財団の事業
財団の事業運営方針・事業概要について
【事業運営方針】
「アイヌ文化振興並びにアイヌ伝統等普及啓発等事業」の事業運営にあたっては、アイヌ文化の発展と国民理解の促進を図り、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現に向け、アイヌ関係者の意向を尊重しつつ、関係団体や行政機関との意思疎通を図り取り進めることとしています。
【事業概要・実績の主なもの】
5つの基本的な柱に基づき、様々な事業に取り組んでいます。
Ⅰ.アイヌに関する総合的かつ実践的な研究の推進
アイヌの社会や文化に関する総合的・実践的研究を行うものの中で、優れた研究成果の期待できる研究計画に対し、経費を助成する研究助成事業、アイヌの社会や文化に関する出版物で、商業ベースに乗らないものや自費出版のため発行部数が少なく、研究者などに行き渡らないものについて助成する出版助成事業に取り組んでいます。
Ⅱ.アイヌ語の振興
アイヌ語の指導者を志す者を対象に、アイヌ語研究者などの協力を得て、アイヌ語の文法や言語学の基礎を踏まえた効果的な指導方法などについての学習機会を提供し、アイヌ語指導者の育成を図っているほか、アイヌ民族の親子を対象としたアイヌ語学習、アイヌ語伝承者のさらなる掘り起こしと裾野の拡大を目的に、アイヌ語を学習、習得及び継承しようとする意欲のある未経験者を対象としたアイヌ語入門講座、アイヌ語を広く一般に普及させるため、初心者向けのアイヌ語講座をラジオ放送やインターネットによる動画配信を行い、多くの人にアイヌ語に触れ、学習する機会を提供し、アイヌ語やアイヌ文化への理解の促進を図るアイヌ語発信講座、アイヌ語を学んでいる人々の学習成果を発表する場としてアイヌ語による弁論大会の開催など取り組んでいます。
Ⅲ.アイヌ文化の振興
アイヌの伝統的な生活文化には、有形・無形を含め様々なものがありますが、その製作技術や儀礼などが失われつつあります。このため、総合的、立体的なアイヌ生活文化の再現が可能となるように映像と活字による「アイヌ生活文化再現マニュアル」及び「アイヌ文化伝承アーカイブス」を作成し、広く人々の利用に供して、製作技術などの保存・伝承を図るマニュアル作成事業、アイヌの人々が多く居住する北海道や関東地区において、アイヌの民族舞踊や刺繍、木彫などの講座を開設し、アイヌ文化を担う指導者の育成を図るなどの実践上級講座、アイヌの伝統的な工芸技術を伝承するため、複製品制作を行う個人や団体に対して経費の一部を助成し、その伝承意欲や知識、技術の向上を図る伝統工芸複製助成事業、アイヌ文化の伝承者などを招へいし、アイヌ語や民族舞踊、木彫などを学習・鑑賞・体験しようとする事業に対して経費の一部を助成し、アイヌ文化の理解と文化伝承活動の促進を図る国内文化交流助成事業、アイヌ文化活動に携わる個人または団体が、海外先住民族などとの交流を通して、その文化の伝承・保存活動などを学ぶとともに、自らの文化を紹介するため、海外への派遣や海外から招へいする国際交流事業に対して経費の一部を助成し、アイヌ文化の振興と普及啓発を図る国際文化交流助成や青少年国際文化交流研修事業などに取り組むとともに、アイヌの伝統や文化についての理解を深め、技術を学ぼうとする文化団体や学校などからの要請に応じて専門的な知識や技術等を有する者を派遣するアドバイザー派遣事業、国内外の博物館などが所蔵する民族衣装、生活用具、儀礼用具などのアイヌの伝統的な工芸品を展示・公開する「アイヌ工芸品展」を開催し、アイヌ文化への国民的な理解とアイヌの人々の伝承意欲の向上を図る工芸品展の開催やアイヌ文化フェスティバルの開催、アイヌの伝統的な技術による工芸作品コンテストの開催、永年にわたってアイヌ文化の向上、発展に努め、特に功績のあった人たちに、アイヌ文化賞、アイヌ文化奨励賞を贈呈して、その功績を顕彰するとともに、アイヌ文化の継承・振興にかかわる諸活動の奨励・促進を図るアイヌ文化賞などに取り組んでいます。
Ⅳ.アイヌの伝統等に関する普及啓発
アイヌの歴史や文化について広く一般の人々への理解の促進を図るため、アイヌの歴史や文化を紹介したパンフレットなどの広報資料の発行、ホームページにより国内外にアイヌ文化などに関する様々な情報の発信並びに普及啓発、アイヌの歴史や文化についての児童・生徒の理解を深めるため、学校教育の場で使用される小中学生向け副読本を作成・配布してアイヌの歴史や文化などについての知識の普及啓発を図るほか、アイヌの伝統などを内容とした幼児向け絵本の原作を募集して、優れた作品を表彰するとともに、その作品を絵本として北海道内の保育園などに配布し、幼児期におけるアイヌの歴史や文化の理解促進を図る親と子のための普及啓発事業、アイヌの伝統などについての基礎的な知識を有する方や学校教育・社会教育関係者などを対象に、アイヌの歴史や文化をテーマとするセミナーや講演会の開催、アイヌ文化等への理解の促進と浸透を図るため、アイヌ語の挨拶の言葉である「イランカラプテ」をキャッチフレーズとして、企業などと連携しながら、継続的・持続的なイランカラプテキャンペーンを展開し、アイヌ文化等への親近感や共感を高める取り組みを進めるほか、首都圏に居住するアイヌの人たちとの交流活動やアイヌ文化の伝承活動などの支援や一般の人々へのアイヌ文化などに関する情報収集・発信の場として、多角的な機能を持つアイヌ文化交流センターの運営を行っています。
Ⅴ.アイヌ文化の伝承者育成
アイヌ文化における様々な技術や言語などを総合的又は分野的に身につけ、それらを伝承する人材の育成を図るため、アイヌ文化の担い手として知識と知見を深める講義、研修を昼間型及び夜間型で実施する伝承者育成事業に取り組んでいます。
年会費
- 個人会員:一口 5,000円
- 法人会員:一口 20,000円 ※1口以上、何口でも結構です。
会員特典
- 財団が発行する刊行物等の無料配布(民族共生象徴空間運営事業の刊行物は含まれません)
- 財団が主催する展示会、講演会等の行事の案内
- アイヌ文化に関する行事、イベント等の情報の提供
- 民族共生象徴空間入場優待券の配布
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会費の使途
アイヌ文化に関する書籍、写真、ビデオ等のライブラリーの整備など自主事業の充実のために充てられます。
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