地震発生後のシリアの現状
2月6日日本時間午前10時17分にトルコ・カフラマンマラシュ県を震源とするマグニチュード7.8の地震が発生しました。2月10日時点でトルコでは17,600人以上、シリアでは3,300人以上、合わせて死者20,900人以上という情報が出ています。
IVYでは、緊急支援チームを立ち上げ、シリア国内のパートナー団体と協力して2月8日より緊急支援を開始しています。
日本のメディアでは、トルコの現状が中心に報道され、トルコには多くの支援団体や救助チームが派遣されています。しかし、大きな被害を受けたシリア北西部には支援が届きにくく、多くの人が行き場を失っている状況です。
今回地震が起きたシリア北西部は国内の紛争から逃れるために避難してきた「国内避難民」を多く受け入れています。シリアは現在も政治的混乱の中にあり、国家からの支援が難しいという現状があります。また、シリア国内で活動するNGOなどの支援団体の数が少なく援助がごくわずかしか届いていません。今回の地震においても、人道支援の必要性がより高まっています。
シリア内戦勃発から12年が経ち、まだまだ内戦が続き、復興道半ばのシリアを大地震が襲いました。シリアは地震発生前から紛争下で、貧困状態であり、人々は苦しい生活を送っていました。UNOCHAによると、2022年には1460万人もの人々が人道支援を必要としており、2021年から120万人増え、その数は年々増えています。その約半数が支援を受けることさえできていません。そこに追い打ちをかけたのが、今回の大地震でした。
多くの家は耐震化されておらず、紛争の影響を受けており建物の倒壊が激しい状態です。現在、家を失った多くの人は、行き場がなく路上生活をしている状況です。また、食糧や水を買うことができない被災された方がたくさんいます。水・食糧・シェルター・医療の支援が必要であり、必要な緊急支援を行うには、皆様のご支援が必要です。
1人でも多くのシリアの人々に支援がいきわたりますように、ご協力お願いいたします。
(写真右)建設途中で放棄された建物を利用して、避難所の準備をしています
(写真中央・左)大地震により倒壊した建物
認定NPO法人 IVY(アイビー)の支援実績
1991年設立以来、カンボジアをはじめ、フィリピン、東ティモールで活動を展開。
2022年度は、ウクライナ・スロバキアでの難民支援、イラクでの難民・国内避難民・帰還民への教育支援、シリアでの新型コロナウイルスへの緊急支援・教育、職業訓練などの教育支援、バングラデシュでのロヒンギャ難民支援を行っています。また、国内では在住外国人支援、国際理解教育・環境教育を実施しています。
シリアでのIVYの事業実績
IVYは2021年9月からシリアでの支援を開始し、以下のようなプロジェクトを実施してきました。
職業訓練・識字教育プロジェクトの実施
学校再建プロジェクトの実施
病院再建プロジェクトの実施
新型コロナウイルス感染症の緊急支援プロジェクトの実施
給食提供プロジェクト
プロジェクト実施責任者・齊藤喬よりメッセージ
2022年9月にIVYに入職。現在、IVY・イラク事務所に駐在し、現地事業統括として、イラク・シリアの教育プロジェクトに従事。元気な子どもたちや先生、地域の人々に励まされながら、イラク・シリアの教育の質の向上を目指して事業を実施しています。この度の地震で被災された方々に一刻でも早く多くの支援が届くことを望んでいます。ご支援、よろしくお願いいたします。
ご支援の使い道
・医療、食糧・水、シェルター、防寒具の支援を実施します
・1000円で6食分の食糧・水を配布できます
・5000円で緊急用シェルターを配布できます
その他、現地のニーズに合わせて必要なものを被災者に配布します!