「通園制度」の月10時間の制限を広げたい
「こども誰でも通園制度」というものをご存知でしょうか。
普段、保育園などに通っていないこどもが、月10時間まで保育園などに行って集団生活をすることを支援する制度です。親の都合とは関係なく、こどもの学びの機会として、保育園などに通えるのがポイントです。
とても良い制度なのですが、月10時間という制限が、こどもにとっても大きな制約になってしまっています。給食やお昼寝も重要な学びの機会と考えて、1日5時間ずつ利用すると、月に2回しか利用できません。そうなると、こどもとしても生活リズムを作りづらくなり、集団生活に慣れるのにも必要以上に苦労してしまいます。
国の検討会でも、月10時間では短いという意見が複数出ていますが、全国一律の基準としては、なかなか拡張するのが難しいのが現実です。地方自治体によっては、独自に拡張するところもありますが、ごく一部に留まっています。
しかし、国や自治体として動けないから仕方がない、と終りにするわけにはいかないと思います。ですから、少なくとも cotori のある川崎市多摩区や、利用者の多い麻生区だけでも、変えていきたい、という想いで、cotori では、独自の助成事業を立ち上げて現状を変えていきます。それにより、「通園制度」と合わせて月20時間は、経済的な支援を受けながら、地域の保育サービスを受けられるようにします。
もちろん、この助成事業を実施するには、資金が必要となります。資金があるほどに、多くのこどもたちに学びの機会を提供することができます。是非、みなさまからのご支援をいただきたいです。
誰でも通える保育園の意味
これまでの保育園は、保護者が毎日働くために、家庭でお世話ができない子どもを預かるところでした。そのため働いていない保護者がいる場合には、預けられないことが多くありました。今日は親が出勤しているのか、会社に電話をかけて確認する保育園もあったと聞きます。しかし、子どもの成長にとって、いつも家庭の中にいることが最善とは限りません。
子どもたちが、週1回からでも定期的に、親の手を離れて、家の外で生活するようになると、生活に必要ないろいろなことを学べるようになります。いつも家で食べているのとは違う食事や、それを積極的に食べている同年代の子どもを目の当たりにすることで、食べられるものが増える子どもも多くいます。親子関係とは違う人間関係が生まれるのも、子どもにとって大きな学びになります。口を育てる「口育」として、姿勢や口腔機能の改善に働きかけることで、将来の健康や集中力にもつながります。
大人でも週5日働くのはキツいという声があります。子どもだって週5日ずっと保育園に通うのはキツいときがあることでしょう。でも、だからと言って、ずっと家庭の中にいるのも、親子ともに変化が生まれづらくなります。私たちは、週1日から週3日くらいで保育園に通うスタイルが、子どもにとって無理なく、学びを大きくするものであると考えています。
cotori でも、就労要件や理由を問わずに、誰でも通える保育園を運営しており、「通園制度」の試行的事業を利用する方も多く受け入れてきました。そうした中でも、やはり週1回でも定期的に通っているこどもたちは大きく成長していきます。今後も、誰でも通える保育園の価値を多くの方に提供していきたいと思います。
保育園を軸にして広がる活動
また、cotori では、保育を利用せずに家庭で子育て中の親子でも、気軽に安心して来ていただける場所「おやこ広場」として、保育園施設を開放する日も作っています。そこでは、地域で親子向けに活動している方々と連携して、イベントの開催などもしています。
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また、企業や有志の協力のもと、こども食堂も運営しています。保育園、おやこ広場、さまざまなイベント、そして、こども食堂が、それぞれ補完し合いながら、地域の親子の子育てをサポートし、こどもたちの未来を支えていけるように、徐々に活動の土台ができてきているところです。
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今後は、安心してそこに居られるというだけでなく、何かチャレンジしたい親子がいたときに、それを後押しする小さな挑戦の機会や、モノゴトをつくる力を育てる場も、用意していきたいと考えています。
ミッション
子育てはご家庭だけで担うものではなく、たくさんの人の手を借りながら、それぞれのペースでしていくことが大切であると考えます。人と繋がり、共に子育てをする中で、それぞれの親子が少しでも豊かな時間を過ごすことができれば…私たちはその一助でありたいと思っています。
代表者メッセージ
cotori のスタッフは、これまで行政機関で0歳~18歳までのお子様とそのご家庭のご相談を数多く受けてきました。子育てに対する不安や、育児の疲れは、時に子育てを辛く感じさせてしまうことがあります。
私たちはより身近に、より利用しやすく、徹底的に利用される方の目線に立ったサービスを提供することで、子育てをされる方々を支えていきたいと考え、自分たちの手でこの事業所を立ち上げました。
従来の「保育」にとどまらず、子育てをされている保護者様の気持ちや想いを支えることを大切にしています。
「cotoriがあるから安心」「cotoriに相談しよう」そんな風に思っていただけたら嬉しく思います。
かけがえのない子育てのひと時をご一緒に過ごさせていただけたら幸いです。
保育園 cotori 代表/NPO法人 cotori 事務局長
吉井真紀
寄付金の使い道について
お仲間になっていただいた皆様からのご寄付は、cotori の活動全般に活かしていきたいと考えています。
保育園 cotori は認可保育園ではないため、誰でも通える反面、自治体からの給付金などは受けられません。そのため、通うご家庭からは認可保育園よりも高い料金をいただくことになりますが、一方で運営に十分な金額とはなりません。
また、活動する上で苦労しがちなこととしては、新しい活動を始めるにあたっての備品購入費、イベントなどの宣伝広告費、スタッフを集めるための費用などがあります。安定的に資金が集まるようになると、当然のことながら、地域のこどもたちに向けての活動も、安定して進めることができます。
是非、マンスリーサポートなどを通して、cotori のお仲間になっていただき、一緒にこどもたちの未来を支えてください。