国民の50%以上が貧困状態にあるマラウイ
国民の豊かさを示す人間開発指数(HDI)は、世界189カ国中 174位
アフリカ南東部に位置するマラウイ共和国は、国土がどこも海に面していない内陸国です。それゆえに、貿易や物流が難しく経済発展が難しい状況にあります。JICA海外協力隊の派遣員数はこれまで約2,000名以上と、最多の方が派遣されるほど支援が必要な状況が続いています。
健康(平均寿命)、教育(学校教育の年数)、所得(1人あたりの所得)を数値化する形式で、国連が毎年発表している人間開発指数によると、マラウイは世界172位と世界の中でも最下位のグループに属しています。この指標は、「どれだけ人間らしく、生きがいを持って生きられる社会か」を表しています。現地の人々が、よりよく生きていける環境、社会の構築に向けては、まだまだやるべきことがたくさんあります。

大きな影響を与えているのは、人口の急激な増加です。2000年に1,000万人だった人口は、この20年で2倍の約2,000万人に急増しています。子どもの数が増えていく一方で、資源や食料、学校の設備はそれになかなか追いつきません。自然災害の影響も非常に大きく、子どもたちは満足に食事をとることもできず、子どもの約15%は慢性的な低体重児となっています。
国民の90%が、薪や木炭がエネルギー源
マラウイでは、電力の供給は行き届いていません。国民の約90%が薪や木炭をエネルギー源として生活していて、都市部や富裕層であったとしても、薪や木炭を使わなければ生活が難しい状況です。
急増する人口に伴い、森林は急速に伐採されていき、豊かな自然は失われていっています。伐採された木々は薪や木炭という燃料として日々使用され、毎日の食事やお風呂など、家庭のすべての活動に必要です。

エネルギーの需要の高まりに比例するように、薪や木炭の価格も毎年上昇しています。電気もない、森林も無い、薪を買うお金もない。どうやって生活すればいいのか、代替案がない、という状況が広がってしまっています。
村の近くからは森林が消失していっているので、薪を取りに行くためには5時間以上も歩いて、30kgの重たい薪を運ばなければなりません。これらの重労働の多くは女性や子どもがしなければならず、とても過酷な生活環境です。子どもたちは学校に通うことができなくなり、国全体で約35%程度の子どもたちが小学校を卒業できていない状況になっています。
衛生環境が整っておらず、生と死が隣り合わせ
マラウイは充実した医療施設ヘルスセンターが十分に設置されているわけではありません。衛生環境も悪く、慢性的な下痢によって適切な栄養を接種できない子どもたちも多くいます。電気がないために医療器具の煮沸消毒が定期的に行われず、衛生環境が整っていないために感染症がさらに広がるリスクがあります。 妊産婦死亡率は他国と比べても高く、国全体で毎日約16名の妊産婦が出産前後に亡くなっています。
また、5歳未満児死亡率も依然として高く、主な死因はマラリア、下痢、栄養失調です。こどもの命を守るために、女性や子どもたちが安心して過ごせる環境、明日の生活に不安がない状況を作るために、いま私たちができることがきっとあると思っています。

私たちの挑戦
日々の生活の重要なインフラであるエネルギー源がないことで、貧困から抜け出せないマラウイの人々。この状況を「早期に改善すること」、かつ「継続的な支援につなげること」が大切だと考えています。
そこで私たちは今回、「ソーラーボイラーとブリケットを通したエネルギー源の提供」を行います。太陽光熱の利用や、薪の代わりに使用できる燃料の提供を通して、女性や子どもたちが薪を取りに行く重労働が解放されるようにしていきます。これまで私たちがともに協働を続けてきた、マラウイの保健省、教育省、現地病院、地域コミュニティ、部族長とも連携をとって、今回の大きな挑戦をすることにしました。
ソーラーボイラー:太陽光熱だけでお湯も、料理も
ソーラーボイラーは、太陽の熱をアルミニウムの板で反射させて、1箇所に集中させることで熱を集めるローテク技術です。これによって、太陽光の熱だけで調理や煮沸消毒ができ、薪を使う必要もなく、薪を取りに行く時間も何十時間も省くことができます。かつ、木を守り、二酸化炭素も発生させないクリーンで安全なエネルギーです。15分もすればお湯は沸騰し、医療器具の煮沸消毒、ご飯や芋類、パンの調理なども可能です。
これまで私たちはマラウイの医療施設を中心に15台のソーラーボイラーを設置してきました。現地で大活躍しているソーラーボイラーを、より多くの家庭、子どもたちのために届けていきたいと思います。世界最大のパラボラアンテナの開発に関わった偉大な技術博士が開発してくださっています。今回、マラウイ国内での製造、提供を拡大させ、安価でより多くの地域に届けられるよう活動を行います。

