奄美大島で暮らすノネコとは



【私たちCAIT SITHが取り組む社会課題:issue】
環境省と地元自治体(奄美市)は、生態系保護を大義名分として、「ノネコ管理計画」を策定しました。
この計画では、捕獲器で捕まえた猫に1週間の命の期限を設け、その間に譲渡先が見つからなければ処分する方針が取られています。
計画書には次のように明記されています。
「個体については、飼養を希望する者への譲渡に努め、譲渡できなかった個体は、できる限り苦痛を与えない方法を用いて安楽死させることとする」
つまり、アマミノクロウサギなど固有種の絶滅を防ぐという名目で、捕獲されたノネコは譲渡できなければ殺処分される、という内容です。
野良猫は動物愛護法において「愛護動物」として扱われ、みだりに殺せば2年以下の懲役または罰金が科せられます。
一方で「ノネコ」は、鳥獣保護法の「有害鳥獣駆除」という名目で自治体が捕獲することが可能です。
自治体が野良猫を殺処分すれば、その数は公式な殺処分数としてカウントされます。
しかし、同じ猫でも「ノネコ」として捕獲・殺処分された場合、その数は殺処分数に含まれません。
実際には、野良猫とノネコの間に明確な線引きはなく、区別は非常に曖昧です。
この曖昧さが、命の扱いに大きな影響を与えています
殺処分ゼロの実現に向けて



【私たちCAIT SITHが考える社会的役割:mission】
「殺処分ゼロ」の実現を目指し走り続けることです。
奄美大島では、人の都合や人が決めた事柄で行き場を無くした猫たちが沢山います。CAIT SITHでは助けを必要とする猫たちを受け入れ、1匹でも多くの猫たちに新しい家族とのご縁を繋いでいきます。その為には、多くの人にノネコの存在を知ってもらい、ノネコを新たな家族として迎えるということを普及させていかなくてはなりません。
殺処分ゼロの先には



【私たちCAIT SITHが考える社会の理想像:vision】
「人と猫を含むあらゆる動物が共生出来る社会の創生」
「人と猫の共存する社会と文化」が広まることを私たち心から願っています。
猫との暮らしは、私たちに安らぎと癒し、そしてかけがえのない時間を与えてくれます。
一匹でも多くの猫が安心できる環境で暮らし、幸せな“第2の猫生”を送れるように。
そして、人もまた、それぞれの生活スタイルに合わせて猫と共に暮らせる社会と文化が広がること。
その先に、人間の都合によって命を奪われる動物がゼロになる未来があると信じています。
その未来のために、私たちは活動を続けています。



