芸術準備室ハイセンとは?
滋賀県大津市にある元・保養所を再活用したレンタルスタジオ・アトリエ、アーティストインレジデンス、相談所などを内包したアーティスト・プラットフォーム施設です。
誰でも気軽に使える本格的な稽古場・作業場を目指し、美術・音楽・舞台芸術・文芸・調査研究などジャンルフリーに様々な創作活動を応援します。
都市部から離れ琵琶湖や山々など自然に囲まれた静かな環境なので、情報を遮断し集中しやすいのも特長です。さらに、定期利用する組合員やサポーターによる月々の固定費負担と、期間利用者による任意料金制(利用者が値段を決める制度)の組み合わせにより、従来では負担の大きかった施設使用料を抑えて、作品への資金繰りを助長します。
予約先着順とするため、審査制では受かりづらかった経歴の浅いビギナー・アマチュアでも空き日程ならいつでも気軽に使えます。 1時間から3ヵ月までの連続使用、24時間の滞在可能(原則大きい音出しは9時から18時まで)。各部屋はそれぞれの用途に対応しつつも自由度があり、使い方はあなた次第。目的や計画は後から考えても大丈夫です。
「表現の自由と基本的人権を尊重し、不公平のない創作環境の維持」のために活動します!
発表する場所と同じくらい、準備する場所が重要です
食材と料理人と調理場(道具)があるからこそ料理が食べられるように、準備する環境は芸術でも必須です。でも実際、発表する場所は国や企業が用意し数あれど創作できる場所は限られ、特に作家個人任せになっているのが現状です(お皿だけあってもお腹は膨れません)。学校や企業など大きい組織に属さない人は製作場所を用意するのも維持するのも大変だし、道具をイチから揃えるのも一苦労。住居の机上でできる範囲で我慢するべき? 利益にならなかったり社会還元にならないものには意味がない? 否、創作意欲は止められませんし、経験の積み重ねが大事。なんとか行政の援助や商業的な儲けを気にせず上の方針に左右されず、作家同士が相互補助しあえる環境が作れないかなーとモヤモヤしてました。税金、社会保障、保険、NHK、サブスクリプション 、こども食堂、の創作環境みたいな……。と、考えている時期に元・保養所という謎の物件「サニーコテージみゆき」を発見。ええい、やってみよう! ということで芸術準備室ハイセンがスタートしました。成功するかどうかはまだまだ先の話になりそうです。
使用者の感想
2020年の夏と秋に、それぞれ一カ月ほど、ハイセンを使用した。ハイセンは、長時間にわたり稽古ができるスタジオ・舞台美術等の製作ができるアトリエ、そして長期の宿泊も可能な、創作に専念できる施設である。稽古中に出る音や声への配慮・施設の利用時間の厳守など、施設の様々な制約の中で創作を行わなければならない日本の舞台芸術状況において、それらの問題を気にせずに、創作に没頭できるハイセンは稀有な施設である。加えて、琵琶湖畔の豊かな自然に囲まれた立地も良い。散歩をし、琵琶湖を眺め、創作で煮詰まった頭をリフレッシュすることができる。創作に特化した施設に加え、この自然と共にある環境が、作家の感性や創造性を大いに刺激することと思う。今後、多くの作家がハイセンを使用し、豊かな環境の中で、素晴らしい作品を世に出してくれることを願う。
舞踏家 目黑大路
ご支援の使い道
芸術準備室ハイセンは非営利の活動を続けています。もちろん建物や活動の維持費を捻出できるような利用料金にすればいいのですが、多くのアーティストがその金額を払えないがために作家活動を辞めていったケースも数多くあります。公的な助成金も毎年必ず採択されるという確実性はなく、審査においても社会的な成果があるかどうかを重視されがちです。
ハイセンは経済面や実績に左右されず様々な立場の人に使ってもらいたいところからスタートしました。今も定期利用する組合員からの会費と、一時期間利用する方からの任意料金というそれぞれに負担のかからない金策をしています。しかしそれだけでは全ての出費をまかないきれない現状です。代表者が収入の半分ほどをハイセンの維持に使用していきます。なんとかなってはいますが、もしも何かあったときはハイセンは活動を停止せざるを得ません。
ハイセンを直接利用することはないけど、遠方からでも活動を応援したい。そう思ってくれる人がいたら大変うれしいです。月額500円から1000円、5000円のマンスリーサポーターに登録していただくと、毎月自動的に寄付ができます。また単発での寄付も受け付けております。
ご支援は家賃や水道光熱費などの固定費に使わせていただきます。
※月額1万円からは組合員となりますので、別途ご相談ください
発起人からのメッセージ
「発表する場所と同じくらい、準備する場所が重要です」
それを胸に志し、2019年より試運営を始めた芸術準備室ハイセン。多くの利用者や理解者の応援、クラウドファンディングやセゾン文化財団さんからの助成などがあり、激しく揺れ動き続ける情勢の中でも活動を続けることができました。
この3年間で辿り着いた考えは『アーティスト・プラットフォームを創る』ということ。プラットフォームは基礎や土台、足場などの意味を含みます。文化芸術を保護・支援すると言いながら、多くの作家たちが搾取される現状を見てきました。作家になるための条件はたった一つ、創り続けること。創り続けた人だけが作家になれます。それを守りたいです。自分一人では無理なことも、協働すればなんとかなったりします。アーティストたちにとって心安らげる実家のような場所になるといいですね。
多種多様な創作者がいて、豊かな数の作品が存在する。それは心の栄養になり、精神の貧困から救ってくれます。目的や理由、結果や効率は後から一緒に考えましょう。初期衝動や創作意欲が消えない内に、ハイセンに来てみませんか? 疲れてる人、悩んでいる人も大歓迎です。
困ったときは、ハイセンを使ってみてください。社会やみんなのためというより、「あなた」のためにやっていくつもりです。応援していますので、応援してください。
僕と仲間たちの小さな個人事業ですが、いつかどこかの誰かのためになってくれるのなら幸いです。
芸術準備室ハイセンのご支援ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします!