NPO法人フードバンク仙台とは
フードバンク仙台は、新型コロナウイルスの感染拡大による生活困窮者の急増をうけ、2020年5月に任意団体として結成して以降、経済的に困窮する世帯(ひとり親世帯、非正規労働者、路上生活者、留学生、日本人学生など)を対象に、年齢や国籍を問わず支援を行ってきました。結成から2023年3月末までにのべ約2万1000人に総計約44万1000食の食料を無償で提供したほか、生活保護制度や債務整理に困窮世帯をつなぐなどの生活改善支援や、水道ガス電気等ライフライン停止の危機に対して当事者を支援しながら仙台市に制度改善を求めるなど、食の支援を起点にそれにとどまらない様々な取り組みを展開しています。
食料価格と光熱費の高騰が「3日間何も食べていない」という飢餓状況を引き起こしています
現在、世界的な物価上昇や電気料金の値上げなどで、多くの世帯で生活が苦しくなっています。また、コロナ禍はいまだに根強い影響を与えています。
私たちが日々食料支援を行う現場では、「3日何も食べていない」「フードバンク仙台から食料をもらうまで、1日1食のカップラーメンと卵しか食べられない生活を1か月続けていた」「2週間何も食べておらず、水も数日飲めていない」など深刻な相談が多く寄せられます。
食料支援依頼者のうち貯蓄が「0円」の世帯は半数を超えています。貯蓄が「10万円未満」と合わせると79%にも達します。
貯蓄がある場合でも、わずかな貯金を切り崩して生活していたり、食費を極限まで切り詰めていたりと、余裕のない状況にある人が多くいます。食費を捻出するために病院代や薬代、お風呂などを我慢する世帯、子どもの学用品を揃えるために保護者が食事を我慢するというお話も食料支援の現場ではよく耳にします。
物価高で苦しむ人々を「食」を通じて支えたい!
こうした状況を改善するために、私たちは、まずは無償で食料支援を行うことで生きるために必要な食事を提供し、必要に応じて債務整理や生活保護制度等社会保障制度の利用、保証人なしでも住居を契約できる地域の不動産会社との連携など、様々な取り組みを通じて人々の生存権を確保することに力を入れています。
食料をお渡しする中で、「生きる気持ちが湧いてきました」「生活が楽になったら、自分も食料を寄付したり、ボランティアとして社会に恩返ししたい」などのメッセージをいただくことが良くあります。食料を通じて地域に助け合いのネットワークを作り出し、生活に困窮する人々自身が社会を作る主役として力を発揮する社会づくりをサポートできていることが何よりの喜びです。
こうした支援をこれからも継続していくためには、多くの皆さまからの温かいご支援が必要です。
ご支援の使い道
私たちの活動は、食品を無償で困窮者に提供するため、1円も収益を生み出すことがありません。しかし、活動をおこなう為の電話やインターネットや、食料配達にかかる駐車料金やガソリン代、宅急便代、文房具代、事務所家賃代など様々な費用がかかります。
私たちは、発足時から基本的に支援依頼があった対象者へは全ての方へ食糧支援を行なっているため、活動費が増加してきています。また食品の寄付が足りない時は自前で食品を購入して届けることがあります。2020年~2021年の支援において、食料品代に約400万円、配達代に約150万円かかっています。食料の寄付の量以上に相談依頼が相次いでいるからです。
今年(2022年)も予想される出費は、人件費を除いても約700万円となっています。ゆえに、専従スタッフを少数しか用意できず、活動は10代~80代の80名程の市民ボランティアが中心となっています。生活相談に対応できる専従スタッフがより多くいれば、より多くの生活改善のサポートができます。