Inna House とは
Inna House では、ニジェール紛争難民の子どもたちの生活・学習のサポートをしています。
子どもたちはもともとサハラ砂漠で暮らす遊牧民でしたが、紛争によって故郷を離れることを余儀なくされました。彼らは毎日、夜遅くまでガーナの首都アクラで物乞いをして働いています。
Inna Projectでは、難民のこどもたちがストリートからより広い世界へと羽ばたいていけるよう、こどもたちが学校に通えるようにサポートしています。Inna Projectを設立してから5年、ついに2023年1月からこどもたちが学校に通い始めました。
Inna Houseはそんな子どもたちの家であり、Inna Projectはこどもたちの家族として、学費だけでなく、たっぷりの愛情と共に、生活全般のサポートをしています。
こちらの動画もぜひご覧ください。
子どもたちの世界を広げるフリースクール
Inna Projectでは、学校に通う難民の子どもたちの家としての役割と、まだ学校に通うことができない子どもたちのための「フリースクール」としての役割を担っています。
子どもたちの将来の可能性を広げるため、基礎的な英語の読み書きや計算の能力、また創作など芸術的な活動にも親しめるよう、ボランティアの先生や現地で活躍しているアーティストを呼んで授業を行っています。
また、裁縫など簡単な物づくりのスキルを身につけ、「自分たちでものを作って売る」ということを実際に体験しながら学習を進めています。
15歳以上の子どもには性教育も行っています。特に女の子には、自分の体は自分で守れるように、女性としてのセルフ・リスペクトの重要性を教えます。
また、社会科見学や職業体験、遠足などのイベント、コンポストを使ったリサイクルと野菜の栽培を通した環境教育も行っています。
そして、このInna Houseとは別に、学校に通うことができない子どもたちが寝泊まりするための場所として「シェルター」があります。
子どもたちは早朝から夜中まで繁華街で物乞いをし、道端で睡眠を取っています。衛生的に劣悪な環境であるだけでなく、誘拐などの事件が起こることも実際にありました。そこで、子どもたちが安心して眠れて、ご飯を食べられる「家」として、シェルターを作りました。
常時セキュリティが警備し、子どもたちがいつでも帰ってきて安心して眠れる環境を整えます。また、スタッフが食事を作りますが、年長の子どもたちには自立して生活するために料理も教えています。
なぜ、全員が学校に通えないのか
なぜ学校に通っている子と、通えない子がいるのか。なぜ物乞いをやめさせないのか。
子どもたちは毎日、朝から晩まで、クラブやレストランの前で物乞いをしていますが、ひどい暴力を受けることもありますし、疲れた子どもたちがストリートで眠っている間に誘拐される事件もありました。本当は、今すぐにでも物乞いをやめさせて、学校に通わせたいと思っています。しかしやめさせられないのには理由があります。
物乞いをせずに一日学校に行けば、その日食べるご飯を確保することもできませんし、彼らが物乞いという仕事で家族の生計を担っているからです。
彼らは元々ニジェールのサハラ砂漠で暮らしていました。地球の自然と共に生き、過酷な砂漠の環境を生き延びる術を身につけてきました。だからそもそも彼らには「働いてお金を得る」という概念がありません。また「学校に行く」という概念もないので、英語の読み書きなど働くために必要な基本的なスキルを身につける機会もありません。
今の親の世代が子どものときにガーナに逃れてきましたが、彼らが子どものときは今の子どもたちと同じように物乞いをしていました。学校に通わせようとすると、親たちから猛反対を受けます。怒って危険を顧みずに子どもを連れてニジェールに帰ってしまった家族もいました。そのため、時間の決まっている「学校」ではなく、経済的に自立する方法を身につけ少しずつ物乞いの生活から抜け出せるよう、「家」であり「学びの場」でもあるInna Houseを運営することにしました。
ご支援の使い道
1ヶ月間のご支援の使い道の内訳は以下の通りです。
- 家賃 20万円
- 食費 4万円(40人分)
- 水道・光熱費 2.8万円
- 必要物資 5万円(トイレットペーパーや生理用品、石鹸、洗剤など)
- 教材費 5万円
- 人件費 14万円(セキュリティ、調理員など現地スタッフ)
[計] 50.8万円
首都、アクラの物価は日本よりも高いです。子どもたちは繁華街でないと物乞いをすることができないため、シェルターも繁華街の近くに作らなければなりませんでした。シェルターを継続して運営するためには、皆さまからのご支援が必要です。
代表より
ここまで読んでくださった皆さま、ありがとうございます。Inna Project 代表、山口韻奈です。
私は5年前にガーナで子どもたちと知り合い、今日まで子どもたちとその家族と一緒に、乗り越えてきました。
クラウドファンディングで資金を集め、首都アクラの繁華街にある3LDKの一軒家を借りました。皆さまのご支援のおかげで、今日まで活動を続けることができました。本当にありがとうございます。
ようやく子どもたちが安心して暮らせる場所を確保することができ、嬉しくて仕方がない一方、身の引き締まる思いです。初めての取り組みなのでこれから様々な問題に直面すると思いますが、元気いっぱいの子どもたちと一緒に前進し続けたいと思っています。
皆さまからの温かいご支援をお待ちしています。どうぞよろしくお願い致します。
INNA Project 代表 山口韻奈