はじめまして、代表のサッキャと任です
私たちが出会ったのは、2015年4月24日。
大学院の同期として同じタイミングに入学。10年ほど医師として勤めてきたサッキャと、大学を卒業して入った任は、歓迎会で出会い、任が大学の卒論でネパールをテーマにしていたこともあり意気投合。
その出会った翌日の2015年4月25日、サッキャの母国・ネパールを地震が襲った。ニュースを見た任がサッキャに連絡したのをきっかけに、2人は「ネパールに何か貢献できないか」と考え、出張診療を企画した。
サッキャと任は、震源地近くで出張診療を実施した。4年ぶりに医師が訪れるとあって多くの住民が集まり、診察を待っていた。「ありがとう」と声をかけられるたびに、地域にどれほど医療が求められているかを痛感した。
しかし、必要な薬も十分には準備できず、どのような症状の人がいるのかも正確には分からないまま。診察の合間に、ふと「今日診察した患者さんたちは、この先どうやってケアを受けるのだろう?」と不安がよぎった。
この経験を通じて、私たちは思った、
ただ一度の診療ではなく、“必要な人に、必要な医療が継続して届く”仕組みこそが必要なのだと。
それが私たちASHAの活動の原点であり、今も目指し続けている目標です。
必要な人が、必要な医療を受けられていない現実がある
私たちが現在活動している、ヒマラヤ山脈の中心に位置するネパールは、豊かな自然と120を超える民族とカーストが複雑に関わる多文化共生が特徴です。山岳地帯かつ内陸国という地理的環境もあり、産業が乏しく、経済状況も厳しい状態が続いています。
経済的・地理的制約から特に地方では、「医療を頼れる環境」(=医療へのアクセス)は十分とは言えない状態が続いてます。多方面での努力により改善はしているものの、医療指標は日本と比べると依然として大幅に遅れをとっています。
ASHAは、ネパールの地方にある3つの村で活動しています。いずれの村も、自然が豊かな素敵な場所ですが、典型的なネパールの山間地域にあり、生活環境は過酷です。
集落が山間部に点在し、経済的困難も重なり、質・量ともに医療サービスが不足しており、健康に関する知識も不十分なため「正しいタイミングで適切な保健医療サービスを頼る」ことができていません。
現地を主役にした仕組みを目指して、様々な力とともに
私たちは、現地のコミュニティ・パートナー・プロボノ/ボランティアメンバーとともに、一時的なサポートにとどまらず、現地の人々が自走できる仕組みづくりを目指しています。そうすることで、現地が主体となって、中長期的に機能し続ける仕組みが実現すると考えています。
コミュニティ×テクノロジーの力で、医療の仕組みづくりを現地とともに
私たちの活動では、医療を提供する側と住民側の双方に働きかけ、現地の人々が安心して「医療に頼れる」環境の構築を目指しています。
医療提供者向け:
コミュニティ×テクノロジーによる医療提供システム構築
・地域の保健スタッフ(コミュニティヘルスワーカー)と連携し、問診アプリを活用
・適切な情報管理を通じて診療の質向上を支援
・データの一元化・可視化による公衆衛生の改善
・新生児蘇生法研修にシミュレーションを活用
現地住民向け:
実践的な健康教育
・日本の知見を基に、現地のニーズに即した健康教育を提供
リソースが限られた地域でも、持続可能な医療体制の実現を目指して
私たちは、「医療を必要とする人」「地域コミュニティ」「健康・医療を支えるシステム」が相互に連携し合う体制を作り上げたいと考えています。
現地とともに作り上げた実績
これまでの活動を通じて、現地での雇用の創出、医療情報の管理、健康教育の普及、また日本への逆輸入といった実績を作り上げてきました。
現地スタッフの声
現地の医療機関スタッフ
「ネパールEHR(医療情報管理ソフト)の導入により、書類の必要性もなくなり、患者のデータが取れるようになったので、地域の医療課題が統計的に見えるようになりました。新しい機械やソフトウェアを導入した診療により、患者や地域住民の方からの信頼も高まっていると実感しています。医療機関のスタッフの中には、まだ機器の使い方に慣れていない者もいるため、不具合などがあった時は焦ってしまいます。また、同じ地域の別のヘルスポストにもネパールEHRが導入されることにも期待しています。スタッフの人材育成や地域内の医療機関の連携ができれば、より効果を発揮できると思います。」
コミュニティヘルスワーカー
「地域住民を訪問するのに2,3時間かけて山を登ったり下ったりするので、大変だと思うときも沢山あります。最初はアプリを使いこなせなかったり、住民からの要望が多く、住民からの信頼を得るのが難しかったです。しかし、自分の役割をしっかり説明した上で、丁寧にコミュニケーションを取ることで、徐々に頼ってもらえるようになりました。訪問患者さんから感謝されると、自分がコミュニティの役に立てていることが実感できて嬉しいです。」
私たちの活動メンバーについて
ASHAは「プロボノ/ボランティアが想いと経験を持ち寄り、新しい社会の形を創るプラットフォーム」を掲げ、活動を少しずつ広げてきました。現在、日本を中心に約60名のメンバーが、これまでご紹介したネパールでの活動を支えています。平日の夜や土日を中心にオンラインで活動し、対面でのイベントや年に数回はネパールへの渡航も実施しています。
