公益財団法人神奈川芸術文化財団

KAAT神奈川芸術劇場へのご寄付をお願いします

KAAT神奈川芸術劇場は、2011年、モノをつくる(芸術の創造)、人をつくる(人材の育成)、まちをつくる(賑わいの創出)の「3つのつくる」をミッションとする創造型劇場として開館しました。以来、皆様により豊かに生きる力をお届けすることが出来るよう、芸術文化の創造発信とそれを担う人材の育成に取り組んでいます。 2021年4月からは、劇作家・演出家・俳優の長塚圭史を芸術監督に迎え、演劇やダンスのファンの皆さんはもちろん、まだ劇場を訪れたことがない皆様にも足を運んでいただけるような“ひらかれた劇場”を目指し、3つの柱のもと、劇場を運営しています。
2024-09-02 10:58
聴覚障がい・視覚障がいの方に向けた鑑賞サポートの提供
沖縄在住の若手劇作家・兼島拓也が書き下ろし、沖縄に出自を持つ田中麻衣子が演出を手掛け、沖縄本土復帰50年となった2022年12月にKAATで上演された『ライカムで待っとく』が、待望の再演となりました。 今回は、きこえない・きこえにくい方を対象に、ポータブル字幕タブレットや上演台本の事前貸出し、ろう者である金子真美(以下、説明者)の手話による事前説明会、受付での手話、筆談対応を行いました。

活動概要

『ライカムで待っとく』では、きこえない・きこえにくい方がこの作品を楽しんでいただけるように、ポータブル字幕タブレットや上演台本の事前貸出し、説明者の手話による事前説明会、受付での手話、筆談対応を行いました。
タブレットでご覧いただく字幕は、セリフを文字で伝えるだけではなく、劇中の音や雰囲気をマンガの擬音・擬態語風に描写し、それ自体が表現として楽しんでいただけるものとなっています。
鑑賞サポートで使用する機器の説明や、作品をより楽しめるように登場人物の相関や物語のあらすじの紹介などを行う事前説明会も開催しました。ご自身がろう者である説明者が「鑑賞前に知っていたら、もっと作品を楽しめる」と感じた内容を盛り込んだ説明をしています。説明者の手話を手話通訳士が読み取って日本語音声に、そしてその音声をAI音声認識でモニターに字幕表示にすることで、手話が必要な方も、音声で情報を受け取る方も、文字情報が最適な方も、一緒に参加できる説明会です。(写真1参照)
作品によって実施するサポートのかたちは様々ですが、少しずつ鑑賞サポートを取り入れる作品の数が増えてきています。その一方で、なかなか利用に結びつかない状況もあるので、こうした取り組みを実施していることが必要な方に届くようにお知らせすることが重要だと感じています。より多くの方に劇場の客席で舞台を楽しんでいただけるよう、県内の様々な団体のみなさんと協力しながら取り組んでまいります。

手話による説明と同時に、手話通訳とAI音声認識による字幕表示も用いた事前説明会の様子。説明者が二つのモニター(メインと字幕用)の横に立って手話で説明。字幕用モニターには手話通訳士が読み取り翻訳した音声をAI認識し、字幕化して表示している。
手話と、手話通訳のAI音声認識による字幕を用いた事前説明会の様子。モニター横では説明者が手話による説明を行い、2つあるモニターのうち左側には手話通訳士が同時通訳した日本語音声が、AI音声認識によって字幕化して流れる仕組み。

活動実績

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』(作:兼島拓也 演出:田中麻衣子)
公演日程:2024年5月24日(金)~6月2日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
鑑賞サポート実施公演:5月29日(水)14:00 / 30日(木)19:00
29日:のべ11名(事前説明会ご参加8名、字幕タブレットご利用2名、台本貸出1名)
30日:のべ14名(事前説明会ご参加10名、字幕タブレットご利用4名)

鑑賞サポートご利用の方のアンケートから

・字幕表現の字幕サポートがもっと色々な劇場や作品に広がるといいなと感じました。
・誰もが知るメジャーな作品にもサポートをつけて欲しい。
・事前に字幕の表示のされ方やタブレットの扱いを知れたので、安心して観劇できた。
・登場人物をあらかじめ把握しておくことで、劇が始まってすぐに状況を理解できた。

団体情報
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