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こんにちは。Inna Project代表の山口韻奈です。
3月の反省点を踏まえ、4月からは新たにシェルターにルールを設け、子どもたちとインナハウスを再スタートしました。
シェルターのルールは先月の活動報告でもお伝えした通り、「シェルターに着いたら体を洗う」「食べたお皿は自分で洗う」「年齢関係なく全員を尊重する」などです。子どもたちはこのような、生きていく上で大切なことを親から教わったことがないので、Inna Houseでは一つずつ丁寧に教えています。
彼らにとって必要な学びは、Inna Houseのルールに定めたような、衛生的な生活習慣(体をきれいに保つこと、掃除、洗濯)を身につけること、そして自分たちの体を知ることです。「学び=勉強」ではありません。英語や算数などの勉強も今後教えていく予定ですが、今は、彼らが最も必要としているこれらの学びを提供しています。
インナハウスの性教育
先日は、女の子たちを集めて私たちの体について話しました。今回は11人の女の子が参加してくれました。私は先生でもないし知識が沢山あるわけでもありませんが、同じ女性として思春期の女の子に教えなければならないことは沢山あります。
Inna Houseに来る女の子たちで生理が始まっている子はたくさんいますが、お母さんから自分の体について教わったことがないので、生理がきたらナプキンを使うということも知りませんでした。生理が来てもそのまま何もしないか、ビニール袋を当てるしかなかったようです。
今回、生理用ナプキンの使い方を女の子たちに見せ、実際に試してもらいました。使用後のナプキンの処理の仕方や交換の頻度、漏れてしまった時の対応など、丁寧に伝えました。
胸が大きくなり始めた子には、ちゃんと下着をつけなければならないということ、つけることで自分の身を守ることができるということを、私の体を見せながら違いを見せて、自分たちでも実践し体感してもらいながら学びました。思春期の子はどういう反応をするか不安もありましたが、恥ずかしからずみんな本当に真剣に聞いてくれました。
また、Inna Houseでは、基本的にプラスチックを極力使わないようにしていますが、生理用ナプキンは基本的に使い捨てのものを使っています。布ナプキンは環境にも優しいということで日本でも広く使われはじめましたが、ガーナの水は汚染されており、その水で洗濯したものをプライベート部分に当てることは感染症を引き起こす危険性があります。さらに、Inna Houseでは男女一緒に生活しているので、思春期の子が自分の血の付いた下着を洗い、管理することは難しいと思います。自分だったら絶対に嫌なので…。
「性教育」というと難しい感じがしますが、まずは私が知っていることを女の子たちに共有しました。初めはプロの先生を呼んで指導してもらうことも考えましたが、私から話した方が恥ずかしがらずに聞いてくれると思いました。実際、みんな真剣に耳を傾けてくれました。次回は、男の子とも体について学ぶ時間を設けたいと思います。