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水が引いたあとの土埃が舞う輪島市門前町浦上の仮設住宅に入ると、泥の入った土嚢を運ぶ学生さんたちの姿がありました。
地震のあとから輪島市門前を中心にボランティア活動を続けている「石川・能登未来知図」のボランティアです。
震災後に金沢大学医学類5年の橋本彰貴さんが発起人となって結成され、10月6日までに56回312名が被災地で活動してきました。
「瓦を運んだりとか、崩れたブロック塀をハンマーで壊して運んだりとか、今日は流れてきた泥を土嚢に入れて運んだりとか、基本力仕事をやっていくことが多いです」
そう語ってくれたのは、金沢大学2年の 豊嶋すみれさん。何度も被災地で活動してきた彼女も今回の豪雨災害にはショックを受けています。
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(取材に答えてくれた「石川・能登未来知図」の豊嶋すみれさん)
「豪雨の日は珠洲で医学展をやる予定で、天気が悪いとは聞いてたんですけど、一応途中までは行ってみようってことで向かいました。でもお手伝いで地元に戻ってる子から、『家の前の川が氾濫したから、もう逃げないといけなくなったみたい』 って。
その時は結構ショックでした。大雨の前に最後に行った時は、門前のレンガの道みたいなところがちょっと直ったりしてて、なんか光が見えてきたなと思ってたところにあの雨だったので」
多くの人が復旧活動に携わり、いよいよ復興段階に移ろうとしたときの豪雨。被災した人は言うまでもありませんが、支援する側の方々にとっても気持ちを挫かれるような出来事です。
この門前町でも濁流に多くの家が浸かり、避難者が住む仮設住宅にも水が押し寄せました。
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(仮設住宅に押し寄せた流木)
石川・能登未来知図のメンバーは気落ちしながらもすぐに体制を整え、その日の夜には金沢大学の医学類生への飲料水提供を呼びかけ、翌23日には現地へ初動隊を派遣し、応急復旧のお手伝いと状況視察を行いました。
そして、豪雨から1週間後の週末にはメンバー10人以上が各地で支援活動を行いました。
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この日の作業は、駒澤大学からのボランティアと共同で行われましたが、地元の人達といっしょに作業しながら談笑する光景も見ることができました。
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高齢化が進む門前町では、二度にわたる被災で前に進む気持ちが保てなくなってきている人も多く出ています。
金沢大学の学生が中心の石川・能登未来知図の活動は、地元の人にとってマンパワーだけでなく、気持ちの上でも力になっているようです。
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「今後は継続的にこっちに来たいなと思っています。石川・能登未来知図のいいところは、地元の人と近い距離でできるところだと思っていて。できるだけ継続して、地元の人とつながって、ニーズを聞きながら復興のお手伝いできればと思っています」