ブリケット:ゴミから生み出す環境負荷の小さい燃料
ブリケットは、炭の代わりに使用できるクリーンな燃料です。ピーナッツの殻や木材の木くず、鶏糞等、村で捨てられているゴミから作ることができます。作り方は、それらの廃棄物を農村部から回収して、燃やして炭化(酸素を入れずに燃やす)させます。その後、芋のでんぷん等を入れて固め、機械で圧縮させて固形化させます。その後数日乾燥させると、木を使わない炭ができあがります。今までゴミになっていた有機物を、エネルギー資源として再生させることで、マラウイでの環境負荷の小さい再生可能エネルギーを広めていきます。
森林を切り崩すのではなく、むしろ森林を守り、地球を守り、子どもたちの命も守っていく。私たちは挑戦を続けます。

マラウイの人々のために、そしてアフリカ全土へ
今回のクラウドファンディングで支援いただいたお金は、マラウイ農村部の過酷な生活環境で頑張る女性や子どもたちのために使用させていただきます。
ソーラーボイラーは、現地国立大学であるリロングウェ大学の教授陣とも連携して、安価での製造、提供を行います。
ブリケットについては、今後も長く安定してブリケットの製造、提供ができるように、圧縮用機械の購入を行い、現地政府機関とも連携して、地域支援の活動を行っていきます。
また、厳しい生活環境で暮らしているのは、マラウイの人々だけではありません。アフリカの他の国でも状況は類似している地域も多くあります。今回、私たちが現地の大学や企業、政府機関とも連携して支援を届けることで、この活動をモデルとして、マラウイから他の国へ支援を広げていくこと計画を立てています。
マラウイには、ユニセフや国連機関のアフリカ事務所も多く設置されており、そういった国際機関とも支援の活動として連携して、より多くの人々の生活を支え、ともに未来に希望を灯していく活動を行っていきます。

技術をベースにしたローテクで、今できる支援を、すぐに
私たちの活動では、ハイテクな設備は要りません。「支援物資を提供したけれど、壊れて修理ができなくて放置されている」ということもありません。今すぐ提供ができて、いますぐ人の生活を支えられるものです。現地にフィットする「適正技術」の考え方で、基本的な理科の知識と、ものづくりの技術をベースに、いますぐできる支援を行うべきだと考えています。
みなさんにとって、アフリカはどういう国ですか?どんなイメージですか?
大変そうなのは知っているけれど、どこか心の距離があったりしませんか?
「国の問題は、国が解決してくれる。」
「貧困の規模が大きすぎて、自分たちが動いても変わらない」
そんなふうに、他人事、先送りにするのではなくて、自分たちの小さな一歩、小さな支援によって、多くの人の人生が、命が救われます。
微力かもしれないですが、決して無力ではありません。
今できる支援を、みなさんと一緒に取り組めると嬉しいです。

これまでの活動
JICA草の根支援事業「保健省と連携した公衆衛生環境向上」
マラウイ保健省、JICA連携のもと、マラウイムジンバ県病院、及び管轄下のヘルスセンターの衛生環境の向上に取り組みました。2022年には、日本の医療施設や学校を訪問する研修にも招聘しました。
味の素ファンデーション「妊産婦の栄養改善」
3年間に渡り、妊産婦、及び乳幼児の栄養改善、調理実習の活動を行いました。味の素ファンデーション、日本栄養士協会の協力も得て、低体重児の減少に寄与するインパクトの高い活動を実施することができました。
デロイトウェルビーイング財団「脱炭素社会に向けたプラネタリーヘルス」
ソーラーボイラーやブリケットの普及、炭素クレジットの活用、他団体との連携を通したコレクティブインパクトの創出等、これまでの私たちの取り組みを高く評価いただき、複数年に渡って多くの助成をいただき活動を行ってきました。
みなさんの支援が必要です
農村部では、家族総出で森林に出ていき、警察に捕まらないように木を切り倒し、木炭を作らざるを得ない、そんな環境があります。小学生1年生の少年も、小さな身体で時間をかけて木を切り、木炭を作って路上で販売しています。今を生きるために、彼らがとれる選択肢が他にありません。 「森林を違法に伐採するのはよくない」と外から正論を言うだけで、彼らはどのように生きていけるのでしょうか。私たちの支援ひとつひとつが、新しいエネルギー源をマラウイの人々にもたらし、暮らしや命、地球の自然を守ることにつながります。
急増する子どもの数。
減少する森林。
高騰する薪やエネルギーの価格。
何百万人という人々が、日々過酷な環境で必死に生きています。一人でも多くの方々の支援が必要です。支援が集まることで、現地の人々の笑顔につながる大きなインパクトになります。

