左手のピアニスト・舘野泉
フィンランドを拠点に世界的に活躍する「左手のピアニスト」舘野泉氏。今年の11月に数え年で米寿となる88歳を迎えます。
1936年、父はチェリスト、母はピアニストという音楽一家に生まれ、慶應高校をへて1960年東京藝術大学音楽学部ピアノ科を首席で卒業。その後、フィンランドのヘルシンキに渡り、32歳でシベリウスアカデミーの教授に就任。1981年からはフィンランド政府から芸術家年金を与えられ、演奏活動に専念します。
2002年1月、フィンランド・タンペレでの演奏後、舞台上で脳溢血のために転倒。右半身に麻痺が遺り、リハビリを経ても右手が不自由なままとなりますが、2003年8月、不屈の精神を発揮し、フィンランドのオウルンサロ音楽祭で、左手のために作曲されたスクリャービンやリパッティによるピアノ作品を演奏。左手一本で見事に音楽の舞台へカムバックを果たします。それ以後、フィンランドと日本を拠点に、精力的に演奏活動に取り組み、10ヵ国を超える世界中の作曲家たちが彼のために左手用のピアノ曲100以上を献呈するなど、まさに日本のクラシック音楽界のレジェンドとして知られる存在です。
その舘野氏の米寿を記念して行われる今回のバースデー・コンサート。メインプログラムは昨年、京都を拠点に活躍する日本を代表する作曲家・平野一郎氏が舘野氏のために書いたピアノ五重奏曲『鬼の学校 左手のピアノと弦楽の為の教育的五重奏』。日本の風土や伝承に根差した創作で知られる日本を代表する作曲家平野一郎氏によるこの曲は、舘野泉扮する酒呑童子先生(ピアノ)が、ヤンネ舘野(ヴァイオリン)はじめ4人の若い鬼たちへ立派な鬼になるための流儀と作法を伝え、世知辛い人の世で生き延びる知恵を授けます。登校から下校まで、学校の時間割通りの構成で繰り広げられ、ユーモアに溢れながらも驚きと喜びに満ちた深い感動を誘う楽曲です。NHKのBSプレミアムのドキュメンタリー「鬼が弾く」でも紹介され話題になりました。
◎舘野 泉公式HP https://www.izumi-tateno.com/ 提供:ジャパン・アーツ
米寿記念演奏会 舘野泉バースデー・コンサート概要
日時:2023年 11月12日 (日) 13:30開場 14:00開演
■会場:京都府立府民ホールアルティ
京都市上京区烏丸通一条下ル龍前町590-1
■チケット:全席指定 5,500円(当日6,000円)
プレイガイド:京都府立府民ホールアルティ075-441-1414
チケットぴあhttps://t.pia.jp/(Pコード248-293)
■演奏会のお問い合わせ: ArTRANDOM artrandom39@gmail.com 090-6679-0308
■主催: ArTRANDOM
■協賛:ワオンレコード
■後援:フィンランド大使館 京都府、京都市、京都市教育委員会、産経新聞/サンケイスポーツ/夕刊フジ、京都新聞、エフエム京都、京都リビング新聞社、JEUGIA
プログラム
マグヌッソン《ピアノ・ソナタ》(舘野泉に捧げる/「舘野泉左手の文庫」助成作品)
谷川賢作《委嘱作(初演)》 (舘野泉に捧げる/「舘野泉左手の文庫」助成作品)
平野一郎《鬼の学校 左手のピアノと弦楽の為の教育的五重奏》 (舘野泉に捧ぐ/「舘野泉左手の文庫」助成作品)
ヴァイオリン:ヤンネ舘野(Janne Tateno,Vn)
ヴィオラ:小中澤基道(Motomichi Konakazawa,Vla)
チェロ:矢口里菜子(Rinako Yaguchi,Vc)
コントラバス:ジョナサン・ステファニアク(Jonathan Stefaniak,Cb)
「シューベルトの『鱒』と同じ編成で、ピアノを弾く酒呑童子が若い眷属を集めて、鬼が鬼らしく純粋に生きていくために必要なことを噛んで含んで言い聞かせる趣向。老いた酒呑童子と若い仲間達が繰り広げる音楽を通しての命の会話に耳を傾けて頂きたい。」(舘野 泉)
作曲家・平野一郎について
丹後國宮津出身。1996年より各地の祭礼と音楽を巡る踏査を始動。97年京都市立芸術大学卒業、99年大学派遣によりブレーメン芸術大学に留学、2000年京都市芸大大学院修了。01年より作曲活動を本格開始、京都を拠点に日本の風土や伝承に根差した創作を展開。響きや調べ、声と言葉の根源をたずね、失われた身体性・全人性を呼び覚ます音楽世界を志す。日本交響楽振興財団作曲賞最上位・日本財団特別奨励賞(2005)青山音楽賞(2007)京都市芸術新人賞(2007)現音富樫賞(2013)藤堂音楽褒賞(2018)京都府文化賞奨励賞(2019)等受賞、ISCM世界音楽の日々2008入選・参加。2011年演奏家・美術家らと協働しモノオペラ「邪宗門」制作・初演。