恋や愛や性に関心を持つことを否定されてしまう人たちがいる
「障がい者には性欲ってないんじゃないの?」
実際に今まで何度も耳にしたことがある言葉です。
と、言うより。
多くの人は、そのことについて考えたこともないというのが正直なところではないでしょうか…。
しかし福祉関係者の場合は、割とよく直面する問題です。そうつまり
障がい者の性の「問題」
ととらえられてきたということです。
もし障がいのある方が誰かを好きになった場合、支援の現場で実際にどういうことが起きがちかというと
相手のパーソナルエリアに入ってはいけません
手をにぎったりしたら相手がびっくりするからね
相手は嫌がってるからね、もうやめましょう
特に教育の世界では、障がい者の性の問題は「被害者にならない・加害者にならないためには」ということを教えてくることが主流でした。福祉の世界でもそれは同様であり、いつも話題になる時は決まって
異性に興味を持ち始めて困っているんです
母親の胸を触ってきて気持ち悪い
同じ施設の利用者に抱きつきに行くので今、大問題になっていて
という話ばかりです。
一人のヒトとしての、「誰かを愛し・愛されたい」「好きな人に触れたい、結びつきを持ちたい」という想いを実現していいよ…とは、ほとんど誰も言ってきてはくれなかったわけです。
でも障がいはあっても性欲を持つ人は当然いて、中にはその欲求が強い方もいます。
障がいのある・なしに関わらず、それは同じです。
しかし障がいのある方の場合は、パートナーを作ることや、性的な欲求を満たす行為を周りに止められ、そういう欲求や感情は「抑える・おさめる・鎮静化させる」方向に持っていかれ、性的なことを言わなくなった、しなくなった、そうしたら
周りはホッとする
そういうことが繰り返されてきました。
クラウドファンディング主催者である「輝き製作所」の想い
こちらのページにお越し頂きありがとうございます。一般社団法人 輝き製作所の所長の小西理恵です。
輝き製作所では、「障がいと性」に関する活動をしております。
どんな心や身体をもつ人にも、あたりまえの欲求。
お一人お一人のお気持ちをお伺いしながら、性に関するサービスのご提案をさせて頂いております。
活動を始めて間もなく、岡山県倉敷市で活動をされている福祉に携わる皆さんのコミュニティにお声掛けを頂き、こちらの地域での「障がいのある方の性」についての支援の環境を一緒に作ることになりました。
そちらのコミュニティの中心となっているのが
障がい福祉の支援者であり、オンラインサロンを通じて倉敷の福祉を盛り上げていらっしゃる佐藤将一さん。
そして、障がいのあるお子さんを持つご家族への支援をしていらっしゃる「認定NPO法人 ペアレント・サポート すてっぷ」の安藤希代子さん。
今回のプロジェクトの名前は、「輝き製作所」と「すてっぷ」を掛け合わせて
「輝きのすてっぷ」
と名前を付けさせて頂きました。
性にまつわるタブーに目を向けて、支援の風土やインフラを生み出していくことで
当事者の方の人生が輝くすてっぷになる事ができたら…。
という想いを込めました。
このソーシャルアクションについて、佐藤さんや安藤さんを始めとした岡山のチームの皆さんのお話をお伺いした時、私もその主旨に強く共感しました。
私はかねてより、日本全国で障がいのある方々の性をサポートする取り組みを勧められるよう、各地域に想いを共にしてくれる仲間を作っていきたいと思っておりました。
佐藤さんと安藤さんのお二人は、私が輝き製作所を始める以前から、障がいのある方々やご家族や支援者さんに向けて手厚いサポートの活動をされている方々です。
私はお二人の姿勢に心から感動するとともに、この岡山でのプロジェクトに私が関わることは、日本各地で、障がい者の性を前に進めていくことにつながるのではないかと考えたのです。
このプロジェクトによって「障がいと性」についての現状を明確にできる事が、輝き製作所の活動にとっても大きな一歩となる事を私は信じています。
是非、皆さんのお力をお貸し頂きたいです。
どうか、お一人お一人の思いが形となって、輝くすてっぷへと繋がりますように。
「これ、本当に今の日本の話?」知ってしまったショッキングな事実
(ちょっとショッキングな内容なので苦手な方は飛ばしてください)
…
…
私たちが知ってしまったこと。それは、障がいのある我が子が性犯罪に走らないようにと、自分の身を差し出しているご家族がいるということなのです。
他の人に迷惑をかけないように
それしか方法がなかった
もちろん、望んでしているわけではないです。そんなことは全く無い。
でも、誰も助けてくれないから、こうするしかない。
だって誰にこんな話、できます?
