BONDプロジェクトとは
BONDプロジェクトを設立したのは2009年の頃だ。活動の始まりはある女の子との出会いだった。あてもなく渋谷の夜の街を彷徨っている一人の少女と出会った。気になった私はその子の後をつけて、タイミングをみつけて声をかけた。深刻な問題を抱えたまま、危険を顧みず、17才の少女は居場所を探していた。「自分がいてもいい場所」を、必死に見つけようとしていた。お金もなく、行くあてもなく、頼れる人がいない、誰かに相談しようともしない少女の考え方と行動はとても刹那的だった。
「今さえあればいい。大人になる自分は想像できない。25才になったら人生おしまいだと思う」と、少女はつぶやいた。私もそういう頃だってあったはずなのに、街で出会ったばかりの少女が危なっかしくてほっとけなかった。「行くところがないなら、よかったらうちへ来ない?」素直な気持ちだった。ただ、会ったばかりの私の言葉に驚いたのか、少女はじっと目を見開いた。しばらく考え込んでから、その子が小さくうなずいた。タクシーで自宅へ連れて行き、パートナーのカメラマンのKENが、何も1日食べていないという少女にインスタントラーメンを作った。3人で少し話しをしてから、布団を敷いて、朝まで休んでもらった。今でなら保護と言っているが、以前はこういう言葉も思いつかなった。
この少女のように家や学校に居場所のない少女たちはたくさんいる。家に帰りたくない理由があるから、危険と知りつつ、夜の街へと身をゆだねる。傷つくと知っていながら、求められるがまま、相手の欲求に応えてしまう。でも、ちょっと立ち止まってほしい。傷つくとわかっているなら傷つかない方がいいし、居場所がなくて探しているなら、横たわる場所は少しの時間でも安らげるほうがいい。犯罪に巻き込まれたり、命の危険だってある。女の子は望まない妊娠、出産などの問題につながることだってあるのだから、ややこしくなる状況は避けてほしい。こんな時「困っている」という気持ちがあることを自分が確認することが大事なんだと思う。ごちゃごちゃした気持ちを言葉にしてほしい。そして聞かせてほしい。
誰にも頼らず、自分一人で何とかしようとして夜の街に出てきたのだから、もう「ギブアップ」をしていいのだ。そうすれば、今を立ち止まり、これからのことを考えようと、いいきっかけになると思う。一休みとはそういう時間だと思っている。BONDプロジェクトの活動の原点は「大丈夫、一緒に考えよう」という一休みの時間、ここにあると思っている。
だから私たちは出会いを求め続ける。
多くの女の子と過ごしてきたけど、もちろん満足できる関わりなんてない。それでもタイミングがあって、街でメールで電話で面談で出会った、居場所を必要としている目の前の女の子とBONDとしてこれからも過ごしていきたい。そして、出会った女の子が必要とする「人」へと繋ぐプロフェッショナルでありたいと思う。
BONDプロジェクトの活動内容
BONDプロジェクトは
① ドメスティックバイオレンスにより、帰る場所の無い、又は自宅が精神的な拠り所となりえない青少年の保護を行い、② 社会、家族、友人等に関する人間関係の不信感に対するメンタルケアやカウンセリングを実施し、③ 問題を抱えた青少年が、就業、生きがい、社会参画できる機会を提供することで、青少年の健全育成を図ることに寄与することを目的に、2009年に設立しました。
目的を達成するために
( 1 ) 雑誌及びインターネットにて青少年の声を周知させる情報発信事業
( 2 ) 青少年の現状を講演会で訴えて啓発を図る講演会事業
( 3 ) 青少年を保護し、精神的ケアを行う保護事業
( 4 ) 職業能力の開発又は雇用機会拡充のための講習会、説明会事業
( 5 ) その他目的を達成するために必要な事業
を行なっています。
皆さまからのご支援をよろしくお願い致します。
- 3,000円で、一人の女の子に温かい飲み物が提供できます。
- 5,000円で、虐待や犯罪被害に遭い、家に帰れない女の子を緊急保護することができます。
(食事、着替え、衛生用品など)
- 10,000円で、虐待や犯罪被害に遭い、家に帰れない女の子を緊急保護することができます。
(食事、着替え、衛生用品、病院診察代、交通費など)