「鱗宮△交響曲」(2010/芦屋交響楽団)「いそぽのふゎぶらす」(2011/ザ・フェニックスホール)「四季の四部作」(2014/吉川真澄)「蜃氣樓●協奏曲」(2014/森本英希)「八幡大縁起」(2016/やわた市民音楽祭)「綺多羅」(2017/大萩康司)「鳥ノ遊ビ」(2017/通崎睦美)「胡絃乱聲」(2018/国立劇場)「とこよのはる」(2019/森の会)「ピアノソナタ〈光人彷徨〉」(2022/イリーナ・メジューエワ)等委嘱作品多数。舘野泉 “左手の文庫”委嘱作品として「精霊の海」(2011)「微笑ノ樹」(2012)「二重協奏曲〈星巡ノ夜〉(2014)「鬼の生活」(2021)「鬼の学校」(2022)を手掛ける。17年より出雲芸術アカデミー=コンポーザー・イン・レジデンス拝命、《出雲の春音楽祭》にて“未来の伝統芸術”を謳う「連作交響神樂」(全九部作/管弦楽+声楽)進行中。 19年NHK8K番組《落慶〜奈良・興福寺》音楽制作。22年オペラ『あの町は今日もお祭り』(国立市)初演。「平野一郎は現代日本で私が最も高く評価する作曲家のひとり」(ピアニスト/舘野泉)「作曲家の平野一郎さんも物語の旅人である。彼は、物語、伝説、神話そのものから、それを求める旅の情景までを音で紡ぎだす。」(探検家/髙橋大輔)など様々な方面から注目を集めている。
作曲家・谷川賢作について
1960年東京生まれ。ジャズピアノを佐藤允彦に師事。演奏家として、現代詩をうたうバンド「DiVa」ハーモニカ奏者続木力とのユニット「パリャーソ」、また父である詩人の谷川俊太郎と朗読と音楽のコンサートを全国各地で開催。80年代半ばより作・編曲の仕事をはじめ、映画「四十七人の刺客」「竜馬 の妻とその夫と愛人」NHK「その時歴史が動いた」テーマ曲等。88、95、97年に日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。06年びわ湖ホール制作 「雷の落ちない村」の音楽監督(コンサートライブCD「雷の落ちない村」13年7月にリリース)ピアニスト舘野泉に組曲「スケッチ・オブ・ジャズ」を献呈。画家、山本容子の絵とエッセイで綴る「Jazzing」の音楽 プロデュース。兵庫県立芸術文化センター制作の音楽劇「赤毛のアン」富山県文化振興財団委嘱作品「少年少女のための交響詩 ~めざめる羽 はばたく四季~」 (作詩/覚和歌子)2009年3月初演。金沢ジュニアオペラスクール第二期音楽監督。兵庫県立ピッコロ劇団「赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマス」「歌うシンデレラ」映画「カミハテ商店」(2013おおさかシネマフェスティバル音楽賞受賞作品、監督・山本起也) 2020年度船橋市文化芸術ホール芸術アドバイザー。
谷川賢作オフィシャルサイト http://tanikawakensaku.com/
共演者プロフィール
ヤンネ舘野 Janne TATENO:Violin
フィンランド・ヘルシンキ生まれ。シルッカ・クーラ、オルガ・パルホメンコ、森悠子の各氏に師事。11年、22年東京文化会館にてリサイタルを行う。ソリストとして15年ヘルシンキにてW.ケンプのヴァイオリンコンチェルトを演奏、またモーツアルトコンチェルト、シベリウスコンチェルトを山形交響楽団と共演。現在ヘルシンキを拠点とするラ・テンペスタ室内管弦楽団のコンサートマスター、音楽監督を努める他、山形交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者、森悠子主宰長岡京室内アンサンブルのメンバーとしても活動する他、バロックヴァイオリン演奏、アルゼンチンタンゴ演奏、コンサートのプロデュースをするなど幅広い活動を展開。
ヤンネ舘野公式HP jannetateno.com
小中澤基道:Motomichi Konakazawa:Viola
長野県諏訪市に生まれ。 4歳よりヴァイオリンを始める。 洗足学園音楽大学大学院在学中にヴィオラに転向し、 岡田伸夫氏に師事する。 2007年原田幸一郎指揮、洗足フィルハーモニーと協演。 現在、日本フィルハーモニー交響楽団ヴィオラ奏者。 Ensemble ilvischio 、 アスチルベ弦楽四重奏団、硬派弦楽アンサンブル 「石田組」 のメンバーとしても活動。洗足学園音楽大学非常勤講師。
矢口里菜子 Rinako Yaguchi:Cello
