一般社団法人 はこぶね

はこぶねは、孤独な若者の安全地帯であり続けます。ぜひ皆さまのサポートをお願いします。

大人に虐待され、住んでいた地域を追われ「施設」という社会で生きてきた子どもがいます。十分な愛情を注がれず、短絡的で近視眼的な価値観を植えられ育った子どもがいます。そんな彼らに寄り添い、頼れる大人として支え続けて11年。一人でも多くの若者を孤独から救うためのこの活動を、ぜひサポートしてください。サポート方法は、単発でも、指定金額を継続寄付することも可能です。皆さんの関心が彼らの心の支えになります。

頼れる親がいない「社会的養護を経験した若者の」の自立を応援したい

私たち「一般社団法人 はこぶね」は、児童養護施設から退所した若者が、自立できるまでつながり続ける活動をしています。

様々な事情により児童養護施設で暮らしてきた子ども達は、そのほとんどが、頼れる親や後ろ盾がない状態で施設を巣立ちます。施設の中では、職員が親代わりを担っていました。しかし、施設を出た後は誰も頼れる人がいなくなります。社会の中で彼らが自力で生きていけるように、私たちは、ある時は親代わりとなり、ある時は友達のように寄り添いながら応援し続けます。

社会的養護とは

「社会的養護」とは、保護者のいない児童や、保護者に養育させることが適当でない児童を、公的責任で保護するとともにその家庭への支援を行うこと、と定義されています。社会的養護が必要な(18歳未満の)子どもは、主に児童養護施設や里親の元で生活し、一定の年齢に達すると施設を巣立ちます。現在、社会的養護下にいる子どもの数は、日本全国に約42,000人(令和4年3月末現在/厚生労働省)いると言われています。

児童養護施設とは

児童養護施設は、全国に612か所(令和2年度末現在)、千葉県には20か所(令和4年度末現在)あります。

児童養護施設に入所する理由は多岐に渡りますが、経済的理由や保護者の疾患、虐待などが半数以上を占めています。知らない場所で、知らない人達と暮らし、施設を出た後は、自力で生計を立てていかなければなりません。

社会的養護を経験した若者の現状

施設入所中は、施設の職員が子ども達の養育を担います。これまで職員に任せていたいろいろな手続きは、退所後はすべて自分でやらなければなりません。契約や支払いなど、生活に必要な手続きは多岐に渡ります。これらは施設を巣立ってから初めて経験することばかりです。やり方が分からない、生活上のトラブルが発生しても聞く人がいないなど、些細なことでつまずいてしまいます。時には、解決策が見いだせず一人で抱え込み、問題が大きくなってしまうこともあります。

社会的養護を経験した若者がかかえる課題

施設にいる間、誰かに相談して物事を解決した経験を持つ子どもは、施設を巣立ってからも誰かに相談することができます。しかし、そのような経験がない子どもは「相談して解決する」ことが難しく、問題を一人で抱え込んでしまいます。人の愛情や関心を受けてこなかった子どもは、心理的な不安に加えて、他人への信頼を築くのが難しいからです。これは入所前からの環境も影響している側面です。すると、社会にある様々な情報、資源を有効に使っていくこともできません。彼らには、経済的な支援も必要ですが、人間関係における基本的な信頼を回復することが最も重要な課題であると言えます。

ある若者との再会

児童養護施設を16歳で退所し、小規模施設である自立援助ホームに入所した若者がいました。ホーム入所後、慣れない場所と慣れない人との生活で、食生活も不規則になり、体重が2か月で5キロも落ちたといいます。その若者は、ホームの職員にも相談できず、一人で悩んでいました。

はこぶねとは、小学生の時から付き合いがあったのですが、コロナ禍で連絡が途絶えていました。はこぶねのイベントがあることを他の若者が聞きつけ、ちょうどその若者に声をかけたので、再会することになります。若者は、私たちを覚えていました。色々話しているうち、若者は悩みを打ち明けました。その後も、事あるごとに相談に乗り、励まし、見守り続けています。若者は、中退した高校へ再チャレンジし、見事合格をつかみ取りました。相談できる人がいるので、心強いと話しています。

