昨年から、東京の歌舞伎町を中心に、ホストのために風俗などで働きはじめる女性たちがいる問題がクローズアップされています。
彼女たちの中には上京したものの友達ができなかったり、人生経験や恋愛経験が乏しかったりして、孤独を感じている人もいます。徳田さんは、このような「人間関係の希薄さ」という問題がホストとのトラブルの背景にあるとも指摘しました。
日本国内では、資力を上回る売掛(借金)をしてでもホストクラブに通う女性がいる実態を紹介した海外向けのラジオニュースに対して、Facebookなど海外の人からは、「独特な男女関係だ」とショックを受けるコメントもありました。
風テラスでも、昨年度は約200件(前年度の3倍)のホストクラブに関する相談を受けました。彼女たちの孤独な思いを受け止めながら、一緒に”ホスト”との金銭を介した人間関係から、目の前の「生活」を取り戻すことができるように支援してきました。これからも、社会で孤立し、孤独を感じている相談者の思いに寄り添い、耳を傾けて参ります。
⇒音声はこちら(9月中旬頃まで配信)
■8月の相談者数
8月は累計428名のご相談に対応しました。
〈8月の通常相談内訳より〉
・メンタル 131件
・店舗トラブル 101件(今年最多)
・生活困窮・家賃滞納 56件(先月より27%減少)
・税金・確定申告 28件(先月より47%増加)
・ホスト・スカウト 13件(先月より33%増加)
8月は、店舗トラブルがメンタルに次いで3桁に及びました。店舗からの不当な違約金請求などの相談が相次ぎました。確定申告の相談では、「どのように書けば良いのか」といった悩みを相談員も一緒に考えました。また、先月より精神科領域に詳しいソーシャルワーカーが相談事業チームに加わったことで、今まで以上に幅広く対応することが可能になりました。「風テラスに相談して良かった」と思ってもらえるよう励んでいきたいと思います。
■月刊ガバナンスに寄稿しました。
行政向け実務情報誌『月刊ガバナンス』にて、風テラスが実施した休眠預金活用事業「風俗で働く若年女性へのデジタルアウトリーチ事業」( 2023年8月~2024年2月)の成果を理事長・坂爪真吾が執筆・寄稿しました。
『月刊ガバナンス』(2024年8月号)の詳細はこちら
■さいたま市で研修を行いました。
8月8日(木)、さいたま市で男女共同参画室職員及び女性相談支援員を対象に行われた『若年女性支援について』の研修で、副理事長の徳田玲亜が講師を務めました。風テラスの現場から見えてくることを交えながら、若年女性の支援について話しました。
■女の子たちの60分フリー
風テラスでは、月に1回「女の子たちの60分フリー」を開催しています。
「女の子たちの60分フリー」は、風俗で働く女性たちが風テラスのスタッフと一緒にこれまでの体験や今の気持ちを自由に分かち合う場です。全国どこからでも匿名で気軽にLINE通話で参加することができます。
8月17(土)20:00〜21:00に行われた60分フリーには、2人が参加してくれました。近況報告を交えながら過去の悔しかった出来事や、周りには聞けないことを分かち合い、LINE通話だからこそ言葉にできることもあったようです。
次回は9月29日(日)20:00〜21:00です!
■ふ〜サポカフェを開催しました。
8月31日(土)東京・鶯谷にて、寄付者の方々との交流会「ふ〜サポカフェ」を開催しました。
理事長の坂爪さんが、3名の寄付者の方に日頃のご支援の感謝を伝え、風テラスの近況報告を行いました。現代の日本における風俗業界の課題やこれからの風テラスの展望などについて、忌憚なく意見交換をすることができました。
■10月に年次活動報告会をします!
10月末には、昨年度から今年にかけての活動を報告するオンラインの場を計画しています。開催日程が決まり次第、公式サイト等で告知いたしますので、「寄付がどのように活用されているか知りたい」という方は、ぜひお申し込み頂けるとありがたいです。
***************
今年の8月は、今まで以上の猛暑日が続き、後半は長引く台風の被害が各地で出ました。その中でも風テラスは、多くの方に支えられて相談事業をはじめとする活動を行うとともに、寄付者やメディアなど様々な所で、困窮している夜職女性の課題を伝えることができました。
厳しい残暑が続き、秋の初風が待ち遠しいこの頃です。皆さまもお体に気を付けてお過ごしください。
(プロボノスタッフ・八木原知宏)