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JPFバングラデシュ東部水害被災者支援プログラム
2024年8月20日以降の豪雨とインド上流からの放水により、バングラデシュ東部で大規模な洪水が発生し、580万人もの人々が被災しました。これを受け、バングラデシュ国内各地で元々活動しているIVYをはじめとする日本のNGOが要請し、ジャパン・プラットフォーム(JPF)による緊急支援プログラムが立ち上がりました。
ノアカリ県の状況
IVYが今回支援先として決定したバングラデシュ南東部ノアカリ県は、今回の洪水で最も被害を受けた地域でありながら、支援団体が比較的少ないとされており、現地自治体から強い支援要請がありました。「最も取り残されがちな場所や人」に支援を届けるべく、ノアカリ県内でも、他の地域より貧困率が高いシェンバグ郡(人口310,871人)と、スラム街を抱えるノアカリ・シャダル郡(人口642,471人)を支援対象地に選定しました。
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被災者世帯の訪問調査に同行する現地事業統括(右から2人目)
支援活動開始
本事業では、全1,700世帯を対象に、簡易シェルターの建設支援と、井戸の修理、水衛生キットの配布を行ないました。
まだ水が引かない・・・
事業開始後、まず対象世帯調査を行ないました。例年であれば雨季が終わっているはずの10月に入っても降雨が続き、ひどいところでは腰の高さまで浸水している場所も。道路も冠水しているため、時には舟を出動させたり、地元の方が設置した丸太や竹の橋を渡ったりしながらの移動となり、調査活動は困難を極めました。
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現地スタッフ
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手すりがあっても怖い(事業統括・近藤)
被災住民の状況
前述のとおり、水の引きが遅かったことで、汚染された水が留まり続け、皮膚炎が蔓延していました。倒壊寸前の家屋に暮らしている方も多く、一時はベッドの高さまで水が流れ込んで黴臭くなった寝具をそのまま使っているなど、被災者の住環境は劣悪な状態にありました。
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現地事業統括(右)
1700世帯に支援物資を配布!
対象者選定を終えると、資材調達・配布準備に奔走し、10月下旬より順次資材配布を開始しました。11月中旬になり、やっと!1700世帯の対象者全員にシェルター資材、浄水タブレット、経口補水液などの配布を終えることができました。
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スタッフ(左)が念入りにチェックしてから
支援物資を配布
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日よけテントの下で配布を待つ被災者の方々
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支援物資を世帯ごとに小分けにする作業も大変!
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気を付けて運んでいます
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壊れた井戸50か所の修理も完了!
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手押しポンプ本体が喪失してしまった
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割れてボロボロに
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子どもたちにも笑顔が戻る
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生活の様々な場面で利用される
支援活動を終えて
8月中旬の洪水により、家屋の水没、家財道具の流出、井戸水の汚染、電気の遮断など、生活基盤が壊滅的な被害を受けたほか、家畜が流されたり農地が大きな損害を受けるなど、生計手段も奪われてしまった、ノアカリ県の被災住民の方々。
3か月を経て、支援事業により1700世帯の被災家族が安心して過ごせる住環境と、安全な水へのアクセスを取り戻しました。
事業による支援は、生活再建へ向けたわずかな一歩に過ぎませんが、被災した方々の最低限のニーズが守られることに貢献しました。
IVYは、これからも「最も取り残されがちな場所や人」に支援を届けるべく、様々な国や地域で支援活動を届けてまいります。