活動概要
片桐はいりさん、安藤玉恵さんのWキャストによる一人芝居を、見えない、見えにくい方、聞こえにくい方に届ける鑑賞サポートを実施しました。
見えない、見えにくい方には、舞台の様子を解説する音声ガイドと開演前の舞台説明会を、聞こえにくい方にはヒアリングループ(難聴の方の聞こえを支援する設備)の席を設けました。
音声ガイドは、楽屋で舞台の様子をモニターで確認しながらリアルタイムで行い、お客さまはお貸出しするワイヤレスガイド機のイヤホンでガイドを聞きながら鑑賞します。今回は、最新技術のイヤホンを新規購入。耳を塞がないイヤホンなので、役者のセリフや舞台上の音を聞きながら、イヤホンから流れてくるガイドの声も聞くことができ、そして音漏れしないという優れものです。
そして、開演前には舞台模型や実際に使われるパペットやお人形を触っていただきながらの舞台説明会を実施しました。演出家の小山さんからどんなイメージで舞台を作ったかも含めてお話しを聞くことができる回もありました。
ヒアリングループは、私たちが持っているポータブル型のタイプなのでどこへでも設置できるもので設置は簡単なのです。しかし舞台の音を集音し調整する必要があり、音声ガイドもですが、音響チームの力が必要で、劇場スタッフみんなの技術がつまった鑑賞サポートとなりました。
スプーンフェイスの物語に感動するお客さまをお送りしながら、こうしたサポートをもっと多く実施できるようにしなければと感じた今回の取組みでした。
<音声ガイド・開演前舞台説明会>
2月23日(金・祝)13:30安藤玉恵回、17:00片桐はいり回
<ヒアリングループ>
3月2日(土) 13:30片桐はいり回、13:30安藤玉恵回
活動実績
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ』(作:リー・ホール 翻訳:常田景子 演出:小山ゆうな)
公演日程:2月16日(金)~3月3日(日)
会場:大スタジオ
<音声ガイド・開演前舞台説明会>
13:30の回 2名(当事者の方1名+ご家族1名)
17:00の回 3名(当事者の方2名+同行の方1名)
<ヒアリングループ>
13:30の回 0名(お申込みの方が当日キャンセル)
鑑賞サポートご利用の方のアンケートから
・胸がいっぱい、素晴らしかった。
・スプーンフェイスがなんて賢く、なんて感性が豊かなんでしょう。
・事前説明会で説明していただいたので、舞台の様子がよくわかった。
・模型が大きくて素材も触ってわかることができたので、上演中もイメージしやすかった。
・音声ガイドをつけるときは、いつも周りの音が聞こえるように片耳で使用することがほとんどだったが、 今回のイヤホンであれば、両方つけることができた。
・受信機が軽く、操作も簡単だった。
・耳をふさがないイヤホンがストレスなくてとてもよかった。研究したい。
・耳をふさぎたくないと思った。俳優の動きがすごくわかった。
・音声ガイドが途中で音量が難しいところがあった。場面ごとに手元で音量調節していた。 きっとなにかいい方法があるはず。もっと研究してほしい。
・セリフが多いので、あまりガイドをいれないのだなと思った(好意的な印象)