私たちの取り組み
親を頼ることができない若者のための「アフターケア事業所カモミール」
福山駅から徒歩10分。ビルの3階に私たちの運営する居場所があります。学校の課題をするために来る。ちょっと金欠の時にご飯を食べに来る。ここで出会った仲間と待ち合わせをするなど、使い方は自由。何となく一人でいるのが嫌で来ることや、モヤモヤを聴いてほしくて来ることもあります。
特別な相談や困りごとがあってもなくても行ける場所があることは、実はとても大切。自分にとっての居場所があれば、“この社会にいてもいいんだ”と感じることができるからです。
また、相談することに慣れていない若者は、困っていることを話すのにとても勇気が必要です。雑談をする内にふと出てくる悩みごとは、既に大きな問題に膨らんでいることも。そんな時には相談スペースでじっくりと話を聞きます。

食を通じてつながりを届ける「アウトリーチ」
居場所に来ることができる人もいれば、距離的に、精神的に難しい人もいます。そんな人たちには私たちが会いに行きます。食べ物や生活用品を持って行ったり、一緒に部屋の片付けをしたり、ちょっと気晴らしにご飯を食べに行ったり。「最近どう?」「元気だった?」と顔を見て話す時間を大切にしています。
近くの子にはお弁当を持って車で、遠方の子には食品や生活用品を宅配便でお届けします。ボランティアさんときれいに包んで手書きのメッセージカードを添えています。“一人じゃないよ”という気持ちも一緒に届くと良いなと思います。

ボランティアさんの手作り弁当 人気なのはもちろん肉料理!
自立へ向けてサポートを受けながら住む「自立援助ホームエクリュ」
15歳~20歳の女の子が暮らす自立援助ホーム。児童養護施設等で暮らした経験のある子や、家族を頼れず自立を目指す子などが入居しています。アルバイトで生活費を稼ぎながら、利用料を払い、貯金をしてひとり暮らしに備えます。アルバイト代は10万円に満たないことが多いのですが、その中から30万~50万円貯めて自立します。
トラウマなど抱えている場合も多く、まずは安心して暮らせることが第一。スタッフも一緒に居心地の良さに取り組んでいます。いろいろな「自分らしさ」を大切にできることが、その後の生活を支えます。心の安定が、未来を築く土台となります。それぞれが実現したい将来像を描き、そこに向けた生活が送れるようにお手伝いしています。
心身の不調が出やすく、病院受診が必要になることもありますが、基本的に医療費は自己負担。受診をあきらめることも珍しくありません。

困る前の若者と出会う「居場所づくり」
校内居場所カフェ
全国的には増えつつある「校内居場所カフェ」。学校の中に第三の居場所として設け、生徒の声が気軽に出せる場を提供します。利害関係のない大人がそこにはいて、気持ちを吐露することもできます。残念なら広島県での開催は非常に少ない状態です。
ちょっとした飲み物やお菓子、ボードゲームなどを入口に、家族のこと、進路のことなど雑談の延長線上の相談がはじまることもしばしば。
親でもなく先生でもない大人が学校の中で関係を築いていくことで「困った時には大人に話してみてもいいかも」と思ってもらえるよう関わっています。

若者の秘密基地「間論カフェ」
めちゃくちゃ困ってるわけじゃないけど、日頃のちょっとした悩みを話したい。誰かと趣味を共有したい。人としゃべるのは苦手だけど誰かと一緒にいたい。そんな思いを持ちながらも、まちに居場所がない若者はたくさんいます。そんな若者が気軽にこれる場づくりもしています。
編み物をしたり、本を読んだり、PCを触ったり。思い思いに過ごしながらもゆるく会話を楽しむ。時には深い語り合いになることも、「じゃああの人に会ってみたら?」と誰かを紹介することも。いろんな若者、大人の価値観にふれることで自分の生き方の選択肢を増やしていく、そんな場にしていきたいと思っています。

このサポーター活動について
若者を孤立させないために
ここまでご紹介したものは、すべて自主事業が土台となっています。さまざまな機会を通じて、「あなたは一人じゃないよ」という気持ちを届けています。
現在、助成金や補助金が得られているものもありますが、助成金は最大3年間です。補助金も十分ではありません。「一人じゃないよ」を届ける活動をサポーターの皆さまと一緒に続けていきたいと思っています。
やさしさが未来を創り、更に未来にめぐる。今まで私たちが受け取ってきたバトンを、次の世代につないでいきませんか。

