認定NPO法人“看介支援”の紹介
”看介支援”は”外国人看護師・介護福祉士
教育支援組織”の略称です。
2021年アジアの開発途上国の役に立ちたいとの想いで設立。2016年より主にベトナム北部の地方都市であるタイビン市にて活動しています。
・2016年よりタイビン医療短期大学看護科学生に無料で日本語教育を施しほとんど自己負担なく
2024年までにタイビン医療短期大学卒業生22名を「介護奨学生」として日本へ留学させまし
た。すでに18名が介護福祉士の資格を得て日本の介護施設(東京・岐阜・和歌山)に勤務して
います。介護施設では利用者さんに好かれています。当法人では毎年現地を訪問して留学生に面
談し情報収集と課題解決に努めています。
・タイビンとハノイで看護と介護に関する教育講演会を8回。2024年度は介護予防について講演し
ました。タイビン市の高齢者にも参加してもらいました。
・2022年12月タイビン地域初の「日本語センター」を開設しました。
・2024年10月タイビン医療短期大学学長よりタイビン地域における日本語教育支援に対し表彰状
などをいただきました。

・助成実績:
公益財団法人森村豊明会
公益財団法人テルモ生命科学振興財団
一般財団法人MRAハウス
公益財団法人双日国際交流財団
活動の背景、社会課題について
タイビン省の多くは貧しい農民で、その子弟は多くが技能実習生として来日してきました。しかし、コロナ禍後来日希望者が激減しました。当法人「奨学生プログラム」への応募者もゼロとなりました。その理由としてベトナム経済が好況でありベトナム国内で就職の機会が増えたこと、経済市場における日本の価値が低下したこと、円安による給料の目減りなどがあげられます。
ある報告によればベトナム経済の好況が進行するにつれ国内の給与が上がり外国で働く魅力は薄れ、2032年頃にはベトナムからの労働者の供給が頭打ちとなってしまうと予測されています。つまり近い将来ベトナム人の出国目的が単にお金を稼ぐことではなく多様化していくと推定されます。国を選ぶ基準も多様化すると考えます。日本好きの若者が多様な目的で日本を選択することが期待されます。私たちは多数の日本好きの若者を育成する機関としてタイビン医療短期大学に「日本語センター」を設置しました。
*タイビン省に隣接する省には多数の日本語学校があり日本語教育が盛んですが、タイビン省には日本語センターも日本語学校もなかったのです。またタイビン省の小中学校では日本語を教えていません。
ベトナム人にとって日本語は習得困難な言語とのことです。またたとえ習得したとしても日本と日系企業でしか役に立たないマイナーな言語です。しかし日本で生活するには外国人に日本語を学んでもらう必要があります。外国人材を呼び込むために日本は外国における日本語普及活動に努力しなければなりません。幸いなことにベトナムの子供や若者は日本のアニメや漫画が大好きで日本語に親近感を持っています。私たちの「日本語センター」では日本語学習講座に小中学生を積極的に受け入れます。
現在ベトナムでも急速な高齢化が進行しています。経済が急速に発展する一方高齢者福祉政策は構築途上です。高齢先進国である日本の経験を共有していただこうと思います。それは日本の存在感を示すことにつながります。
ベトナム人の健康寿命は65歳で日本人よりも約9歳も短いです(2019、WHO)。健康寿命とは「健康面で日常生活が制限されることのない期間」を意味します。健康寿命を伸ばすための日本の取り組みのうち、経費がかからず高齢者が単独でできる「ロコモ体操」を紹介しようと思います。
活動内容の詳細、実績について
・無料の日本語学習講座開講
➀タイビン省の小学生から社会人までを対象に、ひらがな・カタカナコースを対面で、コミュニケーションコースをオンラインで。
目的は日本語を楽しく学んでいただくこと。また授業に日本の行事などを取り入れ日本文化にもふれてもらう。
出席率はとても高く過去2年間に延べ167人(7~47歳)が受講しました。
・子供たちは喜々として学習していましたので将来が楽しみです。
・タイビン医療短期大学看護科の学生は「コミュニケーションコース」に13名(2024年度)が参
加しほとんど欠席なしでした。受講後のアンケートでは日本語能力を「仕事に活かしたい」、
「できれば日本で活用したい」などが多く嬉しく思いました。



➁タイビン医療短期大学看護科学生を対象に日本語能力試験対策講座を。
2023・2024年度は応募者が定員に満たなかったので代わりに短期夏期講座(対面)を開講し会話を勉強してもらいました。受講者計22名。

・日本文化体験イベントの開催
➀「浴衣を着てみませんか」が大好評です。浴衣はベトナムの方にもよく似合います。2023年度から毎年1回実施しており過去3年間で老若男女延べ150名が試着を楽しんでくれました。


➁2025年4月には「ロコモ」体操を実践指導しました。大学・病院職員、看護科学生、高齢者など
27名が参加しました。高齢者に大変感謝されました。この体操を広めてタイビン地域の人に健康で長生きしてもらおうと思います。
*「ロコモ」とは運動器の故障のために介護が必要となる危険性の高い状態のこと。「ロコモ」
体操は「ロコモ」を予防するために考案された体操です。「ロコモ」予防は介護予防となり健
康寿命を延ばすために有効な対策と考えられています。日本では多くの自治体がこの体操の普
及活動を行っています。



ニュース タイビンの若者2名が最近来日しました!!
本年6月、タイビン医療短期大学看護科を卒業しました。ハンサムで優しい人柄の好青年です。2024・2025年の日本文化体験イベントに参加しボランティアとして浴衣の着付けを手伝ってくれました。日本では技能実習生として千葉県の介護施設で働きます。私たちは彼らの日本社会への適応を支援してまいります。
代表者メッセージ
私は人生の多くの時間を教育に捧げてきました。教育は未来への希望を与えてくれます。2014年初めて訪れたホーチミンでチョーライ病院を見学した時、案内して下さったベトナム人職員は、病院の建物をはじめ院内の主だった機器すべてが日本から供与されたものであると日本への感謝を伝えてくれました。残念ながら物には使用期限があります。やがて新しい物に取り換えられ古い物のことは忘れ去られることでしょう。しかし教育はそうではありません。教育によってもたらされたものは種として心に残り世代を超えて受け継がれます。私たちの活動は未来のベトナムと日本をつなぐ架け橋です。皆様どうかこの橋を一緒に支えて下さい。
代表理事 青野 淳子

寄付金の使い道について
この活動を継続するためには年間130万円以上の費用が必要です。具体的には
・日本語講師などへの謝金、教材費 約40万円
・イベント運営費 約10万円
・渡航費、宿泊費、現地交通費(4人分) 約80万円 などです。
寄付金は事業費用の一部である30万円を目標とさせていただきます。
いただいた寄付金はベトナムへの渡航費3人分(30万円)として使わせていただきます。
法人担当者はボランティアで活動しています。出張では旅費・交通費の実費が支給されます。手当などの支給はありません。
何故今支援が必要なのでしょうか 私たちは「日本語センター」の活動について公益財団法人双日国際交流財団(2023~2025年)及び一般財団法人MRAハウス(2023年)より助成金を受けています。しかしこれらの助成金だけでは運営できず多額の法人負担が発生しております。このままではせっかく根付き始めた「日本語センター」の活動継続が危うい状況となっています。どうか日本好きの若者を育てる活動に皆様のお力をお貸し下さいますようお願い申し上げます。
当法人は認定法人です。いただいたご寄付は寄付控除の対象となります(日本国内在住者)。