出逢い、そして繋がり続ける

2012年、施設の中に当時小学5年生の子どもがいました。いつも顔は出すのですが、大人に対して反抗的な態度を取っていました。話しかけても無視し、遠くから交流会を見学するだけです。何度も顔を合わすようになり、徐々に会話が生まれてきました。6年経過した頃には、悩みを打ち明けてくれる関係になります。

その若者は成人し、2023年、今度は社会的養護を経験した若者を支援する側になっています。その若者は、当時を振り返り、「施設では話を聴いてくれたり、心を許せる職員もいた。でも退職してしまうとそれで終わり。ずっとつながる人がいなかった。人は途中で関係が途切れるものだと思っていた。でも、はこぶねは違った。ずっとつながっていてくれると思えた」と話しています。

社会的養護を経験した若者ひとりひとりに頼れるオトモダチを作る

頼れるはずの保護者も後ろ盾もない若者が、社会で自立した生活を送るためには、困った時に相談できる大人が必要です。誰にも相談できない状況が続くと、問題が大きくなってしまいます。一人で抱え込むことで心も体も蝕まれてしまうことにもなりかねません。

困った時に頼れる人がいない若者に「頼れる大人(オトナ)のトモダチ」を作ろうと、私たち「はこぶね」は、「オトモダチ作戦」という支援を始めました。

オトモダチ作戦とは

「オトモダチ作戦」とは、まず、大人(オトナ)が児童養護施設にボランティアに行きます。(この大人のボランティアを「フレンズ」と呼びます。)児童養護施設に入所中の子どもとフレンズが、訪問交流を通して、まず顔見知りになります。定期的に施設を訪問することで、顔見知りから知り合いになります。この交流を何年も継続することで、いつの間にか子どもの心が開かれ、自分のことを打ち明ける瞬間が訪れます。これが信頼関係構築の証であり、子どもにとってオトナのトモダチ(オトモダチ)になったことを意味します。このオトモダチが施設の外、つまりこれから生活する社会の中にいるという安心感が、子どもが施設を巣立つ時に大きな力となります。

なぜ「オトナのトモダチ」か

ここでいう「オトナ」は、人格的に優れた大人のことではありません。一歩先を行く人生の先輩という意味を持ちます。オトナには話を聴く気持ちの余裕があります。親を頼れない子どもの近くにオトナがいれば、愚痴をこぼしたり、もやもやした気持ちを聞いてもらうことで気持ちが晴れることもあります。お互いの人生を負うことも負わせることもなく、何でも話し合える「トモダチ」のように細く長く付きあう関係、これが「オトナのトモダチ」です。

トモカフェという居場所

この若者が施設の外でくつろげる場所があります。トモカフェと呼んでいますが、カフェのような営業活動はしていません。トモカフェは、施設でも学校でもない、第三の居場所です。施設の外で会うことが許された高校生以上の子ども達、及び退所した若者が集います。そしてオトナとの出会い、交流ができる場所です。

ここは、若者が利用したい時に利用できます。何の縛りも条件もなく、ただ居るだけでよい場所、実家に帰ってきたと思ってもらえるような空間づくりをしています。そして、そこには、いつも変わらない親代わりのようなオトナ(フレンズ)、施設で会っていたフレンズがいます。様々な背景を持つフレンズとの出逢いを通して少しずつ社会を知り、社会に触れていくことになります。

児童養護施設にボランティアに行くことと、「トモカフェ」という居場所で交流することを繰り返すことで、子ども達とフレンズとの関係が構築されていきます。そうすることで、従来から存在する彼らのための社会資源を有効に利用していくことができます。そのつなぎ役としてオトモダチが必要であり、このトモカフェは「オトモダチ作戦」になくてはならない場所となります。

トモカフェの写真

交流の様子

はこぶねの「オトモダチ作戦」を一緒に支えてください

児童養護施設を退所した若者が、社会で安心して暮らしていけるよう、オトナのトモダチとして励まし、見守り、力になる、この「オトモダチ作戦」。その運営は全てボランティアで行われています。