代表者の思い

【CAIT SITHを立ち上げたきっかけ】
「その未来のために、私たちは活動を続けています。」
日本各地で行われている殺処分の数は膨大で、個人の力では到底追いつきません。
目を背けざるを得ない現実もあり、保護譲渡を続けながらも、自分の無力さに失望し、嘆き悲しむ日々が何年も続きました。
「自分だけが頑張って意味があるのだろうか?」
「この先、見て見ぬふりをしないで済む未来は来るのだろうか?」
その葛藤は、やがて悲しみから強い怒りへと変わっていきました。
奄美大島の「ノネコ管理計画」の存在を知ったのは、NPO法人ゴールゼロ代表の齊藤朋子獣医師からでした。
私はすぐに奄美大島へ赴き、譲渡認定人として登録。
奄美の在来種保護という名目で、そこに生きてきただけの猫たちが、毎月約30匹も捕獲され、10年間かけて殺される――そんな計画を、どうしても受け入れることはできませんでした。
譲渡認定人は全国でわずか20~25人、その中で実際に引き取っているのは顔見知りの数人だけ。
センターから「1週間で殺処分される猫」の情報が届くたび、胸が締めつけられました。
「もう限界、次の猫が収容されたら殺されてしまう…だれか…助けて…」
その思いが私を突き動かし、ノネコのためだけに無我夢中で行動した結果、CAIT SITH設立へとつながりました。
【殺処分をさせてはならない理由】
奄美大島のノネコ管理計画は、アマミノクロウサギなど在来種保護を目的に、鉄製の捕獲器で猫を捕まえます。
捕獲された猫はセンターに収容され、全国で登録されたわずかな譲渡認定人にだけメールで引き取り依頼が届きます。
その期限は1週間。過ぎれば安楽死という名の殺処分です。
この計画の前には、同じ理由で「マングース」が駆除されていました。
当時マングースを捕まえていた「マングースバスターズ」が、今は猫を捕まえています。
もし一匹でもノネコが殺処分されれば、「ノネコは危険な存在だ」という誤った認識が広まり、やがて殺処分が正当化されてしまう危険があります。
命を奪う理由を、人間が作ってはいけません。
【CAIT SITHの役割 ― 人のためでもある】
私は一人の限界を痛感し、大きな挑戦としてCAIT SITHを立ち上げました。
実際に活動を始めてみると、同じジレンマを抱えていた保護活動家や、活動に関わりたいけれど方法がわからず悩んでいた人たちがたくさんいることを知りました。
日本は世界でも豊かな国でありながら、ボランティア活動はまだまだ遅れています。
「なぜ自分はこの世に生まれ、生かされているのか?」
その答えを、CAIT SITHを通じて見つけてもらえたら――それは私にとって何よりの喜びです。
特定非営利活動法人 CAIT SITH 代表理事:服部由佳
弊団体メンバーの思い
奄美大島のノネコを救いたいと、目にも留まらぬ速さで譲渡型猫カフェをオープンさせた代表と猫が大好きでボランティアを始めました。
初めてのボランティアで不安は沢山ありました。しかし、携わるノネコ達は一様に愛おしく、特に2ヶ月間の家猫修行を経ても頑なに心を閉ざすノネコが、一週間、一ヶ月と少しずつ心を開き始め、その猫本来の甘えん坊で遊び好きの姿を見せてくれた時の喜びは格別です。
縁あってここに来たノネコ達には家族が見つかるまで、その猫らしく元気に快適に過ごして欲しい。そのような思いで活動をしています。
愛情を注いだノネコ達が譲渡される時は、嬉しさと寂しさがごちゃまぜになってしまいますが、新しい家族の元で今まで見た事のない安心し切った表情等を見ると、これで良かったと幸せな気持ちになり、一匹でも多くのノネコに家族を見付けてあげたいと思うのです。
カフェボランティアスタッフ:瀧内文恵
野良猫・地域猫とノネコの線引きがハッキリとされておらず、飼い猫であっても、迷い猫であっても捕獲収容され命の期限を付けられてしまいます。
捕獲収容されてしまう猫の中には、「要らない」と捨てられてしまった猫もいます。
何度も人間に裏切られ、心身共に傷ついた子たちをケアしながら、その猫のあらゆる個性を把握し、一代限りの命を大切に預かり育て、「この子を家族に」と言ってくださる素敵なご家族へとこれからも命のバトンを託していきます。
預かりボランティアスタッフ:青木夏美
これまでの活動実績
2018年7月〜現在 ノネコ捕獲数742匹(内、桜耳カットの猫235匹)
あまみのねこひっこし応援団!として引き出した頭数 675匹
675匹の内でCAIT SITHとして引き出した頭数 256匹
2025年8月10日現在
ご支援の使い道
毎月必ずかかる費用 約103万円(*人件費ゼロ)
【猫のカフェデビュー前にかかる初期医療の金額】
- 不妊去勢手術 5.000円~8.000円
- 健康診断 1.000円~
- 血液検査 5.000円~8.000円
- 3種混合ワクチン2回以上接種 3.000円×2回
- エイズ/白血病ウイルス検査2回以上 3.000円~×2回
- 便検査2回以上 500円〜×2回以上
- 寄生虫駆除、その他感染症や外傷の治療等 10.000円~
- 空輸、羽田等交通費 10.000円~
- マイクロチップ挿入・登録料 3.400円
その他に猫によっては、別途必要な医療費がかかる場合があります。
例)猫風邪、下痢、免疫治療、レントゲン、PCR検査、FIP、歯の抜歯、など
*医療費は協力病院にて保護猫価格になっています。
【カフェにいる猫達(15匹〜20匹)と、預かり宅にいる猫達(30匹〜50匹)に毎月かかる金額】
- 猫のフード 3.300円×15匹〜20匹=49.500円〜66.000円
- 猫のトイレ砂 2.000円×15匹〜20匹=30.000円〜40.000円
- 預かり宅猫のフード 3.300円×30匹〜50匹=99.000円〜165.000円
- 預かり宅の猫達飼養費 1.000円×30匹〜50匹=30.000円〜50.000円
他にも猫のサプリや検査代、薬代、治療代は毎月かなりかかります。
【毎月かかるその他の金額】
- テナント代 20万円
- 光熱費等 6万円
- 交通費、通信費、消耗品などの経費 25万円
2025年8月10日現在