一般社団法人enGrab

みなさんのおかげで、コロナ禍で日常を制限されたこどもたちに 多くの笑顔を届けることができました。

 一般社団法人enGrabは、2022年6月にみなさまからの多くのご支援を受け、 2つ目となる新たな『中高生のための居場所 かくれ家YokA』をオープンしました。  10月末時点で延べ222人のこどもたちが訪れるにぎやかな場所となりました。  また、大学生や社会人ボランティアが延べ177人も力を貸してくださいました。  大人もこどもも自分らしく過ごせる居場所として多くの笑顔が生まれています。つながりを通じて、こどもの家族関係の調整や食事の提供や居住支援など、 こどもたちの生きることを支えるお手伝いもさせていただくことができました。 ”つながる”ことは本当に重要なことだと改めて実感しました。  こうした挑戦ができたのも、みなさんの温かい励ましの言葉があったからこそだと思っています。本当にどうもありがとうございました。

2022年に取り組んだ3つの事業

①ユースクリニック(10代のための相談窓口)

 私たちは活動を通じて、妊娠不安を抱える女子中高生に出会います。ある少女は避妊に失敗して緊急避妊薬を求めましたが、親に相談できず費用負担の高さや産婦人科医に怒られるかもしれないという怖さから、適切な時期に緊急避妊薬を入手することができずにいました。私たちは、一緒に産婦人科へ受診して緊急避妊薬の費用を負担し、次の月経が来きて彼女が安心できるまでサポートします。また、性教育を行い今後の避妊方法などについて一緒に考えます。

 私たちは活動を通じて、児童虐待に耐える中高生に出会います。ある高校生は親を悪者にしないために児童相談所の介入を拒み、また高校に通い続けたいという想いから成人するまで家庭のなかで虐待に耐えることを選びました。私たちは、その子の気持ちを尊重し、本人がくるしさから死を選びそうになったときも支えとなり、数年間寄り添い、本人が親から離れられる日が来るまで伴走しました。

 ユースクリニックは、こども・若者が『当然の権利として』無料で自ら利用することができる相談窓口です。こころやからだ、性の悩みなどあらゆる悩みを専門家に相談できます。

 

②中高生のための居場所づくり

 私たちは、中高生が家庭と学校以外の場所で、信頼できる大人と出会える居場所づくりに取り組んでいます。中高生が抱えるさまざまな悩みは、親や先生に相談しにくい内容もたくさんあります。相談できる大人がいないという理由で孤立し困難が深まっていくことがないように、相談できる大人がひとつでも増えることを目指しています。

 私たちは活動を通じて、不登校の中学生に出会います。ある子はクラスメイトたちとの交流がしんどくて不登校を選びました。しかし、誰とも関わらず社会を拒絶したいわけではありません。私たちは、その子の気持ちを尊重し、個の空間とゆるいつながりを提供し信頼関係を築きました。その子は安心できる環境のなかで、いまでは夏祭りやハロウィンなど季節のイベントを仲間たちと楽しんでいます。

 私たちは活動を通じて、貧困の高校生に出会います。ある子は貧困を理由に友だちと過ごす学校の食堂や売店、登下校時のコンビニで買い食いをすることができません。友だちと過ごすとき、ひとりだけ同じ食べ物飲み物を共有できないことはすごく悲しく虚しくみじめな気持ちになります。私たちは、中高生の居場所で食べ物飲み物を無料で提供しています。誰もが無料で利用できるので、その子は劣等感を感じることなく友だちと流行りの飲み物を一緒に飲み、感想を言い合って楽しんでいます。

 

③居住支援

 私たちは活動を通じて、ヤングケアラーの中高生に出会います。ある子は幼いきょうだいの世話を担っています。時には自分の時間を過ごしたいという想いがありました。私たちは、その子が自分のためだけに時間を使えるように、家庭から離れてこころとからだを休める場所を提供しました。

 私たちは活動を通じて、家庭不和の若者に出会います。その子は両親が離婚して母親と一緒に暮らしていました。母親は新たなパートナーができ、義父との生活が始まりました。しかし、義父との相性が合わず家出をし、ネットカフェで寝泊まりしていました。そんな生活は続かずお金が底をつき、今日泊まる場所を失いました。私たちは、まずはその子に安心して眠れる部屋と食事、衣服を提供しました。詳しい事情を確認し、すぐに働くことは難しかったので市役所に同行して生活保護の手続きを行いました。生活保護の受給が決まり、新しい住居を見つけ生活が安定するまで伴走しました。

 

家庭や学校での大人との関わりのなかで、自分の存在価値への自信をなくし社会への信頼をなくしたこども・若者には、話をきいてくれる相談窓口があるだけではなく、安全・安心を手に入れるまで一緒に動く大人が必要です。

私たちは、こどもの人権を守るために活動しています。

2023年に向けて

さまざまな挑戦を通してつながるこどもたちが増えた一方、いくつかの課題も見えてきています。
それは、こどもたちがさまざまな困難を抱えているということです。
困難には、不登校、貧困、ヤングケアラー、虐待、望まない妊娠、家出、非行、家庭不和などがあります。
つながり、信頼関係ができたこどもたちから、「助けて」と相談を受けます。
保健師や公認心理師、社会福祉士など様々な専門資格をもつスタッフで対応にあたり、行政機関や他団体との連携のもと、サポートをしています。

2023年も、こどもたちへのよりよいサポートを今後も続けられるよう、スタッフ一同、精励してまいります。みなさまとも一緒に歩みを進めていけたらと思っています。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

ご支援の使い道

一般社団法人enGrabは、皆さまからのご支援で成り立っています。今年から挑戦した中高生のための居場所をこれからも継続的に活動を続けていくためにもご支援お願いします。
 

・ユースクリニックにて、こども・若者の緊張したこころをほぐすための食べ物飲み物代(1人あたり500円程度)
・ユースクリニックにて、緊急避妊薬を購入するための費用(1件あたり7000円程度)
中高生のための居場所でこどもに提供する飲み物代(1人あたり100円)
中高生のための居場所を維持運営するための費用(賃料、光熱水費、食料費、ワークショップ材料費など)(1か月あたり50000円程度)
・中高生のための居場所づくりを手伝ってくれる大学生ボランティアへの交通費(1人あたり500円程度)
・居住支援に使用する住居の維持費(賃料、光熱水費、食料費、衣服費など)(1か月あたり50000円程度)

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