Colarbath代表吉川から、皆さんへのメッセージ
私たちの挑戦をお読み頂き、ありがとうございます。Colorbathの吉川です。
私は14才の夏に、初めて外国に行きました。そのときに訪れたスラム街、裸足でやせ細っている自分と変わらない年齢の子どもたちに出会ったことが、こういった活動の原体験です。
「いつか大人になったら、貧しい環境下の子どもたちが、自分が生きたい人生を生きることの力になりたい」
マラウイの生活は本当に厳しくて、失われてしまう命も多いです。今この瞬間に困っている人がいる、学校に行けなくなる、食べるものがない、未来が見えない。そんな環境の中で、必死に生きている仲間、友達、家族が、マラウイにはたくさんいます。
社会の構造を一気に変えることはできないし、気候変動を止めることも、インフラを整備することも難しいです。社会を変えることなんてできない、そう思ったことも何度もあります。
でもそのたびに、現地の人からたくさんのエネルギーをもらい、「自分にできることは、まだまだたくさんある」そう思い、行動を続けてきました。
本当に多くの方の協力や支援があって、マラウイの子どもたちやお母さんたちの支援を続けることができています。
「世界に変化を求めるのであれば、自らがその変化の中心となれ」
「微力かもしれない。でも、無力ではない」
私たちの活動を支えてくれるこの2つの言葉。
私たちは、挑戦を続けます。
ぜひ、一人でも多くの人とつながり、一人でも多くの人のご支援をいただきたいです。
そのひとつひとつによって、救える命があり、変えられる未来があります。
活動の様子は、ブログやオンラインでの報告会を通して、みなさんにもお届けさせていただきます。一緒に、想いをカタチにして、未来をつむいでいけると嬉しいです。
頑張ります。一緒に、頑張りましょう。

支援金の使途
みなさんからの支援金は、人の命、豊かな自然を守るためのエネルギー源「ソーラーボイラー」と「ブリケット」を、より多くの人々に届けるために使わせていただきます。
具体的には、ソーラーボイラー50台を製造するための材料となるアルミニウム、土台に必要な木材、スチール素材、ブリケットを圧縮製造する機械、ガソリン代を含む運送費等にあてられます。
・ソーラーボイラーの材料費(木材、スチール、ネジ、アルミ反射板)120万円
・ブリケットマシーン (3箇所) 60万円
・現地での運送費(農村部への輸送、材料輸送) 40万円
・現地スタッフ人件費(製造工場、運搬、専門家連携)60万円
・現地で製造する際の備品費 (溶接、保護メガネ、安全靴、ジェネレーター) 20万円
NPO法人Colorbathについて
「ひろがれ、セカイ」をコンセプトに、日本・ネパール・マラウイをフィールドにして、教育と雇用を生み出す途上国ソーシャルビジネス事業に取り組んでいます。事業分野は多岐に渡り、教育、農業、保健衛生、エネルギー、IT分野等で様々なプロジェクトを展開しています。また、自分たちが当事者として活動して得た学びを、ラーニングプログラムとして日本の教育機関と連携して子どもたちにセカイが広げる学びの機会を提供しています。
これまでの歩み
▣ 2013年度 世界経済フォーラム社会起業家グローバルシェイパーズ選出
▣ 2020年度 文科省EDU-Portニッポン「日本型教育の海外展開」公認事業
▣ 2021年度 ビル・ゲイツ財団 Vision Hacker Award 大賞受賞
▣ 2022年度 西日本国際財団アジア貢献賞 受賞
▣ 2024年度 日本マラウイ協会との日マ国交60周年記念イベント開催
団体情報
ホームページ:http://color-bath.jp/
Facebookページ:https://www.facebook.com/color...
Instagram:https://www.instagram.com/colo...
プロジェクトに関する留意事項
○「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトをより多くの方々に知って頂くために利用させていただく場合があります。
○ ご支援頂いた方は、Colorbathのメルマガに登録させていただき、情報をお送りさせて頂きます。
◯法人プラチナプランは、渡航費・宿泊費別となりますのでご了承ください。
このプロジェクトは「ケイズハウスNPO助成プログラム」の認定プロジェクトです

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