バーブホームは依存症回復を日中のデイケアによる支援のみではなく、夜間も回復を支援するナイトケア施設として2011年から支援を提供してきました。しかし、2023年に築45年を迎えた建物は老朽化による雨漏りの問題が深刻になり、漏電など利用者に危険が及ぶことを考慮し、同年使用停止とする決断をしました。
バーブホームを再建し、もう一度同じ場所で依存症から回復を目指す人たちを支援するためにこの度クラウドファンディングプロジェクトに挑戦することを決意しました。
皆さまからの温かいご寄付をお待ちしております。
依存症は「やめたいのに、やめられない」自分ではコントロールができなくなる病気です。
人は誰しも、日常生活の疲れやストレスを緩和するために特定の物質や行為で気を紛らわせることがあります。それを繰り返すうちに、脳の回路の変化によりコントロールが効かなくなってしまうことが依存症につながります。このように依存症は意志の問題ではなく、脳の問題による病気なので簡単に回復できません。
依存症からの回復は、依存対象とうまく付き合っていた状態に戻るのではなく、依存状態にあった対象物がなくても、支障のない生活を維持できるようになることです。一時的にやめるのではなく、継続的にやめ続けることが依存症回復だと私たちは考えています。
ジャパンマックの活動は、一人の神父により開始されました。ジャン・ミニー神父は布教活動で訪れた日本での生活でアルコール依存症を患い、アメリカに帰国。帰国後、自助グループの活動や12ステッププログラムを習得することで依存症からの回復を成し遂げました。そして、この回復プログラムを日本に届けることが自らの使命と決心し、再度日本へ拠点を移し回復支援活動をはじめました。これがジャパンマックの活動の始まりです。
回復支援プログラムは12ステップをベースにしたミーティングを中心に提供されます。回復を目指す仲間と経験や考えを正直にありのまま分かち合うことで、現在と過去に向き合います。また、修了後は自助グループを活用し
仲間の支えを得ながらやめ続けることができるように、自ら参加を選択できる自主性を育みます。
最初期は日中の支援であるデイケア中心だったジャパンマックの支援ですが、その中で夜間の支援も必要だということでナイトケア施設の提供を進めていました。その中の一つがバーブホームです。
依存症回復支援に活用できる賃貸物件を探す中で、大家さんの理解も得られみのわマック(デイケア)からも近い距離であった物件を借りれることになりました。2011年からナイトケア施設として運営する中で、大家さんからのご提案もあり2014年に物件を買い取りバーブホームはジャパンマック初の自己物件となりました。
また、日本での依存症回復支援確立に大きく貢献された方々の一人である元アルコール依存当事者、バーブ(山本さんのニックネーム)さんの名前を冠したスタッフにとって団体の魂ともいえる施設であります。
ジャパンマックの魂とも言えるバーブホームですが、2023年時点で築45年経過した建物は老朽化が進み、雨漏りが深刻化していました。雨天時に漏電が生じ全館停電となるなど入居者に危険が及ぶ事態に至ったため、同年使用停止を決断しました。
しかし、これまで運営する中で回復支援活動を受け入れてもらい、良好な関係ができてきた地域での活動をなくしてしまうことはもったいない。また、活動の礎をつくってくれた先人の魂を未来につなぐことが現在活動する自分たちの責務ではないかと考えていることから、どうすればバーブホームを未来につなぐことができるのかを思案してきました。
バーブホームを再建するためには大きな予算が必要になります。私たちの力だけでこれを担うには、銀行からの長期借り入れによる資金調達を行う他ありません。しかし、借り入れは団体の活動継続にも大きな負担となります。この負担増加は利用者への支援提供の質にマイナスの影響を与える可能性があります。
また、借り入れをせず施設再建を諦める道もありますが、それはこれまで先人が築き上げてきた関係性を失い、未来につなげることができない選択となります。
私たちはバーブホームの再建を皆さまからご寄付というかたちで応援していただくことで、良好な関係を築くことができ、団体の魂ともいえる場所を未来へつないでいこうと決断しました。
バーブホーム再建のためのクラウドファンディングは、単に建物を再建することが目的ではありません。
本プロジェクトが目指す目標は大きく3つあります。
①地域との良好な関係を未来へつなぐ
依存症に対して理解ある地域の中でのボランティア活動やレクリエーションを通じて、社会との関係をつくることが、依存症回復後の社会復帰へとつながります。
②これからのスタッフにジャパンマックの魂をつなぐ
