
9月8日発生したモロッコ中部地震
この地震はアトラス山脈を震源として発生しマグニチュード6.8を記録し、38万人以上が被災しました。人里離れた山間の村に影響を及ぼし、家屋が倒壊して移住を余儀なくされた人も多く、しかもこれから冬を迎えるので、事態は非常に深刻です。しかし、支援の多くは、都市のマラケシュから近く、アクセスの良いエリアに集中しており、山岳部の被災地にはほとんど支援が入っていないという事前情報がありました。これから冬が始まり徐々に気候が下がっていく前に、なにか私たちにできることはないか。その想いが、今回の調査のきっかけです。
被災地の様子
実際に山岳地帯の被災地を訪れると、標高は2200メートルを超え、気温は低く風は強く、真冬は60~80センチの雪が積もることがわかりました。そのような環境の中、被災した人々は地震で崩れかけた家に現在も住み続けていたり、発災直後に政府から支給された布製テントに住んでいる状況です。また、1つの布製テントを1か月以上近所の人とシェアして住んだり、強風で1日に何度も倒れるテントを立て直して暮らさなければならず、ストレスの強い状況で生活を送っています。




今後の支援について
過酷な状況下でも笑顔を忘れず、調査に来た私たちを温かく迎えてくれたモロッコの人々。山岳地帯に入る際、崖沿いの細い道を車で進む中、すれ違った人々がニコニコしながら手を振ってくれたことは忘れません。
私たちIVYは、イラクやシリアの難民・国内避難民の方々にプレハブ建設や建物の修繕をしたり、教育や心理社会的支援も行っています。また、今年2月6日に発生したトルコ・シリア地震では、クラウドファンディングを実施し緊急支援を行いました。その活動経験を活かし、発災直後から刻々と変わっていく支援のニーズを把握しながら、今のモロッコの人々に何ができるのかしっかりと見極め、来る冬に向かって喜んでいただける支援を届けることができればと思っています。