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11月18日(土)、総社高校にてcareer libraryを実施しました!
career libraryとは
ねらい
career libraryは、高校生が様々な分野で活躍する社会人から、これまでの経験や今の仕事について話を聞きながら、自分のこれからを考える機会です。
社会人の話を聞くだけでなく、自分が持っている問いを社会人にぶつけて、進路に関する探究を進めていく時間もあります。
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概要
対象:総社高校1年生
会場:総社高校
時間:約3コマ分
企画運営:NPO法人だっぴ
協力:一般社団法人ON-DO、Frontier School
進め方
①事前準備
高校生は事前ワークとして、進路に関する自分の問いをつくります。今回は、各教室にファシリテーターをつけて、自分の問いを整理する個人ワークを行いました。
②メインワーク
社会人3名分のブースに参加します。社会人は「仕事内容」「生き方(これまでの人生)」「大学での話」の3つのテーマで情報提供します。仕事の話や大学でのエピソードを聞き、時折質問もしながら、メモに気づきや共感できたことなどをまとめて、自分の問いを進化させる素材を集めていきます。
③振り返り
社会人との話を通して得られた発見をワークシートをまとめて、マインドマップのように、自分の「問いの変遷」を見える化。自分の問いを進化させます。
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ゲストの皆さん
今回協力してくださった社会人の方は14名。そのうち一部の方を下記にて紹介します!こんな方々でした。
株式会社ウエスコ
株式会社アイティーシー
KOBASHI HOLDINGS株式会社
妹尾真由子さん(岡山県フィルムコミッション協議会)
成果・効果
高校生の感想
参加した高校生の感想を紹介します!
会社を経営したり、企業を立ち上げたりすることは努力と運次第では可能だということが分かりました。また、社会人になったらコミュニケーションがとても大切なのだと実感しました。笑顔の力の大きさも思い知らされました。これから先壁にぶち当たることもあると思いますが、ポジティブ変換を大事にしたいです。周りの意見を聞くことの大切さも気づきました。
仕事はお金を稼ぐためにするのではなく、誰かの役に立つためにするものだということを学びました。その上で、私は自分のやりたいことを実現し、仕事にしたいと改めて思いました。
自分の進路について考えるとてもいい機会になったと思います。
まだ自分がやりたいことがはっきりとは決まっていなかったけど、将来やりたいことを無理に決めることはなく、いろんな角度からものを見たり、仮の小さい目標を立ててみることでも良いということを学ぶことができました。
これまで将来について考えると、もやもやすることがあったけど、今回お話を聞いて少し気持ちがスッキリしたのでお話を聞けて良かったです。
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高校生の問い
「●●(分野名)に興味がある」という問い以外にも、下記のような問いが生まれていました。
自身が少しでも「面白い」「興味をもった」ことは無駄なことであったとしても、すぐに役に立たないことであったとしても、調べていこうと思う
自分を活かした仕事、職業につくには?他人を気にせず、比べず、誰のためにそれをしていきたいのか、突き動かされるものに取り組んでいくこと
より良い目標の立て方や行動するときのモチベーションをどうやって上げるのが良いのかについて知りたい。
ボランティアなどで外国の方と触れ合ったりしてみたい
実践後記
進路に対して前向きに
オリエンテーションや振り返りは、ワークショップを用いた個人ワークでしたが、高校生は全体的によく書き込めている印象でした。そして、しっかりと自分の言葉で大人とコミュニケーションする姿も見られました。
「進路の問いを進化できたのか」という点については、この1回のワークショップで、進路が明瞭になったとは言い難いですが、問いが前進したことはたしかです。『今回つくった「自分の問い」を明らかにするために、これから行動していきたい』というアンケート項目について、約6割の生徒が「とてもそう思う」と回答しており、進路に対する前向きな心構えをつくれたのではないかと考えます。
ちょっとした改善でもいい
今回のワークの形式としては、社会人講話をマイナーチェンジしたようなワークショップです。情報収集としてただ社会人の話を聞くのであれば、youtubeでも聞けます。生身のコミュニケーションのなかで起きる相互作用やそれによって生まれる学びがあります。それを創出するための仕掛けを、前後ワークやメインワーク、グループ分け等に入れて、上手く機能したものもありました。
文科省が提唱する、2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教育」の姿として、「個別最適な学び」と「協働的な学び」があります。ガラッと変わる構造もあれば、少し改善することで「令和の日本型学校教育」に近づけることもあります。
当然ながら、これまで学校活動の全てを変える必要はない。こうした社会人講話に近いワークは後者と捉え、対人関係で起こる相互作用のデザイン(協働性)と個人の興味関心とのマッチング(学びの個別化)のマイナーチェンジしていくことで、前進していけるように思います。