・トモカフェの維持管理費(家賃・管理費・水道光熱費など)

・若者の飲食費

 <食べることはコミュニケーションの有効なツールになります。食べながら心が開かれ、何気ない会話の中で困っていること、悩んでいることを話してくれます。>

・若者がトモカフェに来る移動費(施設最寄り駅からトモカフェまでの交通費)

 <施設入所児童にとって移動費の捻出は難しいため、ここをサポートすることで、トモカフェ利用を継続することができます。トモカフェを頻繁に利用することで、施設退所後の継続利用につながっていきます>

これらは、企業からの助成でつないできています。この先も、安定した支援活動を継続していくためには、より多くの方々のご理解とご支援が必要です。

私たち「はこぶね」は、

社会的養護を経験した若者が、頼れる親や後ろ盾がなくても、社会で安心して暮らしていけるシステムを作り広げていきたいと考えています。これは他にはない取り組みです。

ご寄付は、すべて若者を支える活動のために活用させていただきます。

皆様からのあたたかいご支援、ご協力を心よりお待ち申し上げております。

大藪真樹(代表理事)から

2012年、当時、私は小学校のPTA役員をしていました。PTA役員会議には、近隣にある児童養護施設の施設長も出席されていました。その施設長から「授業参観の日は子ども達が荒れる」というお話を聞きました。その話を聞いた時に、児童養護施設の職員を目指していた頃の自分が蘇ってきました。私は、何かできることはないだろうかと思い、「何でもいいので、何かできるボランティアをさせてください」と施設の門を叩きました。あれから11年、ただ、施設の子ども達と一緒に遊んだり、おやつを作って食べたりと、できることだけをやり続け今に至ります。

この施設を通して、これまで50数名の子ども達との出逢いがありました。今でもほとんどの若者達とつながっています。仕事探しや家探し、引越し手伝い、学校説明会参加などいろいろお手伝いしました。一年に一回誕生日にメッセージを送ると「元気でやっています」と返信が来ます。結婚して親になり、旦那と喧嘩したという愚痴も聞きます。「便りの無いのは良い便り」という若者もいます。

はこぶねでなくてもよいので、困った時には誰かに相談することさえできれば、立派に自立したと言えると思います。ぜひ、みんながそのようになってほしいと願っています。

はこぶねの沿革(活動実績)

・2012年  <任意団体設立>

・2013年

 施設訪問 12回

 あそび体験イベント 1回      のべ13回

・2014年

 施設訪問 12回

 あそび体験イベント 2回      のべ14回

・2015年

 施設訪問 12回

 あそび体験イベント 4回      のべ16回

・2016年

 施設訪問 12回

 中高生会 6回

 あそび体験イベント 2回      のべ20回

・2017年     <法人設立>

 施設訪問 24回

 施設外居場所 30回

 あそび体験イベント 6回      のべ60回 のべ342名参加

・2018年     

 施設訪問 24回

 施設外居場所 55回

 あそび体験イベント 6回      のべ85回 のべ279名参加

・2019年     

 施設訪問 24回

 施設外居場所 89回

 あそび体験イベント 6回      のべ119回 のべ408名参加

・2020年  コロナにより施設訪問中断 

 施設外居場所 のべ107回 のべ237名参加

・2021年    

 施設外居場所 51回  のべ142名参加

 個別面談   29回     33名

 コロナ緊急支援物資     8名

・2022年  居場所を「トモカフェ」とし開所

 トモカフェ のべ120回 のべ262名利用

助成実績

・助成金

キリン福祉財団

 2018年度 2019年度 2021年度 2022年度 

千葉日報子どもの育ち応援基金

2019年度 2020年度

こどもの未来応援基金

 2020年度

ちばのWA地域づくり基金より休眠預金

 2021年度 2022年度 2023年度

赤い羽根共同募金

 2022年度

・物品提供(五十音順)

アマゾン欲しい者リストから匿名様

原田様

八千代市社会福祉協議会

八千代市農協協働組合青年部

団体情報
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