ジャパンマックの魂ともいえるバーブホームを未来につなぐことが、これから働くスタッフにも支援の思いや軸をつなぐことにもつながり、当事者に寄り添った回復支援を未来へつなぐことに繋がります。
③依存症回復支援と社会がつながる
これまで、ジャパンマックは広く寄付を集めることをしてきませんでした。それは、依存症回復支援が原則当事者支援によるものであるからでした。しかし、今回のプロジェクトで広く寄付という形で一般の方にも活動を知っていただくことが、これから依存症で苦しむ人や回復を求める人たちの支援につながる結果に結びつくと考えています。
私たちは依存症回復支援の先に、平和な社会の実現を目指しています。
依存症はあらゆる困難に直面し、生きづらさを感じている人が結果として陥る病気です。私たちはその人の本当の生きづらさに寄り添い、そこから立ち上がる支えになり続けることが、誰もが豊かに生きられる平和な社会につながると信じています。
厚生労働省の報告によると、依存症やその疑いのある人は推計150万人にものぼるとされていま。100人に1人くらいの数値となり、1両の満員電車に1人くらいは症状を持った人がいることになります。また、アルコール・薬物・ギャンブルの3大依存症の他に、近年スマホやゲームなどの身近な機器、性や窃盗といった法を犯す依存も増加傾向にあり、社会の変化とともに顕在化・多様化していることが分かっています。
依存症は様々な生きづらさから結果としてかかる病気です。現代社会はSNSをはじめオンラインでのつながりが増え、つながる時間が増えることでストレスを感じる状況も増加しています。一方で依存症回復に関する正しい情報につながる機会は少ないため、依存症であることに気づくこと、必要な支援につながることが難しい社会になっています。
生活できない、でも死ねない。どん底から這い上がる決意をした場所
F.Kさん(アルコール依存症)
31歳の時、自分自身の生活がままならない、死ぬこともできない状況まで落ちていた。
それまで、水商売や風俗業で働きその不摂生な生活の中でアルコール等を使って酔いの世界と現実も分からないほどになり、人間関係も無くし部屋で飲むだけの時間を過ごしていた。
独りぼっちの中で逮捕を経て医療そして施設に繋がった。ハウスに入ってからも中々、仲間だなんて思えないしイライラして過ごしていた。唯一猫のシロにだけは心が許せていたように思う。シロの世話係を通して話をする機会が増え、年は違えど同じ様に独りぼっちになっていた仲間たちの中で経験を話すようになり家族や友人にさえ話せなかった様な事も話せるようになっていった。飲食業をかじっていて楽勝に思えた朝食当番も手が震えて上手く出来ず戸惑っている時にも笑って手伝ってくれ、早朝に痔ろうが破裂した時に手当てしてくれたのも、吐血して困惑した時も助けになったのはハウスの仲間でした。良い思い出も、悪い思い出もシラフを過ごし始めた場所は今も何が大切かを思い出す為の道しるべです。
閉ざしていた心を仲間達が開いてくれて、回復がはじまった
M.Kさん(アルコール依存症)
20代後半から少しずつ酒の量が増え数年後には仕事を辞め、酒浸り生活に入りました。酒漬けの生活は20年近くに及び、最後はお金も行く場所も無くなり、行きついたのがみのわマックでした。
バーブホームでは飲まない生活をしながら、ミーティングというものを行います。何故酒を飲んだのか?何故酒が必要だったのか?お互いに話します。情けない話しなので最初は言いたくありませんでした。しかし2か月経った頃勇気を出して話してみました。凄く疲れました。食堂でミーティングをした後、隣のキッチンにあるイスで放心状態で休んでいたら、先行く仲間達が「すげー話だったなあ!」とみんなで大笑いしてくれました。全てを笑いに変換してくれたのです。救われた気がしました。私の回復はここから始まりました。
30年前、アメリカ研修ツアー中に「私たちが頑張っても回復しない人がいますからねえ」とこぼした時、血相を変えたバーブさんから「医者がそんなことを言うからダメなんだ‼️」と怒鳴られ、何も言い返せませんでした。
その2年後、マックのつどいで恥ずかしい身の上話をしてしまった私に「やっぱり先生は仲間だな」と苦笑いしてくれました。
どちらの言葉も貴重な私の財産です。ホームのリニューアルを応援しています。
“巧妙で不可解で強力な病”の依存症。支援の現場はとても人間臭くて面倒くさい。「大宮ハウス」同様、「バーブホーム」は一見してそれがすごい施設、共同体だなんて窺い知ることができません。しかし、そこでの共同生活が多くの回復者を生み出していることを私は知っています。そしてその名に記された大切な意味も。人間味溢れたドラマと温かさが詰まった「バーブホーム」の再建を私は応援しています!
