特定非営利活動法人ホスピタリッチ

ADHD・ASD社会人への支援を拡充して日本全国に支援機関をつくるための仲間を募集します

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NPO法人ホスピタリッチは、主にADHD・ASDを診断された社会人の方を対象に、「ADHD-COACH」というコーチングによる心理支援をご提供しています。これまで、ひとりひとり異なる社会生活の問題に、継続して関わってまいりました。良いご報告をご利用者様からいただく一方で、運営費の大半は、ご利用者様からいただくご利用料金で賄われております。 ご利用者さまのご負担を減らし、支援の拡充を図っていくため、現在『賛助会員』さまを募集しております。 『賛助会員』とは、NPO法人の社会活動を資金面でサポートしてくださるご協力者さまのことです。 ホスピタリッチの活動にご賛同いただける方からの会費の収益を、活動に役立ててまいります。 運営体制をいっそう整え、支援の拡充を図っていくことで、当事者のご負担を減らし、より多くの方へ支援が届くよう何卒ご協力ください。

活動の背景、社会課題について

◼️「増加する大人のADHD」

昨今、発達障害として認知度が高まっている神経発達症の「ADHD(注意欠如/多動症)」と「ASD (自閉スペクトラム症)」があります。そして、ADHDやASDを診断される方は、年々増えているといわれています。

平成28年 生活のしづらさなどに関する調査 -厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部』によると2016年時点で、発達障害と診断された未成年(0~19歳)は約225,000人。20歳以降に診断された方は、約243,000人いらっしゃることがわかりました。

また、ADHDだけをみた場合、2022年に信州大学が出したプレスリリース『2012年から2017年にかけて大人のADHDの診断数が日本で急増-全国の診療データベースを用いた大規模疫学調査-』によると、日本におけるADHDの新規診断数を調査した結果、ADHDの年間発生率は、2010-2019年度の間に、0-6歳の子どもで2.7倍、7-19歳で2.5倍、20歳以上で21.1倍に増加したことが明らかになりました。特に、2012年度から2017年度にかけての大人のADHDの診断数の増加が、最も顕著でした。

このように、ADHDを診断される社会人が急増し、これから社会に出る当事者の方々も、そこに加わってくることになります。

◼️社会課題

ADHDやASDの特徴を持った子どもに対する支援として「特徴に合った支援」が広まっています。

一方で、社会人になると、当事者と企業を「つなぐ支援」はありますが、そこから先は「周囲に合わせる努力」が当事者に求められ、精神疾患などの二次障害を発症することも多くあります。

また、高学歴で語学力もある当事者であっても、対人関係の問題やスケジュール管理の苦手さから、ひとと関わることに支障をきたし、一人一人に適した支援が得られないことで、うまく能力が活かされないまま、障害枠に限定された社会参加になってしまうケースも、決して少なくありません。


活動内容の詳細について

NPO法人ホスピタリッチは、ADHD(注意欠如/多動症)やASD(自閉スペクトラム症)、または両方を診断された社会人の方へ、コーチングを活用した心理支援「ADHD-COACH」をご提供しております。

当事者一人一人が接している仕事やプライベートに関わるご相談内容に対し、安心・安全の対話関係を築きながら、落ち着いてご状況を整理し、こまやかな内省がしやすくなる機会のご提供をしております。

◼️「ADHD-COACH」の支援

ホスピタリッチでご提供している「ADHD-COACH」のアプローチは、アメリカのNPO法人がはじめたADHDコーチングから着想を得た支援スタイルをとっていますが、そのコーチングは心理学的理論にもとづいていないことから、カウンセリング理論にもとづくコーチングを採用して、支援に活かしています。

このカウンセリング理論では、自分らしい自己肯定感(自尊感情)の向上に役立つことが、学術的に示唆されています。

また、国立精神・神経医療研究センターが発表した「かかりつけ医等発達障害対応力向上研修テキスト」の「2.発達障害の診断、治療・支援、連携に関する基本的知識(2).スライド37」にあるADHD治療のガイドラインによると、この自分らしい自尊感情の向上が目標とされていることからも、ADHDを診断された社会人への支援方法として適していることが伺えます。

「ADHD-COACH」の支援では、ご利用者さまのニーズにご対応しつつ、自尊心の回復と、ありのままの自分を認めたパーソナリティに成長していくサポートを、大切にしております。


ご利用者様の声(支援実績一部紹介)

大手衣料品メーカー・管理職 30代女性 ADHDとASDの診断

これまで、特に仕事で相手に何かを説明する時や、細かい段取りを決める時は、理解してもらうために論破しなければならないと、いつも必死になっていました。それ以外の接し方はわからなくて、とにかく突っ走ることしかできない感覚がありました。

でも、こちらで自分の素直な感情を出しながら振り返りをしていくことで、そのコミュニケーションの方法は、小さい頃から自分が家庭や学校でされていたことだったと気づきました。

