団体の紹介
発達わんぱく会は、発達障害またはその疑いのある未就学児を対象として直接的・間接的発達支援を行っています。直接的支援としては早期療育を行う「こころとことばの教室こっこ」の運営、間接的支援としては保護者向けの相談支援事業、同じ療育事業所向けの開設・運営支援事業、企業との連携など、発達障害を取り巻く社会課題に多方面からアプローチしています。
今回の「こども発達勉強会」は、間接的支援の一つとして新しくスタートします。
プロジェクトの背景、社会課題について
2006年の国連総会にて、障害者の権利の関する条約の中で「インクルーシブ教育」(子どもたちの多様性を尊重し、障害のあるなしなどにかかわらず、すべての子どもを包含する教育方法)が示されました。2022年には国連障害者権利委員会による審査により、日本で長く障害者の分離教育が続いていることが懸念され、国は今後インクルーシブ教育へ大きく舵を切っていくと考えられています。
一方で、現場ではこうした変化を受け入れる体制がまだまだ整っていないのが現状です。保育園、幼稚園、こども園等の保育者が資格取得の際に求められる知識の中でも、発達障害についてはごくわずか。日本保育協会が全国的な調査を行ったところ、「気になる子がいる」と回答した保育所は93%、一方で「大変気になる子に対して特別な支援を行っている」保育所は23%、「やや気になる子に対して特別な支援を行っている」保育所は7.6%に留まります。特に集団保育を行う上で「むずかしい」と感じている保育所の割合は8割超という結果となっています。実際法人には「気になる子にもっと丁寧に関わりたい」と保育所から転職してくるスタッフがいます。
大きな社会の変革の中で、これまで13年に渡り療育現場で専門性を築いてきた私たちに出来ることは、療育的アプローチをお伝えすることで今後加速するインクルーシブ教育を現場で支える保育者の方々の課題を一緒に考えていくことではないかという結論に至り、今回のプロジェクトを立ち上げることになりました。
プロジェクト内容の詳細について
保育者と療育者が子どもの発達を軸に学び合える場づくりを目指しています。本件リーダーのみならず、日々現場で子どもたちと関わる療育スタッフも参加予定です。
2023年10月から半期で3回実施を計画しており、10月・12月はオンラインでの実施、2月は発達わんぱく会の教室を利用して実際に参加者が集いケーススタディディスカッションを開催予定です。10月の第一回では「発達障害概要と一斉活動場面の気になる行動(読み聞かせ活動での離席)」をテーマに前半は講義形式、後半はディスカッション形式で進めていく予定です。
詳細についてはHPをご参照ください。https://hb.wanpaku.org
寄付金の使い道について
現場で課題感を持つ保育者の方々になるべく多く、気軽に参加頂けるよう参加費はなるべく低額に抑えたいと考えています。一方で既に企画~準備段階までかなりの人手がかかっているのが現状です。特に立ち上げ期は活動を認知してもらうことが最優先課題と考え、既存事業所在地であり法人としての認知度が見込める千葉県浦安市と東京都江戸川区における保育所等への広報費用、立ち上げ期及び今期3回の実施に伴う法人負担の人件費の合計50万円を目標額として設定し、この活動を応援いただける方のご支援を募りたいと考えています。回を重ねるごとに効率化することで来年以降の運営費はより低減できると考えています。