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動物を飼育する上で必ず遵守しなければならない「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」というものがあります。
動物取扱業者が適切な飼養管理を行うために、守るべき基準を記した指針です。
これを基にどれだけの広さが必要なのか考えていきます。
指針では、運動スペース一体型(平飼い等)では「複数飼養する場合:床面積(分離型ケージサイズの面積以上×頭数分)と最も体高が高い猫の体高の4倍以上を確保。
※床面積は、同時に飼養する猫のうち最も体長が長い猫の床面積の2倍以上が確保されていること。
「複数飼養する場合は、運動スペースを共有できることから、1頭当たりはこの2分の1の床面積(犬は分離型の3倍、 猫は分離型相当分の床面積)と、最も体高が高い個体に対する高さ(犬は体高の2倍、猫は体高の4倍以上)が基準となる。 なお、1頭当たりは2分の1の床面積となるが、最も体長が長い個体に対して運動スペース床面積の基準(犬は分離型 の6倍、猫は分離型の2倍以上)を満たしていることが必要である。」
また、ゲージについては「分離型ゲージ 猫:タテ(体長の2倍以上)×ヨコ(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の3倍以上)、1つ以上の棚を設け2段以上の構造とする。」とあります。
つまり猫を複数頭、部屋で放し飼いする場合、面積が分離型ゲージの2倍以上+高さが体高の4倍以上、
傷病等でゲージの中で飼育する場合は、面積が分離型ゲージ+高さが体高の3倍以上となります。
キャットタワーなどの棚を付けることも記載されていますが、今回は割愛します。
指針には猫の体長、体高から面積や高さがわかる早見表がついていますので、体長・体高ともに40㎝で放し飼いを40匹、傷病などでゲージで生活する子を10匹と仮定して計算します。解釈が間違っていたらごめんなさい。
分離型ゲージ:縦0.8m 横0.6m 面積0.48㎡です。
放し飼いで40匹だと(0.48×2)×40=38.4㎡ 高さ1.6mです。これは8畳間が3部屋分の広さに相当します。
ゲージの子10匹だと 0.48×10=4.8㎡ 高さ1.2mです。ゲージの数や大きさによりますが畳3畳~6畳分の広さです。
飼育だけで最低限、これだけのスペースが必要です。他にも感染症の子は別室で隔離したり、病気の子はゲージ内で食べたえさの量やふん尿の状態などで体調管理を行なわなければならないので、さらに部屋数が必要になります。
保護頭数が増えればさらに広くしなければなりません。
さらに飼育する人が常駐するのでその人の衣・食・住のスペース、スタッフの休憩室、事務室などが必要になります。
なので、どうしても最低限6LDK以上の物件が必要になります。
これらのスペースを効率よく確保するには【一軒家】が妥当ではないかと考えた訳です。