JHP・学校をつくる会とは
JHPは、アジアの子どもたち・若者ひとりひとりの「学びたい」という想いに寄り添い、
未来へつなぐ国際協力NGOです。
1993年の設立以来、カンボジアを中心に、学校建設、音楽・美術教育、識字教育などの
教育支援を通して、“誰もが学びに出会える場” を届けてきました。
カンボジアの芸術教育の課題
芸術教育を担う“人材”の圧倒的不足
カンボジアでは、内戦期に多くの芸術家や教員が失われ、今も伝統文化や芸術を教えるための人材が不足しています。そのため、これまで芸術教育を受けた経験がない教員にとって、芸術教科を指導することは難しく、「模写」や「楽器名の暗記」などの指導にとどまっています。

教材やカリキュラムの整備不足
内戦後は国語・算数が重視され、音楽・美術は長い間、社会科の一部でした。独立教科となり授業が週1で制度化された今も、二部制により授業時間が確保しにくく、芸術教育にかける時間は日本の約12%に対しわずか約2%。独立教科となっても教科書や指導書のカリキュラムが整備されていないのが現状です。

芸術教育定着に向けた仕組みの欠如
質の高い芸術教育を広く根付かせるための人材育成の仕組みが整っておらず、指導者が不足しています。 芸術教育が「技術を教える時間」と捉えられ、現場で子どもの創造力や思考力を育むという本来の価値が十分理解されていないことも課題です。

活動紹介
「音楽や美術に言葉の壁は関係ない」そんな思いから芸術教育支援が始まりました。
芸術教育は「知識や技術を学ぶ時間」ではなく、子どもたちの想像力・表現力・文化理解など「豊かな心」を育むと信じています。 カンボジアの子どもたちが音楽や美術の楽しさを知り、 質の高い芸術教育を受けられる環境づくりを目指して、段階的な支援を行っています。

人材育成と教材開発を通じた芸術教育の環境づくり
第1フェーズ:カンボジアの子どもたちに音楽・美術にふれる楽しさを(1995~2015)
美術94校、音楽152校でプロジェクトを実施。 中古楽器2,092台を寄贈し、教師育成研修や音楽コンテスト、絵画展を開催しました。
第2フェーズ:教材開発と人材育成の基盤づくり(2016~2022)
JICA草の根事業として、教育省と協働で芸術教育を支援。教員指導員(ナショナルトレーナー) 8名を育成し、1〜6年生の教科書・指導書の第1版が完成しました。 また、タケオ州でのパイロット事業を通じ、4校の教員合計24名が芸術教科を教えることができるようになり、1,000人以上の生徒達が芸術教育を受けることができるようになりました。

第3フェーズ:全国普及に向けた体制構築(2024~2027)
「芸術教育普及体制構築事業」として、芸術教育がカンボジア全土の公立小学校に広がることを目指して、3年間で人材育成と普及の基盤づくりを強化しています。1都3州の教員養成大学と連携し、新たにナショナルトレーナー10名を育成中。教材の改訂と全国普及計画の策定を進めています。
アートプロジェクトの実施
ローラさん(モデル/タレント)のご支援により、2015年からJHPがCCH学校で実施しているアート表現活動。
子どもたちが自己表現し、仲間と協力する力を育むことを目標に、チームで協働し作りあげる立体作品や絵画作品の制作、 鍵盤ハーモニカ合奏・歌、栄養指導などを行っています。 日頃の活動の成果は、年に一度のアートフェスティバルで披露され、 作品展示や音楽、演劇を通して地域の方々と分かち合っています。

物資(画材/楽器)の提供支援
日本国内で寄せられた鍵盤ハーモニカ4,560台を清掃・現地へ寄贈し、カンボジアの学校での音楽授業に活用しています。教育省教員養 成局と連携して、全州の25教員養成学校へ合計2,092台の鍵盤ハーモニカを寄贈しました。
また、支援者様のご支援で画材を毎年提供しています。
※2026年現在は輸送手段がないため、鍵盤ハーモニカの寄贈活動は行っておりません。

活動実績
これまでに芸術教育を受けた児童1,000名 以上
これまでに芸術教育の研修を受けた教員1,980名 以上
芸術教育の指導力をもつ、ナショナルトレーナー※として育成されている教員20名
※教員指導員
鍵盤ハーモニカ(中古)現地寄贈4,560台
支援を受けた現地の先生/生徒の声
研修を通して、芸術教育が子どもの創造力や考える力を育てる重要な教科であることを実感しました。描画・工作・鑑賞の役割の違い、黒板の使い方や指導法、実演の大切さなど、多くの学びが授業改善につながっています。得た知識を学校に持ち帰り、より良い芸術教育を広げていきたいです。 【バッタンバン教員養成大学 音楽科教員 ピアップ・ソピア先生】

音楽の授業はまだ数カ月しか習っていないけれど、毎回とてもワクワクします。 カンボジアの伝統の歌をみんなで歌う時間がいちばん好きです。 楽器の弾き方を覚えていくのも嬉しくて、いつか上手に演奏できるようになりたいです。 【ラティアさん(11歳)】

寄付金の使い道について
皆さまからのご支援は、カンボジアの子どもたちが音楽・美術の楽しさを知り、豊かな心や感性を育める教育を届けるために大切に使わせていただきます。
皆さまの温かいご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

