Inna Project

ニジェール紛争難民の子どもたちの家 Inna House

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Inna Houseでは、ニジェールの紛争から逃れてきた難民の子どもたちの生活・学習サポートをしています。2022年2月に子どもたちの居場所となるシェルターをオープンしました。皆さまからの温かいご支援をお待ちしております。
2022-09-10 21:32
インナハウスのルール
2022年3月の活動報告

ケニアでの学び

3月は、2週間シェルターでの活動を休止し、ケニアに滞在しました。さまざまな課題に取り組んでいる団体にお邪魔して勉強をさせてもらいました。色々な分野から新しい知識を吸収し、私自身が子どもたちと成長していくためです。

2月は、子どもたちを叱ってばかりで、これからどうシェルターを運営していけば良いのか途方に暮れていました。ケニアでの学びを経て、また一からガーナで頑張れるように、という思いで出発しました。

ケニアでは、主にマゴソスクールでお世話になりました。マゴソスクールは世界最大規模のスラムであるキベラスラムの子どもたちの駆け込み寺となっている学校です。30年近く続いている学校で、運営方針や学校の教育システム、子どもたちとの向き合い方など、先生方から様々なアドバイスを頂きました。

また、虐待を受けている子どもたちのための孤児院、ドラッグ中毒の子どもたちのリハビリセンターなども訪れました。ケニア最大級のゴミ山も訪れました。非常に危険な地域なので、あまり中に入ることはできなかったのですが、車から降りた瞬間からその異様さを肌で感じました。中に住んでいる人々は薬物中毒者ばかりで、子どもたちもシンナーを吸って空腹を紛らわせています。シンナーご飯よりもずっと安く手に入るからです。手前の方で住民数人に会いましたが、雰囲気が全く異様でした。「希望がない」と言い表せば良いでしょうか。空気そのものが死んでいるような場所でした。

ヘロイン中毒者への食糧配布をおこなっているNPO団体も訪ねました。ヘロイン中毒になるほとんどの原因は貧困です。空腹に耐えられず泥棒をし、見つかるとリンチされ、ひどい暴力を受けます。大怪我を負っても病院に行くお金もないので、ヘロインを打って痛みを紛らわせるのだそうです。ヘロインは一度でも注射すると中毒になってしまいます。

お腹を空かせるというのがどれほど怖いことか。インナハウスでは給食を配布していますが、一日3食食べられることの重要性を改めて感じました。

そしてケニアにはあまり物乞いがいません。学校に通えなかった子どもたちは皆ギャングになり、物乞いではない他のお金の稼ぎ方をするからです。女の子もギャングになります。男の子のギャング集団よりも、女の子の方がずっと残酷なんだそうです。

ケニアに来る前はシェルターの運営や子どもたちとの接し方でずっと悩んでいましたが、ケニアで様々な問題を知って、私たちの未来は希望で溢れていると感じました。ケニアで訪れた場所に比べて、シェルターのある地域はとても安全です。もちろん誘拐や暴力に遭う危険は大いにありますが、インナハウスにいれば確実に子どもたちを守ることができます。今私が抱えている問題は、時間をかけてちょっとずつ向き合えば必ず解決できると、確信しました。

Inna House のルール

私がケニアにいる間シェルターは解放していなかったにもかかわらず、子どもたちは毎日シェルターに来て敷地内で眠っていたそうです。シェルターをオープンしてから2ヶ月しか経っていませんが、もうすでに子どもたちの居場所になりつつあるんだなと感じました。

ケニアから帰ってきて、空港からシェルターに直行しました。シェルターのスタッフとミーティングをし、ケニアで学んだことをシェアしました。子どもたちに対する関わり方は変わりませんが、新たにシェルターでのルールを作ることにしました。

・シェルターに着いたら体を洗う。

・シェルターを出る時は、シェルターの服ではなく自分の服を着る。(ストリートにいるとすぐに服が汚れてしまうから)

・男の子と女の子は別の部屋で寝る。絶対に立ち入らない。

・リビングで寝ない。

・床に座って食べない。

・食べたお皿は自分で洗う。

・キッチンに入らない。

・喧嘩しない。

・年齢関係なく、全員を尊重する。

・大声を出さない。

などなど…。

ルールを違反した場合は、罰として外を10往復走ってもらいます。これはマゴソスクールの教頭先生からのアドバイスです。マゴソスクールでは、ご飯の順番を待てない子には校庭を10往復走らせているんだそうです。食事前に走ると脳も活性化されるし、自律神経が整います。順番を待っていればちゃんとご飯をもらえるのに、誰かを抜かそうして押したり騒いだりすると、罰として走っている間に一番最後になってしまいます。我先に、と前の人を押して先に行こうとするのは、子どもたちが常に「一番に行かないと自分の分がないかもしれない」という状況にいたからです。インナハウスなら必ずみんなの分があるんだと、子どもたちに安心してほしいと思っています。

来月の目標!

シェルター再スタートと同時に、給食もスタートします。子どもたちは今ラマダン中で朝と昼はご飯を食べないので、ラマダンが終わるまでは夜ご飯だけ提供する予定です。

また、シェルターに先生を呼んでスポーツやアートなどのアクティビティを取り入れる計画もしています。ラマダン中、子どもたちは日中はシェルターにいないので、5月から開始する予定です。

社会見学や遠足のようなアクティビティも取り入れていきたいと思っています。子どもたちは物乞いしか知らないので、新しいものをたくさん見て知って、世界を広げていってほしいです。

ケニアで学んできたことを生かして、これからもコツコツ、一歩ずつ、子どもたちと全員で前に進んでいこうと思います。

これからもどうぞ、応援よろしくお願い致します。

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