アディクション関連問題を手放すには経験と希望の分かち合いが必要です。
女性に関わるソーシャルワーカーとして「オ’ハナ」のそばにいるから感じます。
「バーブホーム」の安定が平安をもたらすこととなると思います。皆さん、応援お願いいたします。
何かの力を借りないと辛いと感じてアルコールに頼るようになっていった人々が、でもやはり素面で現実に向き合って生きていきたいとの思いに至って回復施設を利用するようになります。支援いただけると、ひとりぼっちではないとの実感がわき、素面で生きていく勇気がより強まっていくでしょう。他者と伍して勝ち残った人だけが居心地のよい社会って、本当に幸せな社会でしょうか? お互い様と思って、ちょっと余裕があるときに無理のない形で手を差し伸べる・・そんなやさしい社会の実現に一役買っていただけれるとうれしいです。
依存症の回復には、ありのままに正直に、向き合い、わかちあい、認め合う居場所が必要です。生きづらさを抱えている人、居場所を必要としている人がたくさんいます。バーブホームの存続のためにぜひお力添え下さい。
刑事弁護に取り組んでいて、事件の要因として何らかの依存症がからんでいると思う事案に多く接します。再犯の可能性を少しでも下げるためには、要因である依存症に対処する必要がありますが、この点について弁護士は無力です。依存症回復施設としてのジャパンマックには大いに助けられています。より多くの人が、より生きやすくなるための拠点として、バーブホームの再建を応援します。
薬物事件で逮捕された私は、独りで人生を立て直そうとしましたが無理でした。鬱も酷く、どうにもならなくなった時に出会ったRDに通ったことで、再び生きていく力を取り戻すことができたのです。バーブホームが、誰かのやり直しの居場所として、再建できるよう応援しています。
依存症の仲間たちが「生き直す場所」の一つとして、ナイトケアハウスは必要不可欠です。
「社会全体から支えられている」という実感を、皆様一人一人の小さな貢献によって大きく具現化できるよう、応援をお願い致します!
いただいたご寄付はバーブホーム再建にかかる費用に大切に活用させていただきます。再建費用以上のご寄付を頂いた場合には、これからの依存症回復支援活動に活用させていただきます。
税制優遇のご案内
ジャパンマックは東京都より認定を受けた認定NPO法人のため、寄付金控除等の税の優遇措置(減税)を受けることができます。
※ジャパンマック発行の「領収書」と確定申告が必要です。
【個人の場合】
・所得税の寄付金控除
個人が各年において支出した認定NPO法人に対する寄付金で、その寄付総額が2,000円を超える場合には、確定申告の際に所得税の寄付金控除として「税額控除」または「所得控除」のいずれかが選択適用できます。
→寄付金控除(税額控除)額の計算
(寄付金合計額-2,000円)×40% =税額控除額
→例えば3万円を寄付した場合、
(30,000-2,000)×40%=11,200円が所得税から控除されます。
※年間寄付額や所得税率などによって有利な選択が異なります。詳しくは税務署等にご確認ください。
・住民税の寄付金控除
寄付者がお住まいの都道府県または市区町村が条例で指定した認定NPO法人等に寄付した場合に適用されます。
※お住まいの都道府県または市区町村にご確認ください。
※上記はあくまで一例です。詳しくは所管の税務署へご確認ください。
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