はじめまして。アジア協会アジア友の会(JAFS)と申します。
アジア協会アジア友の会(JAFS)は、大阪を拠点にアジア18ヵ国にネットワークを持ち、現地NGOと協働している国際NGO団体です。
1979年に設立され、今年で42年目を迎えます。私たちは、水・教育・環境・自立の4つを軸に活動を行なっています。
なぜフィリピンストリートチルドレンに教育支援が必要なのか
フィリピンでは今、経済発展の裏側で厳しい貧困状況から脱却できず生きている人々が数多くいます。線路沿いのわずかな隙間にあるどぶ川の上に廃材で小屋を建て1日1.25ドル以下での生活を余儀なくされている家族がいます。マニラでは最新の高層ビルが立ち並ぶ裏通りで、路上での販売や物乞い、ごみを拾い集めて家計を助けている子ども達がいます。
家がなく両親がいない子ども、家庭内でDVやネグレクトを受けて逃げ出した子ども、家族や家があっても生活費を稼がなければならない子ども、理由は様々ですが、学校に行きたくても毎日通うことができません。
特に困難な状況にある100人の子ども達が貧困から抜け出せるよう、継続した教育支援をおこないます。
学校に行きたい・・・
フィリピンでは2016年から幼稚園1年、小学校が6年、高校が6年の13年が義務教育となり、授業料は無料です。しかし、制服や靴、学用品やプログラム費用等は各家庭で準備しなければなりません。収入が少ない家庭では、どうしても生きていくための食費が優先され、経済的理由から学校に通えない子どもがたくさんいるのが実情です。
また、ストリートやスラム街で暮らす家族は何世代にわたって学校に通うことができていない場合が多く、教育の大切さより、目の前の収入を増やすためや家事の貴重な労働力として働かざる負えない状況もあります。小さくてもごみを集めて換金し、家計を助ける子どももいます。
さらに、空腹を紛らわすためにシンナーや薬物に手を出して、犯罪組織に組み込まれてしまうと抜け出すことはできません。密売人になることや売春を強制され、HIV等の感染症にかかる危険にさらされています。
ご支援の使い道
*必要資金 30万円
*使途 100名の子ども達の1年間の教育支援
学用品の支援、補習授業、衛生教育やトレーニング、給食・健康相談等
*期待される効果
・子どもが継続して学べる環境を応援することで、将来の選択肢を増やすことができます。
・補習をおこなうことで、しっかり理解して勉強することができ、ドロップアウトする子どもが減ります。
・リーダーシップトレーニングやプログラム企画に参加することを通して、自信を持ち、積極的に物事に取り組めるようになります。
・保護者に対する衛生教育や栄養改善の講習等により、子どもの健康状態が改善されます。
・支援を受けた子ども達は、教育を受けて卒業後は就職し、地域の成長や発展、新たな子ども達の支援に協力します。
15年前に訪れたサンアンドレスは、線路上だというのにたくさんの人で賑わっていました。まるで町の中のメインストリートのように色々な商品が売られ、子ども達が遊び、鶏や犬が走り、洗濯や料理を作っている人もいました。そんな風景は電車が通る時間になると一変します。壁際ギリギリのところまですべてが移動され、轟音と震動に耐えながら電車が通り過ぎるのを待ちます。集めた廃材でできた家は揺れに揺れて、いつ倒れてくるかわからないぐらいでした。子ども達は家計を支えるために町に働きにでかけるか家の手伝いに時間を取られ、一日一日を生き抜くことに精いっぱいでした。学校に通うことを勧められてもすぐにドロップアウトしてしまい、空腹をまぎらわせるために袋に入ったシンナーを吸いながら路上で寝ている子もたくさんいました。
そんな子ども達が週末、JAFS提携団体であるASIがおこなうプログラムに恥ずかしそうに嬉しそうに参加して、ほんの短い時間だけですが、その間だけは年相応の子どもに戻って、生き生きとしていた事が思い出されます。
フィリピンを取り巻く状況は大きく変わりましたが、生計がたてられず、貧困ゆえに教育を受けることができずに将来の可能性や選択肢を制限されてしまう子ども達がいまだ数多くいます。
2015年に7月に人口1億人を突破したフィリピン。その約4割が18歳以下でその中の約1300万人を超す子ども達が貧困に苦しんでいます。15年前に支援を受けていた子ども達は、支援によって学校を卒業することができ、今は仕事をついて結婚し、地域の新たなリーダーとして子ども達を支えています。教育支援は継続することが大切です。
支援者の熱意が子ども達の未来を変えていきます。