取った寄付をすべて集めて数えます。今回のツーリングであれば、11日間これを繰り返し、2023年5月29日に、目的地である「ランマイ図書館」に到着する予定です。
タンブンツーリングの規模は企画によって様々ですが、今回は「アーク」にとって初めての開催なので、50人以上の大所帯にはせず、主にDAAWさんの知り合いのサイクリストを30名目安で募集しました。
発起人サイクリスト DAAWさんのご紹介
今回の企画を考えてくれたのは「アークどこでも本読み隊」のボランティアの一人、DAAW(ダーウ)こと 相場かおりさんです。 (DAAW ดาว とは、星という意味のタイ語です)
現在大阪在住のDAAWさんは、20年ほど前から、ときどきタイを訪れてはタイを自転車で旅する人でした。
タイ在住時には、今こそはと、99%の参加者がタイ人であるタンブンツーリングに40回近く参加しました。たまたま知り合ったひとつのグループに参加しはじめると、他のグループからも声がかかるようになり、いくつものグループと一緒に自転車を走らせ、メンバーとともに寄付を受け取ってはさまざまな施設へ送り届けるという経験を重ねました。タイ人サイクリストの知り合いも増え、今ではタイ全国77県を制覇した、正真正銘の「タンブンサイクリスト」です。
★彼女の活動の様子は、こちらの記事から読んでいただけます↓
ほ・とせなNEWS
タイ社会に根付く「タンブン」 日本人がツーリングを通して見た精神とは
※このページの写真は、DAAWさんがこれまでに参加してきたタンブンツーリングのものです。
※今回は、この企画のために、自腹で日本から渡タイし、中心メンバーとして参加してくれます。
このクラウドファンディングでいただいたご寄付の使い道
-- タンブンサイクリストの応援!--
今回、コングラントのページを通していただいたご寄付は、「アークどこでも本読み隊」のために800キロ自転車をこぎ続けてくれるサイクリストたちを、11日間サポートする応援資金として使わせていただきます。
●ボランティアサイクリストの11日分の朝夕の食費 約11万円
●荷物運搬等のための伴走車2台のレンタル料・ガソリン代と、到着後チェンマイ市内までの送迎用大型トラックレンタル料 約10万円
●今回のタンブンツーリングのメンバーであることを示し、危険を回避するためのおそろいのサイクルシャツ製作費や、自転車につける看板、募金棒、その他消耗品 約8万円
●クラウドファンディングのプラットフォームの利用料 約1万円
など
なるべく経費を抑えるため、ボランティアサイクリストの方たちには基本的にお寺の敷地内でテントに泊まってもらいますが、それでも全部で30万円以上かかる見込みです。 みなさまの応援をお待ちしております。
※お申込みフォームにコース名が4つ記載されていますが、 いずれも今回のタンブンツーリング全体の応援資金として使わせていただきます。
※予想以上にご支援をいただけた場合、また、食事の差し入れなどで費用が削減できた場合は、残りのご寄付は全額「アーク」の活動支援費として使わせていただきます。
そもそもタンブンツーリングで寄付を集めるその目的は?
今回の、タンブンツーリングで集まった寄付は、「アーク」が運営する「ランマイ図書館」の施設拡充のために使わせていただきます。2012年にオープンしたこの図書館は、「すべての人に開かれた、楽しい図書館」を目指し、人口約50000人のプラーオ郡で活動を続けています。
毎月の蔵書の購入や毎週2-3回行われる移動図書館活動、スタッフのお給料は、全て世界各地の個人から寄せられる寄付で賄われています。「キッズコーナーにふかふかのマットレスを敷き詰めたい」、「遊具コーナーにブランコがあったらいいのに」など、図書館をよりよくするアイデアがたくさんあっても、なかなかそこに投入する資金がないのが現状なのです。
タンブンツーリングで集まる寄付は、天候やその時のタイの景気、祝日の有無などによって大きく左右されますが、過去の30人規模のイベントの場合、100万円 から200万円 ほど集まっています。そのお金は、こんな風に使わせていただく予定です。
●6年間走り続けて、すっかり色あせてしまった移動図書館車両「はるの号」のリニューアル(カーラッピング、棚の修繕、車内外のディープクリーニングなど)。
●ゆったりしたソファや、もっと座り心地のよい椅子、パソコンコーナーなど、図書館の利用者さんに喜んでもらえる家具や設備の購入。
●さらに広くて、会議室や読書室も装備された「極楽図書館」を建築するための土地を購入する。
その他にも、集まった金額に応じて、臨機応変に図書館をよりよくする方法を考え、有効に使わせていただきます。
※タンブンツーリングの様子、集まったご寄付の額などは、活動報告(このページから見ることができます)やFacebookやInstagramで報告いたします。
~~ 最後に ~~
常夏のタイで、時には雨をしのぎ、時には長い上り坂に苦戦しながら、800kmの行程を走りぬくサイクリスト。
タイで行われているタンブンツーリングを実際に目にしたり、道行くサイクリストたちに寄付を託すことは難しいですが、このクラウドファンディングに参加することで、ツーリングの運営を支え、応援することができます。 サイクリストをサポートすることを通じて、そんな30人の11日間を一緒に経験してみませんか?
みなさまのご参加を、心よりお待ちしています!