言えないでしょう
私たちが知っているケースは恐らく氷山の一角。
人知れず苦しむ人たちが、きっと日本のあちこちにいる。
みんなが無関心、みんなが考えない、みんなが目をそらす、…
そういうことの結果として、見えないところで黙って、耐えている人たちがいる。
「性欲があるなんて無かったことに」されてきたことの末が、こうした犠牲です。
本人も家族も、両方とも不幸です。
周囲が無関心でいること、見て見ぬふりをすることは、それだけで、間接的加害者になってしまっているということなのです。
なぜ、障がい者の性欲は「なかったこと」にされてきたのか
このプロジェクトが始まる前に、岡山で支援者チームによるミーティングが何度も開かれ、その都度、何時間も話し合いました。
そこでわかったことは
なんとかしてあげたくても自分(支援者)一人じゃどうしていいかわからないから
子どもでもできてしまったら、責任が持てないから
実は支援者のほとんどは、「そりゃ障がいあったって性欲持つでしょ」と思っているのです。
けれど、自分だけだと、どうサポートしていいかもわからない。ご家族に対しても何も保証できない。だから「とりあえず落ち着かせよう」という方向になっていってしまっていた…ということ。
でも、愛や性欲を否定された障がい当事者の方たちは、「どうせ止められるから」と支援者や家族に相談することをやめてしまい、隠れてお付き合いをし、結果的に望まぬ妊娠をしてしまう…などということが起きていました。
そこで出た結論は、こうです。
つまり必要なのは、支援者にとっても、「障がい者の性について気軽に相談できる環境」なんじゃない?
岡山では昨年より「障がい者のための婚活支援」という取り組みをして、障がい者の方の恋愛のサポートをしています。
どんな服装や髪型だとお相手に好感を持ってもらえるの?
どうしたら会話を楽しく続けることができるの?
婚活支援の取り組みを始めて1年。カップルが何組か生まれてきました。
そのうちの一人の男性が言いました。
婚活のセミナーに行って僕は変わった。前はどこに行ったら出会いがあるかわからなかった
セミナーに行くようになって、そして8月に初めて自分の気持ちを自分から言えた
婚活セミナー良かったです!最高でした
カップル成立したあとも、LINEでのコミュニケ―ションの取り方について、デートの行先について…なにかと相談してきてくれる彼。応援してもらえる環境なら、どんどん相談してくれるのです。
恋人関係になったのなら、やはり「その先」があります。いずれは結婚するかもしれません。
その時、相談する相手がいるかどうか?
それは、障がい当事者同士のカップルの未来が、幸せなものになるかどうかの分かれ道です。
つまり支援者にも、障がい当事者にとっても、必要なのは「フランクに相談できる環境」だということなのです。
私たちは、応援したい。
恋も愛も性も、すべてが幸せなものとして扱われるように、人としての当たり前をつかめるように。
応援するために、恋について愛について、そして性について、当たり前に話すことができ、相談することができる状況を作っていきたいのです。
「障がい者の性について当たり前に語ろう」“輝きのすてっぷ”プロジェクトの具体的な内容
このプロジェクトの骨子は以下のようなものです。
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実態とニーズを冊子の形にまとめることで「多くの人に知ってもらう」
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障がい者の性に関する各種イベントをすることで「フランクに語り相談できる空気づくりをする」
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プロジェクト終了後も継続する障がい者福祉情報のポータルサイトを作ることで「相談できる環境を作り継続する」
このプロジェクトは主には以下の3者で共に進めていきます。他に地域の大学や3者に既につながっていてくださる多くの方のご協力をいただきながら、ムーブメントを作っていきます。
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大阪で「障がい者の性」にとことん寄り添う活動を展開する一般社団法人「輝き製作所」
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岡山県倉敷市で様々な当事者や支援者向けのソーシャルアクションを進行する福祉人のオンラインサロン「ふくし会社margin」+多職種支援者コミュニティ「チーム岡山」
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岡山県倉敷市で障がい児・者の親の支援を10年間続け年間1,000人を超える保護者と繋がっている認定NPO法人ペアレント・サポートすてっぷ
具体的な活動内容は以下の通りです。
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障がいのある方々の性に関することで、当事者・家族・支援者それぞれの考えやニーズをアンケート調査し分析する(2022年10月~2023年2月ネットと紙ベース両方のアンケート調査、3月~6月分析)※アンケートの作成と分析は地域の大学の協力を得て行います
