2023年4月、子どもの権利を保障する総合的な法律「こども基本法」が施行されました

「こども基本法」の第1条の目的には、『日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、こどもの心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、こども政策を総合的に推進する。』と謳われています。1994年に日本が子どもの権利条約を批准してから28年。待ち望んでいた子どもを権利行使の主体と位置づけ、子どもを中心においた施策の展開にむけ、その基盤となる法律ができ、しくみづくりが始まりました。

法律ができたことで、“こどもまんなか”という言葉を見聞きすることは多くなりましたが、その意味することは何かが共通認識になるにはまだまだ時間がかかります。子どものウエルビーイング（幸福）と子どもの権利の実現のために、引き続き、ＣＡＰができることを考え実践していきます。

子どもは権利行使の主体です

CAPは、Children Assault Preventionの略です。CAPのAは「Abuse」（虐待）ではなく、「Assault」（攻撃、非難、暴行）です。つまり、「虐待」だけではなく「あらゆる形態の暴力」をさします。いじめ・虐待・体罰・性暴力・誘拐など子どもが受けるあらゆる形態の暴力の予防教育がCAPです。

子どもへの暴力（子どもの心とからだを傷つけること）は、子どもの人権侵害です。

自分のけんり（基本的人権）が奪われていると気づくためには、そもそも「けんりとは何か」を知ることが必要です。

CAPでは、「けんりとは、生きていくためにどうしても必要なもの」と伝えています。

子どもたちは、一人ひとりが「権利をもった大切な存在」です。子どもワークショップのなかで、「みんなはどんな権利を持ってる？」と尋ねると、子どもたちはどんどんイメージを膨らませて、答えてくれます。食べる、寝る、遊ぶ、学ぶ、服を着る、治療を受ける、家に住む、休む、助けを求める、失敗する、大切にされる・・・。子どもは日々、主体者として権利を行使しているのです。

特別に大切な３つの権利を伝えることが子どもへの暴力防止になる

たくさんある権利のなかでも、「安心・自信・自由」は子どもに特別に大切な３つの権利です。心のレベルの基本的人権であるこの「安心・自信・自由」が、大切な自分の心とからだ、権利を守るめじるしです。

「自分は安心・自信・自由の権利をもった大切な存在だ」と思う感覚が暴力を防止するための一番の力になります。心とからだの境界（バウンダリー）を強化していくことにつながります。

CAPプログラムでは、子どもだけでなく、おとなに“子どものもしもに備える”子どもへの暴力を防止（予防）するための知識とスキルを伝えます。起きないようにするだけでなく、起りそうになっていることに早期発見、早期対応できる体制、そして起きてしまった後に慌てずに対応できる体制を整えて、もしもに備えるためです。これらは子どもの安心・自信・自由を保障することになります。

CAPに参加した子ども・おとなの声　 http://cap-j.net/program/voice/voice

すべてのおとなが子どもの権利を理解し、予防的観点を持つことが必要です

これまで日本では19万回以上のCAPプログラムを実施し、子どもとおとな593万人以上に子どもへの暴力を防止するために必要な予防教育・人権教育を届けてきました。各地の保育所・幼稚園・学校・施設からの依頼に始まり、今では自治体からの委託事業も増え、50を超えています。

CAPを初めて知った方からは、「もっと早く、子育て中に聞いて、活かしたかった」という声をよく聞きます。

まだまだ続くコロナの影響、さらにどこで起きてもおかしくない災害時など、地域のすべてのおとなが子どもとともに危機的状況に向き合い、支え合う必要があります。

そのために、おとなの皆さんに、そして、子どもたちに、もっと子どもの権利について知っていただきたい－

そこで、寄付キャンペーン『広げよう！子どもに大切な3つの権利“安心・自信・自由”』を実施します。

まずは、子どもの身近なおとなにCAPを届けます。

あなたのご寄付でできること

本キャンペーン寄付によって、2024年度には、学校・地域でCAPを知りたい！CAPおとなワークショップ実施したい！という団体・個人を支援（支援額　20,000円/回×ワークショップ数15～20回・20団体）を予定しています！

20,000円のご寄付で１回（90～120分）のCAPおとなワークショップが開催できます。
内訳（スタッフ人件費2人分、交通費、通信費、資料印刷費、その他諸経費）

あなたのご寄付がなければ、子ども虐待などあらゆる形態の子どもへの暴力のない社会は実現しません。ぜひご支援をお願いいたします。
2023年7月に認定NPO法人となりましたので、寄付控除をお受けになることができます。
寄付控除をお受けになりたい場合は以下をご覧ください。

寄付金控除について　https://cap-j.net/join/kihukou....

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

＜ご寄付に関するお問い合わせ先＞
認定特定非営利活動法人CAPセンター・JAPAN
TEL：06-6648-1120
E-mail：info@cap-j.net

CAPセンター・JAPANは、子どもへの暴力防止に関する社会教育の推進・啓発活動、情報発信、CAPスペシャリストの養成などを行っています。暴力防止や人権に関する啓発事業を行うことで、子どもや当事者の視点に立ってサポートできるおとなを増やし、誰もが安心して暮らせる社会を目指しています。