アジア協会アジア友の会(JAFS)は、大阪を拠点にアジア18ヵ国にネットワークを持ち、現地NGOと協働している国際NGO団体です。
1979年に設立され、今年で42年目を迎えます。私たちは、水・教育・環境・自立の4つを軸に活動を行なっています。
コロナ禍で仕事を失った女性たちに新たなスキルを身につける機会を提供し、雇用を確保する
マハラシュトラ州は、西インドに位置し、州都はムンバイです。ムンバイは、インドの経済と芸能の中心都市として栄えている都という印象があるのではないでしょうか。
マハラシュトラ州の中でも、アムラワティ県は、州の北部に位置しています。
アムラワティ県は、人口2,888,445人(男性1,480,768人、女性1,407,677人)で、半数以上が農村部で暮らし、多くの人々が農業に従事しています。また、同県では、指定カーストが506,374人(17.53%)、指定部族が404,128人(13.99%)暮らしています。
対象活動地域であるダリヤバード村は、人口1,500人(内男性950人、女性550人)が暮らす小さなスラム街です。また、人口のうち、指定カーストが5.27%、指定部族は23.90%です。
指定カーストとは、カースト制度に属さない最下位の階級の人々のことです。不可触民(ダリット)、アウトカーストとも言われています。また、指定部族とは少数民族のことを表し、文化的独自性,社会経済的後進性,隔絶度の高い居住が基準とされています。
人口の半数以上が農業で生計を立てていますが、農閑期には日雇い労働者として働き、収入を確保しています。
また、スラムで暮らす人々の多くも日雇いでも生計を立てており、不安定な生活を送っています。このような状況の中を、新型コロナウイルスが襲い、彼らの生活はさらに先行きが見えないものとなっています。
また、地域には教育を受けていない女性が多くいます。女性の識字率は33%と低い水準です。教育を受けていても、他の職に就くには、スキルが不足しており、正規雇用や代替え雇用先の確保ができません。また、インドにおける女性の社会進出も遅れており、女性が社会に出て働くことがより一層難しい現状があります。
私たちは、対象活動地域であるアムラワティ県ダリヤバード村と、周辺5村の女性たちの雇用を守るため、縫製の職業訓練を実施します。
私たちが本事業を行う理由は2つあります。
1つ目は、女性達に新たなスキルを身に付けてもらうためです。現在、本事業の対象者は、何もスキルを身に付けておらず、代替え雇用にありつくことができません。
そこで、私たちはコロナ禍でも仕事に就けるよう、職業訓練を実施します。
そして2つ目は、女性がより社会参画できる機会を提供するためです。現地では、村の女性が社会で活躍できる機会は限られています。長年、現地で女性の自助グループや小規模ビジネスをサポートしてきた経験があるからこそ、社会的に弱い立場に置かれている人々に手を差し伸べることができます。
活動内容
本プロジェクトでは、参加者が衣服製造に関して知識及び技術が身につくよう、1年間の職業訓練を行います。
職業訓練は、講義及び実践から成り立っています。
まず、講義は3段階に分かれ、裁縫の基礎(計18回の講義)、ファッションデザイン(計11回の講義)、ファッションの歴史(計3回の講義)が行われます。
実習は、基礎実習(計14回)と子ども服の製作実習(計7回)の2段階に分かれています。
講義と実践は同時に行われ、基礎理論を学びつつ、基礎実習を行い、最終的には、必要な知識全てが身に付き、単独で衣服が作製できるよう目指します。また、講義及び実践がすべて終了したのち、受講者は試験を受けます。
ご支援の使い道
頂いた資金は50人の女性が縫製の職業訓練を受けられるための環境整備に充てられます。
ミシン…27,000円×15台=405,000円
刺繍機…39,600円×6台=237,600円
工具…108,000円
トレーニング用の布及びトレーニングに必要な材料…90,000円
講師費…120,000円
現地管理費…227,000円
日本事務局管理費…356,000円
女性が活躍できる地域社会を目指して
本事業を通じて、3つのことを目指します。
- 副収入源として、雇用機会が創出される
- 生活レベルが向上し、安定した収入が確保される
- 自助グループが強化される
これらを通して、女性が活躍できる地域社会を目指します。
ぜひご支援お願い致します!