活動概要
『ライカムで待っとく』では、きこえない・きこえにくい方がこの作品を楽しんでいただけるように、ポータブル字幕タブレットや上演台本の事前貸出し、説明者の手話による事前説明会、受付での手話、筆談対応を行いました。
タブレットでご覧いただく字幕は、セリフを文字で伝えるだけではなく、劇中の音や雰囲気をマンガの擬音・擬態語風に描写し、それ自体が表現として楽しんでいただけるものとなっています。
鑑賞サポートで使用する機器の説明や、作品をより楽しめるように登場人物の相関や物語のあらすじの紹介などを行う事前説明会も開催しました。ご自身がろう者である説明者が「鑑賞前に知っていたら、もっと作品を楽しめる」と感じた内容を盛り込んだ説明をしています。説明者の手話を手話通訳士が読み取って日本語音声に、そしてその音声をAI音声認識でモニターに字幕表示にすることで、手話が必要な方も、音声で情報を受け取る方も、文字情報が最適な方も、一緒に参加できる説明会です。(写真1参照)
作品によって実施するサポートのかたちは様々ですが、少しずつ鑑賞サポートを取り入れる作品の数が増えてきています。その一方で、なかなか利用に結びつかない状況もあるので、こうした取り組みを実施していることが必要な方に届くようにお知らせすることが重要だと感じています。より多くの方に劇場の客席で舞台を楽しんでいただけるよう、県内の様々な団体のみなさんと協力しながら取り組んでまいります。
活動実績
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』(作:兼島拓也 演出:田中麻衣子)
公演日程:2024年5月24日(金)~6月2日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
鑑賞サポート実施公演:5月29日(水)14:00 / 30日(木)19:00
29日:のべ11名(事前説明会ご参加8名、字幕タブレットご利用2名、台本貸出1名)
30日:のべ14名(事前説明会ご参加10名、字幕タブレットご利用4名)
鑑賞サポートご利用の方のアンケートから
・字幕表現の字幕サポートがもっと色々な劇場や作品に広がるといいなと感じました。
・誰もが知るメジャーな作品にもサポートをつけて欲しい。
・事前に字幕の表示のされ方やタブレットの扱いを知れたので、安心して観劇できた。
・登場人物をあらかじめ把握しておくことで、劇が始まってすぐに状況を理解できた。