活動・団体の紹介
認定NPO法人アイキャンは、一人ひとりが本来持つ力を十分に発揮でき、それぞれの「できること」を持ち寄って、課題の解決に向けて行動できる社会の実現を目指す国際協力NGOです。1994年に設立され、フィリピンを訪れた一人の会社員が子どもたちの置かれた現状を目の当たりにして、「何かできることがあるはず」という思いから始まりました。人々の「ために」ではなく「ともに」という価値観を大切にして活動しています。
活動の背景、社会課題について
フィリピンには路上で生活する子どもが約37万人(2015年)存在すると言われています。路上で生活する子どもたちは、周囲の人々からの差別や、大人から期待され褒められる経験が乏しいため、自己肯定感が低い者が多いです。また、周囲に教育の重要性を教えてくれる模範的存在もおらず、現状を変えようという意識が持ちにくい環境に置かれています。さらに、マニラ首都圏において、路上の子どもたちを対象にした社会保障制度や社会サービスの整備は長年進んでおらず、貧困下で生まれた子どもたちは、依然として路上に押し出されてしまっています。
活動内容の詳細、実績について
アイキャンは2006年より、マニラ首都圏において、路上の子どもが自立した生活を送られるように、路上の子どもの保護及び自立支援をしています。当初、各地域の日々の見回りと、路上の子どもたちへの医療や教育の提供を通して、子どもたちの命と生活を守ってきました。しかし、ギャングの抗争や様々な病気によって命を落とす子どもを間近で見てきた経験をしたことにより、迅速に路上の子どもたちの命を守ることができる児童養護施設の建設を決心し、2016年より自前の施設で路上の子どもを保護しています。さらに、路上の子どもの自立のために、ライフスキル研修や技術訓練も実施しており、2010年には、パンやお菓子を販売する協同組合カリエ(元路上の若者で構成)を結成し、路上の若者が収入と職業訓練を得られる場所を保障してきました。現在のカリエは、路上の子どもに対して、自身の経験や教育の重要性を共有するピア教育(同じ境遇にある者同士の学び合い)を実施しており、路上の子どもの模範的存在にまで成長したとともに、一般市民に対する子どもの権利の啓発も実施できるようになりました。
代表者メッセージ
私たちアイキャンは今までの活動を通して、例えどんな過酷な状況であっても、人は自分の人生を自分の手で切り拓く「力」を持っていことを確信しています。一人ひとりの力は小さいかもしれません。それでも、一人ひとりの「できること(アイキャン)」が合わさり、一人ひとりが行動する選択を取ることで、社会をより良くできることは確かです。私たちアイキャンは、社会の中で周辺に追いやられた人々の声を聞き、課題に目を背けず、諦めることなく、誰もが自分の力を発揮して活躍できる社会の実現のために活動します。どうか、みなさまの「力」もお貸しください。
寄付金の使いみち
身寄りのない子どもや育児放棄された子どもに対して、安全かつ愛情にあふれる「家庭」を提供する児童養護施設「子どもの家」の運営費、かつて路上で生活していた若者の自立支援、路上の子どもを生み出す社会構造を変えるための啓発や政策提言に必要な経費に充てさせていただきます。