ICDP(international child development program国際子供発達プログラム)とは
ICDPは、最新の心理学の研究成果に基づいて,子どもの精神的な成長を促す簡単であるが豊かな内容のあるプログラムです。どのような風習・習慣や文化的な背景を持っている人々にも柔軟に適応でき、簡単な8つのガイドラインに沿うだけで、母が子の気持ちを感じ取る感受性が高まり、母と子の良好な人間関係が築かれてゆきます。この良好な関係を基盤として、豊かな情緒・感情・忍耐力と広く深い知性が子どもの精神の中に育ちます。
なぜICDPを日本に普及させることが必要であるか
日本で、児童の虐待件数が2015年度に10万件を越えました。
荒っぽい言葉や脅しの言葉によって子どもの心を傷つける心理的虐待、殴る、蹴るなどの身体的な暴行で傷つける身体的虐待、食事などを与えないネグレクト(育児放棄)、性的虐待などがあり、このような児童虐待が増加する傾向にあります。
このような虐待の被害者が親になると、今度は、その親たちが子どもに高い確率で虐待するようになります。すなわち、世代間で虐待の連鎖が起こり痛ましい不幸が永続してゆきます。
ICDPプログラムは、子どもの発達についての最新の研究に基づいて、父母(ケアギバ)の中に、子どもを人として見るというポジティブな認識を発達させます。それによって、子どもの発達を支えるような関係を促進します。その一方で子どものネグレクト(無視)や虐待につながるような関係を阻止することによって、大人と子どもの関係の質を向上させ豊かにしてゆきます。
ICDPの目的は、子どもにセンシティブな世話をし、子どもに最適な心理的発達を促すこと
センシティブなケア(世話)とは、幼児の感情、考え、欲望を感じ取った上で、状況にふさわしい世話をすることです。そのような世話で、幼児はケアギバー(母親等の養育者、世話する人)になつき、ケアギバーは幼児に愛着を感じ、これが幼児のさらなる心の発達のための基盤となります。
逆にこれに失敗すると、情緒不安定(自信がなく、不安で、悲しくなる)となり、無感動、引きこもり、落ち着きがなく、多動で、集中力がなくなります。次の発達段階である知的な発達;外の世界の理解、探求に支障が生じてきます。
ICDPは子どもの精神の発達が、最適に起こることを目的にしています。それは、ケアギバーと子供の関係を良好にするプログラムです。このプログラムは、単純で、適応性に富んで可変性であり、母親等が本能として持っている子育ての能力に気付かせ、自信を持たせ、強化するものです。そのため、文化、国境の枠を超えて多くの地域で実施され、その効果が確認されています。このプログラムの本は、WHOによって採択され、WHOが推奨するプログラムとして発行されています。
日本ICDP研究会 代表 前嶋 満弘
ご支援の使い道
これまでICDPの普及活動は個人的な寄付によって行われておりました。しかし、昨今テレビ・新聞ニュースで、子どもの痛ましい虐待のニュースを頻回に見聞するにつけ、普及活動の広範化、スピードアップを痛感しております。
そのためにも、多くのボランティアの参加が必要です。皆さまからのご寄付は、主にボランティアの交通費、テキストの出版費、翻訳料、セミナー・ワークショップの会場費として使用させて頂きます。
今回のみの1口からお寄せいただける単発での寄付お申し込みはこちら