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障がい者の「恋愛や結婚や性」に関する動画制作、トークイベントなど、一般の人にも参加してもらえる障がい者の性に関する対話の場を増やす(年4回以上の公開イベント、月1回以上のYouTubeまたは音声による配信)
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調査結果を白書にまとめ関係各所に配布することや政策提言を行います(2023年9月発行予定)
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障がい福祉に関する情報ポータルサイトを作り、その中に性に関する窓口を設けて気軽に相談を受けられるようにします(2023年8月ごろOPEN予定)
※このプロジェクトは2023年中に予定していたゴールをすべて達成するよう進行していきます(状況により進行速度が変わる場合には、プロジェクト専用Facebookページ等でご報告させていただきます)
ご支援の使い道
ご支援の使い道は以下のようなものを予定しています。あくまで一般的な範囲とレベルでの運用を致します。プロジェクトの進行状況は、輝き製作所のプロジェクト用Facebookページ等で随時ご報告していきます。
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アンケート集計等や全体スケジュール調整等を担う事務局の人件費(リーダー@35,000×1名+@10,000×事務担当2名)×12カ月=約80万円)
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障がい福祉ポータルサイト製作費(外部へ発注) 約30万円を想定
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冊子2000部制作および製本費 約150万円を想定(冊数を増やす判断をした場合増大の可能性あり)
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公開イベントや研修にかかわる費用(講師謝金や会場費、会場設営に関わる経費、新幹線代を含む交通費、チラシ印刷と郵送料、通信費等) 約50万円
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冊子の郵送費約10万円(白書の冊数によっては増大の可能性あり)
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動画制作費(業務委託費含む、本数によって増大)@20,000×10本=20万円
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事務に係る消耗品や備品約2万円
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各種打ち合わせの会議費(費用弁償、お茶代等)@1,000円×12×10名=12万
合計約360万円
プロジェクトご支援のリターンについて
今回、多くの方にこのプロジェクトについて知っていただきたく、寄付者様へのご報告としてのリターンをご用意しました。
- 10000円未満の寄付者様にはPDFによる報告書の送付(報告書は2022年12月~2023年12月までに2~3回ほど予定しています)
- 10000円以上の寄付者様 2023年1月以降、オンラインでの報告会へのご招待+白書1冊贈呈+輝き製作所・小西との座談会へのご招待(オンラインで非公開、8名以下の少人数でのお話の会を参加ご希望の方の数により、複数回で開催予定です)
- 3万円以上の寄付者様 2023年1月以降、オンラインでの報告会へのご招待+白書5冊贈呈
- 5万円以上の寄付者様 2023年1月以降、オンラインでの報告会へのご招待+白書10冊贈呈+白書へのお名前またはロゴの掲載
- 10万円以上の寄付者様 2023年1月以降、オンラインでの報告会へのご招待+白書20冊贈呈+白書へのお名前またはロゴの掲載
※リターンはご支援の金額により事務局で分類し処理させていただきますが、希望されない場合は、備考欄に「リターン不要」等、メッセージをお書きください。
ここまで読んでくださってありがとうございますー私たちの見たいミライとは-
今回のアクションはゴールではなくスタートです。
私たちは、障がいのある方々が自らの意思で、様々な選択肢の中から自分の人生を選び取ることができる、そんな当たり前のことが当たり前になされる未来を迎えたいと思っています。
性の問題は、人の人生の質に関わることです。
人の本能としての性、愛する人と結ばれること、家族をもつことなど、本当に多くのライフサイクルに関わってくるものです。
性に関心をもつという当たり前のこと、性にふれるという当たり前のこと、好きな人と結ばれたいという当たり前のこと、そしていつか家族を持ちたいと願う当たり前のこと。
人生を支える福祉に携わる者として、人としての当たり前の想いを支えていける社会を作っていきたいと考えています。
大事なことだからこそ方法論だけで片付けてしまわず、社会における空気づくり、文化づくりから丁寧にアクションを続けていきたいと思います。
もし、賛同していただけるのならば。どうか、ご支援をよろしくお願いいたします。
(輝きのすてっぷプロジェクトチーム 小西、佐藤、安藤)