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、同大学を経て、ドレスデン音楽大学にて研鑽を積む。第10回ビバホールチェロコンクール第1位。第31回霧島国際音楽祭賞。ソリストとしてザクセン州立警察オーケストラなどと共演。現在山形交響楽団首席チェロ奏者。異なる楽団のトッププレイヤーから成る弦楽四重奏団「The 4 Players Tokyo」として、BSテレビ東京「エンター・ザ・ミュージック」に定期的に出演している。
ジョナサン・ステファニアク Jonathan Stefaniak:Contrabass
米ウィスコンシン州ミルウォーキー出身。ルーズベルト大学シカゴ芸術音楽院を卒業。在学中、シカゴ交響楽団トレーニングオーケストラのシカゴシビックオーケストラに所属。ニューヨーク ストリングオーケストラセミナー、パシフィックミュージックフェスティバルなど、各地フェスティバルに参加。兵庫県立芸術管弦楽団団員を経て、現在読売日本交響楽団所属。2019年舘野泉率いるラ テンペスタ室内管弦楽団日本ツアーに参加。
プロジェクト主催者について
ArTRANDOM代表 前田哲央
フランスパリ生まれ。関西大学文学部フランス文学科を卒業後、2014年にアートプロデュース団体ArTRANDOMを立ち上げ、関西を拠点にバレエ公演やクラシックコンサート等の公演を企画・運営。
2015年10月京都の美術館においてフランス大使館・フランス領事館・アンスティテュ・フランセパリ本部との共催展覧会マニュエラ・ポール=キャバリエ展を企画。フランス首相Manuel Valls氏の視察コースとなり、新聞各紙で話題になる。
2019年7月イタリア人ナンバーワンピアニストGiovanni Alleviピアノコンサート大阪公演主催、2019年12月世界的コロラトゥーラ田中彩子×カウンターテナー藤木大地コラボコンサート主催。
また、コロナ禍で他団体が公演を控える中、制作活動を休むことなく継続。
高倉天皇と小督局(こごうのつぼね)との悲哀を描いた京都嵐山法輪寺での野外公演、『幽玄の舞 小督KOGO』。
『愛』と『美』をテーマした室内楽とバレエによる饗宴『Musée Création(ミュゼ・クレアシオン)』、『ピアソラ生誕100周年記念 バレエと音楽コラボコンサート ~Passion〜With Astor Piazzolla』、バレエとクラシック音楽による仮面舞踏会Bal Masqué (バル・マスケ)『作曲家平野一郎の世界2023異界現想』等、芸術分野横断型の芸術公演を手掛ける。
長く暮らしてきたヨーロッパのように、多くの芸術家が共存し、刺激しあい、新たな芸術を生み出す好循環を形成したい。そして芸術に触れることにより、人々の気持ちが豊かになれることを祈り、『芸術で世界を豊かに』をテーマに日々公演や舞台の制作活動を続ける。
いただいた寄付の使いみち
このコンサートの実現のために、みなさまからお寄せいただいた寄付は、下記のようなコンサートの準備に関わる費用に使わせていただきます。
出演費、会場費、付帯設備費、調律費、会場人件費、チラシ制作費、広告費、印刷費、主演者旅費、出演者滞在費など
このプロジェクトに寄付をすると税の優遇措置が受けられます
アーツサポート関西は公益財団法人関西・大阪21世紀協会が行う取り組みであるため、このプロジェクトに寄付をいただくと税の優遇措置が適用されます。個人と法人のいずれにも適用されます。たとえば個人が3万円を寄付して「税額控除方式」で税金の還付を受ける場合、11,200円が寄付者に戻ってきます。詳しくはこちらをご参照ください。
寄付をしていただく際にご確認いただきたいこと
■このプロジェクトは、アーツサポート関西の2023年度公募助成で選ばれた団体が行う活動です
■いただいた寄付は、公益財団法人関西・大阪21世紀協会への寄付となり、税の優遇措置が受けられます。詳しくはアーツサポート関西ホームぺージ「税の優遇措置について」をご覧ください。
■プロジェクトを行う団体には、いただいた寄付から必要経費10%を控除した金額をアーツサポート関西から助成金として支払います。クレジットカードをご利用の場合はカード手数料分も控除されます。
■プロジェクトが目標額に達しない場合でも集まった寄付金を助成金として支払います。それにより事業規模が縮小されることがありますので、予めご了承ください。
■やむを得ない事情により、プロジェクトが中止となった場合、寄付金は返金せず、アーツサポート関西が行うほかの芸術・文化支援活動に活用します。
■寄付者のご連絡先については、当方の個人情報保護の基本方針に則り、プロジェクトを行う団体からのお礼のお手紙やメール等をお送りするため、当方から団体にお伝えさせていただきます。プロジェクト団体へのご連絡先の開示を希望されない場合は、寄付申込みページの備考欄に「個人情報の共同利用不可」とご記入いただきますようお願いいたします。