はじめまして。一般社団法人 光JSみらい 代表理事 梅本 祥子と申します。
私たちは、国内に住む外国ルーツの子どもたちに日本語の授業を提供しています。
日本語学習の機会に恵まれない外国ルーツの子どもたちに、質の高い日本語オンライン個別授業を2年間届けるため、今回のクラウドファンディングを立ち上げました。
奨学金制度「みらいっこサポート」が目指すもの
経済的余裕がない、地域に日本語を学習できる場所がない等の理由で日本語学習の機会を得られない子どもたちのため、2021年秋から光JSみらい独自の奨学金制度をスタートさせました。
それが「みらいっこサポート」です。
今回お力を頂きたいのは、「みらいっこサポート2023年4月生」として、学習を開始する子どもたちです。
日本で生まれ育った、もしくは子どもの頃に日本に来日した子どもは、約2年でコミュニケーションに必要な日本語を習得すると言われています。
しかし、学校での勉強に必要な日本語力(学習認知言語能力)の習得には5年から7年、習得されない場合すらあります。
(坂本光代「カナダにおける外国籍児童生徒の就学への対応」江原裕美編「国際移動と教育」明石書店、2011年)データ参照)
日本語指導を必要とする子どもたちの高校進学率は42.2%と、全高校生の進学率71.1%と比べて低く、中退率は約9倍です。(2017年文部科学省データ参照)
みらいっこサポート制度では、大きな壁となっている日本の高校卒業を目標として、そのために必要な日本語の力を付けていきます。
一対一のレッスンだから、子どもの興味関心を活かして日本語力を伸ばせる 〜ブラジル出身ドゥドゥさん(小5)のストーリー
我々のもとで2年以上継続して学習している生徒たちがいます。
彼らが住んでいる地域の周りには、子どもが日本語を学べる環境がほとんどなく、オンラインでないと日本語学習の機会が得られませんでした。
毎週日本語の学習を続けることで、日本語の力を着実に付けていきました。
ドゥドゥさん担当講師 りほ より
「担当当初、ドゥドゥさんは日本に来て3年でしたが、日本語の日常会話もスムーズとは行きませんでした。
はじめは「学校の授業についていけるように」「日本人ともっとコミュニケーションが取れるように」と思って授業計画をしていました。
あるとき、彼の夢は国連で働くことだと知りました。
ドゥドゥさんは国旗を覚えたり、国の位置を覚えたり、今自分ができることをしていました。
ドゥドゥさんは、漢字も動詞のグループ分けもなかなか覚えられなくて、覚えるのが苦手なお子さんなのかなと思っていたんです。
でも、びっくりするくらい色んな国のことをよく知っていて、国の説明になるとGoogle翻訳も使いながら、日本語でたくさん話します。
彼の自由ノートには、ブラジルの国歌を日本語に翻訳したものまで書いてあり、自慢げに見せてくれました。
国歌の翻訳に出てきた漢字は難しい漢字でもきちんと書いて、意味まで調べています。
子どもは興味があるものなら、ものすごいスピードで吸収できる、
子どもの興味関心を活かして日本語力を伸ばせばいい
と、そのとき気づかされました。
現在小学5年生。学校の授業はどんどん難しくなります。
まずは彼が日本語を使いたいと思う環境づくりが大切だと考えています。
現在では国旗や地図を使ってクイズを考えたり、国のことについて調べたりするのを中心として、それに関係する文型を勉強し、話したいことをきれいな語順で話す練習をしています。
彼は自分の故郷ブラジルにすごく誇りを持っていますし、日本のことも好きでいてくれます。
彼の夢のために、これからも少しでも力になりたいなと思います。」
応援金の使い道
応援金の使い道
5人の生徒の授業料 サポート分 1,080,000円
1人分の 1か月の授業料9,000円(生徒家庭負担分を除く)×24カ月×5人=1,080,000円
日本語オンライン個別授業の通常料金は12,000円です。
今回の奨学金・みらいっこサポートでは、うち3,000円を生徒家庭が負担し、残り9,000円を寄付等でサポートします。
