活動・団体の紹介
女児のみが入所する児童自立支援施設【横浜家庭学園】で生活する子ども達は、何らかの理由により親元から離れて暮らしています。入所に至る理由は様々で子供一人ひとり異なります。
子どもたちの様々気持ちを職員が受け止め寄り添いながら、規則正しい生活習慣や施設内で行われる様々なプログラムや経験を経て、本人たちが今までの生活の中で獲得した「生き延びるためのクセ」や「考え方の偏り」を本人たちのペースで整理し、新たな価値観を獲得していきます。
早ければ中学生年齢、遅くとも18歳で当園から退園します。退園後はおうちに帰る子もいれば別の施設や里親さんのもとで暮らす子、そのまま自立生活を送る子もいます。当園を巣立ち、社会に出ていく時に少しでも自分の力で生きていけるよう、【自立のための支援】にも力をいれています。
当園の歴史・今日に至るまで
当園の歴史は古く、創立は明治後期(1906年)にまでさかのぼります。
創立のきっかけは、現職の刑務所長だった有馬四朗助(当法人設立者)が刑務所に入ってくる受刑者との関わりを通じて、「人は生来良くありたいと思う(生まれながらにして悪い人はいない、特に子どもにとっては環境が大切である」という考えに至り、私財を投じて施設を造られたとされています。
明治の創設期、大正・昭和・戦後の法改正、平成の法改正を経て、【感化院】という名称から始まり現在は【児童自立支援施設】と呼ばれます。
刑務所出所者の自立を支える施設として明治の時代にスタートした当施設は、時代の変化に伴い、昭和・平成中期頃までは非行系の児童が多く入所しましたが、現在では虐待や不適切な養育環境の影響を受け、精神的な傷つきのある子や感情のコントロールが難しい子など、様々な児童を受入れています。
当園の生活
当園の生活は、一般の家庭での暮らしと比べると「質素」と感じられるかもしれません。
子どもたちは基本的に5~8名程度の寮での共同生活を送っており、平日の起床時間は6時半。
学校は敷地内の教育棟へ行き、毎日6コマの授業を受けます。敷地外へ出掛けることは用事が無ければ行くことはなく、携帯電話は持たず、タイミングも一般家庭のお子さんのように自由にお金を使うタイミングは無く、買い物プログラム等に限られています。
こうした、質素とも感じられる生活環境と規則正しい生活の中で支援スタッフや一緒に暮らす仲間と同じ時間を過ごす中で、子どもたちは自分たちのペースで自らを見つめ、入所に至るまでの経緯の中で獲得した自分の傷つけずにはいられない気持ちや、過ちや失敗も素直に打ち明けることで少しずつ自分自身を承認出来るようになっていきます。
代表者(園長)メッセージ
社会福祉法人幼年保護会・横浜家庭学園は、創設者有馬四郎助の掲げた「勤勉・独立・共同・正直・清潔」という5大主義の下、「環境の調整」「心身の強健と情操の陶冶」「悪癖の矯正と除去」を指導目標として歩んできた施設です。その思いは、創立から100余年を過ぎた今でも変わることなく受け継がれており、これからも大切に引き継いでいかなければならない精神であると考えています。
昨今当園に入園してくる児童は、被虐待等により心に深い傷を持っている子どもや、生きづらさ等により社会の中で苦しんでいる子どもなどさまざまです。横浜家庭学園は、そのような子ども達と真剣に向き合い、寄り添って、一人ひとりの子どもたちが未来に向かって健やかに成長していけるよう、これからもたゆまぬ努力をしてまいります。
社会福祉法人 幼年保護会 横浜家庭学園園長 田辺 有二
寄付金の使い道について
〇退園生に対する支援
退園後自立して生計を立てている者が、様々な理由により、生活が困窮した時の経済的支援。退園生が、生活を向上させていくための資格取得・進学等に必要な資金援助。
〇在園生(高3生等)に対する進学準備資金支援
在籍する高3生等が、卒業後の進路として、進学を希望した場合の初年度納入金の補助としての使途。
〇在園生の生活をより豊かにするための使途(予算配分が難しい物品の購入等)
〇大型遊具・大型備品等の購入
〇宿泊旅行・外食・遊園地等への外出行事の費用補助
〇大規模・中規模修繕費用として