マンスリーサポーター募集のきっかけ
ASHAは、現地の文化や生活習慣を尊重し、地域の人々とともに課題を解決していく「仕組みづくり」にこだわってきました。私たちの目指すのは、一過性の支援ではなく、現地の人々が自ら健康を守り育むことができる持続可能なコミュニティです。そのために、地域住民から担い手を雇用し、ASHAの組織もまた、現地での活動を続けるために長期的な運営資金が必要です。
これまで、主な活動資金を助成金に頼りながら一歩一歩前進してきましたが、ネパールでの取り組みを今後も絶やさず、さらに広げていくためには、私たちの活動を支えてくださるマンスリーサポーターがどうしても必要です。
ASHA設立9周年を迎え、多くのみなさまと共に未来に向かって歩み出すために、マンスリーサポーターの募集を決断しました。あなたの支援が、1人でも多くの命を守り、活動を支える力となり、ネパールの人々に「明日も安心して生きられる」という希望を届けます。
マンスリーサポーターで支援いただくと
1. 現地での人材雇用
私たちは、現地の「コミュニティヘルスワーカー(CHW)」を育成・雇用し、彼らが住民の声を聞き、地域に寄り添いながら健康教育を届ける体制を作りたいと考えています。月々のご支援が2万円に達することで、1名のCHWを安定して雇用でき、約150人の住民が定期的に健康教育を受けられるようになります。地域に根差した健康支援を持続させるためには、長期的な支援基盤が必要です。
2. 健康教育の資材購入
私たちは、ネパールの子どもたちや住民に最低限の応急処置ができる「応急処置キット」を提供しています。3万円のご支援が集まれば60人の子どもたちにキットを届けることができ、日々の暮らしに安心感をもたらします。マンスリーサポーターからの安定した支援があるからこそ、これらのキットを途切れることなく届け続け、子どもたちの未来を守ることに繋がります。
3. システム開発
現地の診療をより効果的に行うために、問診アプリや医療情報管理のソフトウェアなどを開発・維持しています。これにより、地域での医療提供を持続可能な形で行えるようにしています。システムの維持と改良には定期的な資金が必要ですが、マンスリーサポーターからのご支援があれば、医療支援が途切れることなく運営でき、安心して将来の計画を立てていくことができます。
マンスリーサポーターとして継続的に支援してくださるみなさまがいるからこそ、ASHAは「止まらない支援」を実現し、より多くの命をつなぐ希望を広げていきたいと強く想っております。
ぜひ、ネパールの人々と共に未来を支えるパートナーになってください。
マンスリーサポーターになると
マンスリーサポーターのみなさまには、ASHAの活動にもっと深く触れていただける機会をご用意しています。
◎月1〜2回のメルマガ配信
現地の様子や、私たちの医療支援の進展・活動の様子等をリアルタイムでお届けします。支援がどのように届いているか、活動の進捗を感じていただくことができます。
◎活動報告会へのご招待
年に数回、マンスリーサポーターのみなさまを招いた活動報告会を開催し、ASHAの活動と成果を共有します。共に喜びを分かち合い、団体としての成長を感じていただく機会にできると考えております。
◎年次報告書の送付
年に一度の報告書では、ASHAの取り組みと成果、次なる目標をご覧いただけます。みなさまの支援が1年を通じて、どのような実績・成果につながっているかを実感いただける内容でお届け予定です。
代表メッセージ
~新しい仕組みで母国の人々の医療アクセスを身近に~
母国の医療アクセスを向上させたい
2015年に発生したネパール大地震後、震源地近くの村で医師として簡易診療を行ったことをきっかけに、ネパールが抱える医療課題を目にしたことをきっかけに、ASHAの活動が始まりました。
私は日本で循環器内科医として働いていますが、両国での経験を通じて「Basic Health Rights(健康に暮らすことのできる権利)」は世界どこでも共通であるべきだと信じています。日本での経験を少しでも母国であるネパールに還元し、「医療へのアクセス」の向上に貢献したいと思っています。
設立から9年を迎え、団体の規模が大きくなったことで、できることが増えてきました。母国ネパールの人々が医療を身近に受けられる環境を目指し邁進してまいりますので、みなさまのご支援・ご協力をどうぞお願いいたします。
新しい仕組みでネパールの医療を変える
私は大学生の頃に出会った「医療へのアクセス」をライフワークにしたいと思った直後にサッキャと出会い、以来このASHAで、いただいたネパールとのご縁を大切に活動を続けてきました。
近年は多くの方にご参画いただけるようになり、日本よりも遙かに強い地域の結びつきを背景としたコミュニティの力、この時代だからできるテクノロジーを生かした仕組み、プロボノが集うプラットフォームだからできる自由で多様な発想を生かすことで、これまで中々解決できなかった課題にも挑戦できるのではないかと信じています。
今後さらなる「Affordable and Sustainable Healthcare Access (持続的かつ人々の手が届く医療へのアクセス)」の実現に向けて、医療の仕組みも、ASHAという活動の仕組みも強化していきたいと考えておりますので、是非お力添えいただけますと幸いです。