【大阪・西成より】「誰ひとり、孤立させない」地域の絆を未来へつなぐ支援団体
認定NPO法人 釜ヶ崎支援機構は、大阪市西成区の釜ヶ崎(あいりん地域)で、25年にわたり、最も困難な状況にある方々の生活再建を支えてきました。
私たちの活動は、かつての野宿生活者の方々への支援だけではありません。
その長い経験を活かし、現在は「突然家を失い、未来を閉ざされそうになっている若者たち」のSOSにも全力で応えています。
年末などは、ふとしたきっかけで仕事や家を失う人は後を絶ちません。特に寒さが厳しい時期は、路上で凍えることがないよう、より一層の緊急支援が必要です。
彼らが再びこの社会の一員として、安心して生活し、活躍できること。それが、この「地域社会の力」を未来へつないでいくことだと信じています。私たちは、相談から住居、そして就労まで、包括的で息の長い支援を、この西成という地域を舞台に根付かせていくことに全力を注いでいます。
地域全体で協力して困窮者を支えてきた強みを活かして、「誰ひとり、孤立させない」支援を行っていきたいと考えています。
【居住支援が生む未来】とことん付き合うことで育まれる絆

居住支援で提供する住まいは釜ヶ崎支援機構が借り上げたワンルーム20室です。
就労支援、病院受診、行政手続きの援助、家賃免除など必要に応じたサポートを実施します。



夢を諦めさせないために:継続支援が育む「安心の居場所」と再出発の力
2020年9月、コロナ禍によって仕事や住まいを失った若い世代を支えるため、私たちは若者向けの居住支援プロジェクトを始めました。
ただ一時的な宿泊場所を提供するのでなく、安心して「自分の居場所」と思える確かな環境を提供したい──そんな思いから生まれた取り組みです。

しかし、このプロジェクトの真の大変さは、立ち上げの「その後」にあります。
若者がアパートへ入居した後も、すぐに生活が安定するわけではありません。
社会復帰への不安、就労の壁、人間関係の悩み。彼らが本当に安心して生活を立て直し、再び社会へ踏み出す「土台」を築くためには、入居後の生活費のサポート、定期的な面談、就労に向けたスキルアップ支援など、継続的な支えが不可欠です。

そして土台を築くための拠点となる住まいを確保し続けるためには家賃が必要です。
利用される方には家賃を支払ってもらいますが、収入が不安定だったり、日常生活をまわすための基盤が十分に整っておらず、家賃の支払いが難しくなることがあります。
その場合、最大2ヶ月の家賃を免除します。
皆様からのご支援があれば家賃支払いに充てることができ、この2ヶ月の家賃があれば生活が安定するまで一人の人を支えることができます。
働く意欲を持っている若者には、まず就労に向けた支援を丁寧に行っています。
仕事探しのサポートや、生活リズムを整えるための伴走など、
「自分で生活を立て直したい」という思いを尊重し、その実現に向けて力を尽くしています。
それでも、心身の負担やさまざまな事情によって、すぐに生活を安定させることが難しい場合もあります。
そのようなときには、無理なく暮らしを維持できるよう、公的制度である「生活保護」の利用を選択肢としてご案内することがあります。
生活保護は、困窮状態にある方の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度であり、必要な方が安心して使える仕組みです。
制度を利用する場合は、手続きの説明や申請の同行など、必要なサポートを行い、その人が安心して次のステップに進めるよう支えています。
自分で生活を立て直したいという気持ちがあっても、一人では難しい状況にある若者も少なくありません。
そのようなときには、家賃免除を含むさまざまな支援を組み合わせ、生活の再建に向けて寄り添いながら伴走しています。
安心して眠れる住まいを確保し続けることは、生活の基盤を整えるための時間を生み、
そして何より——
「ひとりではない」と感じられる場所になります。
私たちは、その基盤となる住まいと支援を途切れさせないことで、若者が再び社会に踏み出す力を取り戻すお手伝いをしています。
赤字の年も居場所はなくせない:部屋を維持し続けることの難しさ
このプロジェクトの拠点となるのは、私たちが釜ヶ崎支援機構として借り上げているワンルーム20室です。
もちろん、生活が安定している利用者さんからは家賃をいただいています。
しかし、収入が不安定な方や、初期段階の方には「最大2ヶ月の家賃免除」を行い、まずは生活の立て直しに専念してもらっています。
ここで大きな課題となるのが、この20室を「維持し続けるための固定費」です。
入居者の有無や、利用者さんからの家賃支払いの状況に関わらず、団体として部屋を確保し続けるためには年間980万円の家賃が発生します。
利用者の生活が安定するまでの「家賃免除期間」のコストや、次のSOSを受け入れるための空室維持費などは、すべて団体の持ち出しとなります。
「NPOなら行政のお金で安定しているのでは?」 そう思われることもありますが、現実は「綱わたりの運営」です。 助成金などが得られない年は赤字に直面することもあります。昨年度は約470万円の赤字でした。
それでも、今日来るかもしれない「助けて」の声に応えるために、私たちはこの部屋を手放すわけにはいきません。
現在、何とか部屋を確保してはいますが、このままではいずれ今の規模を維持することが難しくなります。
不安定な助成金頼みを脱し、継続的な支えとなる居場所を守り抜くために、皆様の力で彼らの生活と未来を支えてください。
あなたの月々の継続的なご寄付こそが、この「支援の継続力」となり、立ち直れる「安心できる居場所」を根付かせ、未来への一歩を支えます。
あなたの「継続」が、彼らの「未来」を支えます。
不安定な助成金頼みを脱し、継続的な支えとなる居場所を守り抜くために、皆様の力が必要です。
皆様の月々の継続的なご寄付こそが、この「支援の継続力」となり、立ち直れる「安心できる居場所」を根付かせます。
マンスリーサポーターとしてお預かりするご寄付は、この居住支援の部屋を維持するための家賃として、責任をもって使わせていただきます。
一ヶ月単位で継続してご寄付いただくことで、私たちは、「明日もこの支援を続けられる」という確信を持って、彼ら一人ひとりに寄り添い続けることができます。
「一歩踏み出した若者を、途中で諦めさせない」。 あなたの毎月の確かなご支援が、彼らの未来を大きく左右します。
例えば、4000円の寄付を10人の方がしてくだされば毎月40000円となり、一月分の住居を無料で利用者に提供できます。明日からの「家」がないという方に、一旦落ち着ける場所を提供することで次のステップを前向きに考えてもらうことができるようになります。
昨年2024年度の釜ヶ崎支援機構の会報誌がご覧になれます。

会報誌第60号 2025年6月27日
https://www.npokama.org/PDF/ka...
昨年度2024年も、皆さまのあたたかなご支援に支えられ、釜ヶ崎のまちで暮らす方々への生活支援、相談支援、居場所づくりなど、多くの取り組みを進めることができました。
2025年に入ってからも、その実績をさらに積み重ねながら、さらに地域の中で孤立しやすい若者たちへの支援にも力を入れています。
これらの活動は、ひとえに皆さまが寄せてくださる継続的なご支援のおかげです。
スタッフ一同、心より感謝申し上げます。
釜ヶ崎のまちで、未来へ向かって歩み始める方が、安心して相談できる場所や、希望を取り戻せる機会を広げていくために──。
どうかこれからも、彼らの未来をいっしょに支えてください。