私の他者の意図を認識するあり方が、他の人たちと異なっていたんだなということが、今では納得できますが、当時の私は知る由もなく、皆私と同じように納得できない想いを抱えながら、頭だけで理解して従うのが、当然なんだと思っていました。それに、学校で友人たちと話していて、自分だけわからないことがあると、私が学校を休んでしまった時に、皆が授業で習っていて、私は置いていかれてしまったんだと、社会人になってからも本気で信じていました。

それでも、社会に出て30歳になって、あまりにもうまく行かないことが多くなり、ADHDとASDの診断がついてからは、皆自分と違うんだって気づいて、すごく悔しい思いがありました。

そのことで、ここを利用しはじめた当初は、支援員さんに何度も八つ当たりをしました。それでも支援員さんはいつも通り接してくれたので、自分ごととして受け入れるプロセスを辿ることができました。それが私にとっての、とても遅い反抗期だったように思います。お陰様で、現在は、突っ走ることしかできなかったのが、自分の不快感情を受け入れることができるようになった分、立ち止まることもできて、俯瞰して周囲の状況を捉えられるようにまでなりました。その頃に、上司から「会話の論点を、的確に捉えてくれるようになったね」と、私の変化を評価されるようになったことが、とても嬉しかったです。

今は、部長に昇進することもできて、昇進から3年になりますが、部署のメンバーと協力しながら、なんとか充実した社会生活を送れています。

最近はよく、発達してもすべてがうまくいくわけではないんだな、という想いになりますが、そこに関しては、皆同じようなものなんだな、とも思えています。

人材派遣会社・企画戦略部勤務 30代男性 ADHD診断

職場では、何でも引き受けてしまうことが多く、スケジュール管理や、「この仕事ならこのくらいで終わるだろう」という把握に必要な時間感覚も苦手でした。多くの案件をひとりで抱えて、いつも時間に追われていました。

苦手な作業を伴う案件は、期限ギリギリになるまで着手できずにいたことも、忙しい状況に拍車をかけていた大きな要因でした。本当に焦ってばかりの毎日で、何とかしようとして、ホスピタリッチさんを頼りました。最初はなかなか現状が変わらない日々が続き、ヤキモキしていました。なにか手っ取り早い方法をアドバイスしてくれて、すぐにすべてがよくなると思い込んでいたんです。そんな間違った期待から不満がつのって、支援員さんを責めてしまうこともありました。でも、支援員さんはそんな理不尽な態度も受け止めてくださるので、なんだか素の自分を出す安心感が生まれてきたのを、今でも覚えています。そうして、いつしか毎週利用するのが、心の拠り所になっていました。

次第に、感情をそのまま支援員さんに言えるようになっていくと、不思議と仕事のスケジュールを、歴史年表をみるように眺められるようになっていきました。このことが不思議で、自分で論文を調べていくと、ADHDのさまざまな苦手さは、感情処理の苦手さからきているのではないかという発表内容をみつけて、これだと納得しました。そのことを知ってからは、支援員さんにどんどん感じていること・思い出した過去のつらいことなど、思い付くままお話ししました。今まで、職場の先輩から散々周囲に仕事を振った方がいいといわれていてもできなかったのですが、今は抵抗感が薄くなり、お願いが柔軟にできるようになっています。

その他にも、後先考えずに安請け合いしていた仕事の仕方も変わって、現状だと他の案件が間に合わないな、と判断して断ることもしやすくなっています。

ただ、ADHD特性がなくなったわけではありません。一つ一つやらないとうまくいかないという自分の性質を、自分で当然のように受け入れられたので、焦ることなく、自分の性質理解にもとづいて生きているという感じです。

精神的な負担が解消されたことは、なによりも大きいので、支援員さんには大変感謝しています。


賛助会員費の活用について

私たちのご提供する支援は、現状のところ、理事たちの持ち出し分と、ご利用者からの月額会費で、賄われております。

一般の心理カウンセリングの相場が一回60分10,000円前後なのに対し、私どもの支援はごゆっくりお話しいただけるよう、毎週ご利用可能な会員制を採用し、一回90分の時間枠で月額20,000円でご提供しております。

相場より低額ですが、それでも毎月のご利用となると、継続を断念される方もいらっしゃいます。

今後、月額会費2,000円に改定し、少額のご負担にすることで上記の現状を解決し、より多くの方々に支援が広がることを目指してまいります。

そのために、私たちの活動にご賛同いただける方を募集し、賛助会員(年会費3,000円)としてお力添えいただくことを、お願いしております。

そして、賛助会員の方を、共に支援活動を成長させていくパートナーとして捉え、より多くの賛助会員の方々から、長期的に資金面でサポートしていただくことで、公認心理師などの「心の専門家」を雇用し、全国に支援を拡充していくことを目指しております。

また、「今回のみ」のご寄付も受け付けておりますので、何卒ご支援のほどよろしくお願いいたします。

【直近の賛助会員費活用先】

人件費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、諸会費、賃借料、消耗品費、研修費、支払報酬費、役員報酬。

団体情報
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このページは寄付・ 会費決済サービス
コングラント」で作成されています。
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