子どもを取り巻く問題「不登校」「ゲーム依存」
制度の狭間の問題
不登校児童生徒数は増加し続けており、問題解決のための支援体制の整備が必要です。令和5年に文部科学省が取りまとめた「誰一人取り残されない学びの保証に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」では充実した社会資源を利用した支援が想定されていますが、地方の市町でもその体制が整備されるにはまだまだ時間がかかることが予想されています。また、近年ネットやゲームにのめり込み学校生活に支障が起こるネット・ゲーム依存の問題も顕在化しています。こうした制度の狭間の問題に対する子どもや家庭に対するケアや孤立の予防が急務となっています。
事業実施場所(愛媛県伊予郡砥部町)の特徴と抱えている課題
人口2万人のベッドタウン
愛媛県伊予郡砥部町は愛媛県の中予地域に位置し、山や川などの豊かな自然に恵まれ、伝統文化も残る人口約2万人の町となります。中学校1校、小学校4校、高校1校(分校)が存在します。
商業施設や娯楽施設、教育関係施設が乏しく、隣接している松山市(人口約50万人)の資源に大きく依存している側面があります。しかし、居住地域や世帯構成、収入等によりこれらの社会資源にアクセスできる家庭とできない家庭があり、教育をはじめとする様々な格差が生まれている現状があります。
ユースセンターとべ「miraiz(ミライズ)」
子どもが主体の居場所づくり
これらの課題に対応するため、地域の子どもが安心して思いのままに、主体的に過ごせる第三の居場所「ユースセンターとべmiraiz(以後、ミライズ)」を創りました。町内唯一のフリースクールやゲーム依存相談を行うことで、子ども・若者自身の興味や関心から少しづつ活動の幅を広げ、多世代交流や体験活動を通じ、自尊感情の獲得、価値観の形成等を育み、将来に向かってたくましく生きる力を養えるよう支援しています。
ミライズ内で実施している事業
主に以下の事業を実施しています。(同一敷地内)
○9時30分〜15時 フリースクールcolors・・・不登校の小中高校生の居場所
○15時30分〜20時 ユースセンターmiraiz・・・中高生やゲーム依存に悩む若者の居場所
不定期イベントとして、子ども食堂やフードパントリーを開催しています。
今後の課題と展望
あらゆる格差を解消するために
水の濁った池では魚が元気でいられないように、人間も生活環境によるストレスが心身の健康に悪影響を与えます。大人であれば自分で環境を変えることもできるかもしれませんが、子どもにとって、それはとても難しいことです。
不登校やゲーム依存等の「制度の狭間の問題」は、そのような環境を生み出す要因になります。生活困窮や社会的孤立をいかに早期的に予防、対応していくかが重要で、第三の居場所の質の向上や理解促進、制度へのアプローチ等が必要だと考えています。
地方の小さな町での取り組みではありますが、だからこそ「田舎だから仕方がない」で済ましてはいけないと考えています。あらゆる格差解消による主体性の獲得に向けた取り組みを継続して参りますので、皆様のあたたかいご支援をよろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人Gumi
代表理事 古谷 大志(社会福祉士)
ご支援の使い道
ミライズは皆さまからのご支援で成り立っています。継続的な活動を続けていくためにご支援をお願いいたします。
皆さまからのご寄付は以下の使い道を予定しております。
・フリースクールの学習教材の購入費、備品購入費
・フリースクールボランティアスタッフ(体験活動)の人件費、謝礼金
・ゲーム依存相談に係る人件費