授業時間は一回45分、授業は一ヶ月に4回あります。
★授業料に含まれる主な費用は、以下の通りです。
・講師報酬
・教材費
・通信費
・広報宣伝費
実際の授業について
●授業回数と時間:週1回、45分間授業。月に4回行います。
●教科書:指定の教科書はありません。その子のレベルや興味関心、ゴールに合わせて、教師と共に教材を選びます。
●授業内容:文字練習(ひらがな、カタカナ、漢字)、語彙練習、日本語文法、文章読解、学校補習…子どもによって様々です。1人ひとりの興味関心、レベル、特性に合わせて、その子の力が最大限引き出せるように講師たちが日夜努力して授業創りをしてます。
●担当講師:講師は全員、日本語教師の資格(※)又は教員資格を保持しています。
完全担任制です。
第一言語でのフォローが必要か、教員経験者がいいか、子どもが住んでいる地域に精通している講師がいいか、など、その子の状況を見て最適な講師を選出します。
その講師との体験授業で相性を確認した上で、正式にスタートします。
※講師には海外在住者もいるため、現地での日本語教師養成講座等を含みます。
●保護者とのコミュニケーション:講師から授業後のレポートが届きます。保護者にも授業内容を知ってもらい、二人三脚で子どもを育てていきます。
2年間の学習で目指すもの
1年目は、講師が1対1で子どもに合わせて学習計画を立て、その子どもの得意・苦手分野を把握しながら、学びの定着を目指します。文法が苦手、漢字の読みが苦手、という苦手分野の克服も、学年やその子の特性に合わせてゲーム等を取り入れながら楽しく学べることを大切にしています。
2年目は、学んだことを応用します。最終的に、伝えたいことを豊かな語彙で色んな角度から表現できることを目指していきます。
語学学習には自信が非常に大切です。自分の日本語が伝わる経験を積み重ねて、自信を付けていきます。
小学校教員から法人立ち上げまで
私 梅本は、2020年3月まで小学校の教員でした。
勤務していた地域に外国ルーツの子どもが多かったこともあり、通常学級の担任として様々な外国ルーツの子どもや保護者に出逢いました。
日本語に自信がもてず日本語を話すことはしないけど、友達と遊びたい。でも、それがうまく表現できなくて、つい手や足が出てしまう、Aさん。
日本語が分からないことで自分を閉ざし、周りとのコミュニケ―ションをとろうとしなかった、Bさん。
日本で生まれ育ったけども、第一言語が確立されない状態で高学年になり、母国語でも日本語でも「思考する」ことができず、勉強にも周りの友達のコミュニケーションにも行き詰ってしまった、Cさん。
隙間時間に個別で一緒に勉強をしたり、家庭と連携して家で日本語の宿題を頑張ったりしていくうちに日本語が上達し、友達とも仲良くなっていきました。
校内で子どもたちの成長を日々見守る教員生活は日々充実していました。
ですが、ブラジルの小学校での活動や日本の教員経験を経て、校外で子どもたちの日本語サポートを行う機関の必要性を強く感じました。海外生活経験者、教員経験者の私だからできるサポート集団を作ろうと考え、2020年10月に株式会社 光JSを立ち上げました。
更に、「日本にいる外国ルーツの子どもに日本語教育を届けたい」という、株式会社立ち上げ当初からの思いに特化するため分社化を図り、2022年6月に一般社団法人光JSみらいを設立しました。
子どもの未来を照らす、一助を目指して…
「言葉でつながる 人とのつながり」は、光JSみらいの法人理念です。
どの子どもも、自分の持つバックグランドの豊かさを誇りに思って欲しい。
そして、日本語能力の不足によって、子どもの将来が妨げられることを無くしていきたい。
私たちの社会にとって、多様さを包括して、尊重できることは、そのまま社会全体の豊かさにつながると私たちは信じています。
皆様の応援で、子ども1人1人の人生が変わっていきます。
是非私たちと一つのチームになって、一緒に子どもたちの毎日を支えていきましょう!
皆様のご協力、どうぞよろしくお願いいたします。