J.POSHからのメッセージ
2023年2月に設立21周年を迎えた私たち認定NPO法人J.POSH(ジャパン ピンクリボン オブ スマイル アンド ハピネス)は≪受けよう乳がん検査 乳がん早期発見で笑顔の暮らし≫を合言葉に、「乳がんで悲しむ人を1人でも少なく」を念頭に置き、次なる30周年、40周年を見据えてさらに充実したピンクリボン活動に取り組んでおり、下記に記載した『すべての女性』、『患者の皆さま』、『患者家族の皆さま』に向けた様々な活動を展開しております。
こうした活動を推進していけるのも、皆様の温かいご支援のお陰と心から感謝申し上げます。
J.POSHは「行政の手の届かぬところを補う」というNPOの役割を果たすべく、乳がんについての啓発活動だけでなく、乳がんに起因する困難に対して目を向け、各種助成金、奨学金の提供など、直接資金提供する独自のプログラムを立ち上げて実行してまいりました。
しかしながらここにきて、長引くコロナ禍に加え、諸物価の高騰といった社会状況の変化がNPO法人運営に厳しさを増してきておりますのも否定できない事実であります。ですが、私たちはこれまでの各プログラムの持続とさらなる発展はJ.POSHに課せられた使命ととらえています。
この使命を遂行するための安定した収入基盤を確保したいという思いから、新たに【マンスリーサポーター(月々のご寄付)】などを導入し、より多くの皆様からのご支援を頂けるように出来ればと考えております。
J.POSHの活動について
2022年の主な活動実績を紹介いたします
全ての女性に対する活動
JMSプログラム
平日に乳がん検診を受けにくい女性のため、全国の医療機関に呼びかけて毎年10月第三日曜日に乳がん検診を実施していただくJ.M.S(ジャパン マンモグラフィ サンデー)プログラムの推進があります。2009年度に全国で218の医療機関の賛同を得て初めて実施。その後賛同機関は増え2022年度は406の医療機関で実施されるようになりました。
自己触診啓発ティッシュ配りキャンペーン
J.POSHが作製した自己触診の方法を説明するポケットティッシュを提供し、ピンクリボン団体や患者会、さらには自治体や病院で配布して頂くプログラムです。2019年には314団体に30万個を提供しましたが、2020年、2021年は配布という事が難しく、イベントも少なかったため200団体程への提供となっており、2022年は少し回復し、269団体に192000個の提供となりました。
啓発物の無償提供、貸出し
啓発リーフレット・ポスターの無償提供、啓発パネル・触診モデルの無償貸出を行っています。
ピンクリボン団体を初め、全国の自治体や企業の健康関連の部署等からご要望があり、特に触診モデルの体験は好評のようです。啓発リーフレットは、22年春にはブレストアウェアネスについての説明も入れた物に改訂しました。今後はブレストアウェアネスの啓発に力を注ぎます。
患者の皆さまへの活動
ピンクリボン啓発活動助成金
2020年、2021年はコロナ禍により、患者会活動やイベントは縮小傾向でしたが、2022年からは“with corona”に皆が慣れていく必要を感じ、少しづつ活動が再開されていきました。それぞれの活動資金として一律5万円を40団体に助成致しました。
シッターサポートプログラム
乳幼児を育てながら乳がんの抗がん剤治療、放射線治療を受けておられるママさんが、治療に際し、一時的に保育を依頼する為にかかる費用の一部を補助するプログラムです。育児とご自身の治療に困難を感じておられるママさん達からは大変感謝され、「更なる治療にお金もかかる事から、治療の断念も考えましたが、応援頂き、治療を受ける事にしました」とのお手紙を頂きました。2022年一年間の受給者はのべ44名でしたが、もっと広報が必要と感じております。
ピンクリボン温泉ネットワーク
認定NPO法人J.POSHでは、専用入浴着で入浴できる温泉施設のネットワークを設けました。全国の温泉地の旅館、ホテルに専用入浴着を常備した「ピンクリボン温泉ネットワークパートナー」として参加いただき、乳がん手術経験者の方が傷あとを気にせずに、その家族や友人と大浴場で入浴できる環境作りへの取り組みです。
2020年3月より6月末まで温泉ネットワーク参加施設を増やすために、先着30施設様にバスタイムカバーを無償提供するキャンペーンを行い、JKK(女性経営者の会)の協力も得て温泉ネットワークへの参加施設を増やすことができました。
家族の皆さまへの活動
奨学金まなび
乳がんに罹患された保護者をもつ高校生に対して、年間12万円(返済不要)を支給する奨学金制度。通常年は75名への支給ですが、2021年、2022年は「コロナ禍特別増員」として10名増の85名としており、23年度もまだ増員のままで募集いたします。また、卒業生への一律5万円の特別給付も、4年連続となる支給を行います。
家族で湯ったりキャンペーン
ピンクリボン温泉ネットワークに登録頂いている宿泊施設様のご協力のもと、乳がん手術を受けられた方とそのご家族を、抽選で宿泊のご招待をするキャンペーンです。手術後、諦めていた温泉旅行にチャレンジする為に応募しましたと言う方も多く、当選はしなくても「温泉に行っても良いのですね?このようなキャンペーンがある事が嬉しいです」と、応募時に書いておられる方も少なくないです。22年度も、26家族様(参加家族合計79名)をご招待しております。
ピンクリボン啓発グッズの制作・頒布
オリジナル啓発グッズを作成し、領布を行っています。啓発グッズを身に着けて頂くことを通じてピンクリボン運動を多くの方々に拡げて頂けたらと願っています。
収益の全ては「ピンクリボン基金」「奨学金まなび基金」として啓発活動や支援活動に活用させて頂いております。
現在は、ピンバッチ、ハンドタオル、ステッカー等々約40種類を販売しております。また、啓発グッズの中には、乳がん患者さんを支援するためにJ.POSHが企画して提供するバスタイムカバーやバスタイムショールや啓発活動を助けるための「乳がん触診ミニモデル」など、一般には商品化が難しいものも企画・制作しております。1個から発送しますので、ご希望の方は、FAXまたはホームページ(啓発グッズ)、ピンクリボングッズパーク(https://goods.j-posh.com/)からお申込み下さい。
患者会支援「ハートシェアリングプログラム」
患者会活動に対する経済的支援になればと考え、患者会の集会や活動の一環として参加されるイベントの会場などに於いて、J.POSHのピンクリボン啓発グッズの頒布協力を実施して頂いた場合、啓発グッズの頒布総額の30%を返金させて頂くプログラム「患者会ハートシェアリングプログラム」を2009年度より実施しています。
■対象団体とその活動:
乳がんを体験した方たちにより運営されているサポート活動(活動の規模は問いません)
■助成金額:
啓発グッズの頒布総額の30%相当額
ブレストアウェアネスとは
ブレストアウェアネス(Breast Awareness)は、乳房の健康と関連する自己認識と情報の理解を指す用語です。この概念は、乳がんの早期発見と予防に焦点を当てています。
ブレストアウェアネスの主な目的は、女性が自分の乳房に関する正常な変化や異常を認識し、必要な場合には早期に医療専門家の診察を受けることです。これにより、乳がんの早期発見と治療の可能性が高まります。
ブレストアウェアネスは、以下の要素から成り立っています。
- 自己認識(Self-awareness): 自分の乳房の通常の外観、触感、サイズ、形状についての理解を持つことです。これには、鏡を使用して視覚的な変化を確認することや、定期的な自己検査(セルフチェック)を行うことが含まれます。
- 症状の認識(Symptom recognition): 乳房に関連する異常な変化や症状(例:しこり、皮膚の変化、乳首からの分泌物)を認識することです。これらの変化が起きた場合、早急に医療専門家に相談する必要があります。
- 情報の理解(Information understanding): 乳がんやその他の乳房の問題について正しい情報を得ることが重要です。これには、乳がんのリスク要因、スクリーニング法、自己検査の方法、早期発見の重要性などについての知識が含まれます。
ブレストアウェアネスは、定期的な乳房の自己検査や医師の定期的な乳房検診と組み合わせることで、乳がんの早期発見と治療の成功率を向上させることが期待されます。
寄付金の使い道について
- 「奨学金まなび」として奨学生への経済的な支援
- J.M.S(10月の第3日曜日にマンモグラフィー検査を受診)への参加を全国の医療機関に依頼、広報ポスター・H.Pの作成と実施者・医療機関へのアンケート集計と公表
- 啓発ポスターの制作と無償提供(数量限定)
- 自己検診啓発リーフレットの作成と無償提供(数量限定)
- 啓発パネルの制作と無償貸出
- 「自己検診啓発ティッシュ配りキャンペーン」として自己検診啓発ティッシュを無償提供
- 「家族で湯ったりキャンペーン」の実施
- 専用入浴着推進プロジェクトの発足と推進ステッカーとポスターを無償提供
- 「ピンクリボン啓発活動助成金」として乳がん患者会へ助成金による支援
- 「シッターサポートプログラム」として乳幼児を養育中で抗がん剤治療中のお母様へ、お子様の一時保育費用を補助