一般社団法人 Ai-care は、オランダ発祥の「*スヌーズレン」(重度障がい者の余暇やリラクゼーションを提供する環境づくり・関わり合いの考え方)にもとづく、スヌーズレンと感覚環境のプレイランド&くつろぎのサロン『かんかくもーる』の運営により、好きな感覚を通して人びとが自由につながり、関わり合いが広がっていく地域交流の場を設け、年齢・性別・障害の有無などに関らず利用できる癒しのサービスを通じて、子どもの健全育成と現役世代の心の健康、共生社会の実現を目指しています。
団体と活動内容について
当法人は、広く地域住⺠に対して、感覚環境・おもちゃ・遊びを通じたコミュニケーション創出に関する事業を行い、子どもの健全育成と分け隔てない共生社会の実現、地域の活性化に寄与することを目的とし、「スヌーズレン」をはじめとした感覚環境・おもちゃ・遊びに関する様々な活動を行う団体として2023年8月に誕生いたしました。 *スヌーズレン について ↓日本スヌーズレン協会ホームページへリンクします↓ https://www.snoezelen.jp/pages... 2024年4月オープン予定の店舗施設『かんかくもーる』の運営を通じて、「感覚環境から生まれる、誰もが生きやすい社会を未来へ」という理念のもと、法人の活動を通じてお客さまに寄り添い、子どもの健全育成と現役世代の心の健康、マイノリティーを含む人々の豊かな人生のあり方をともに考え、分け隔てのない地域社会の実現を目指してまいります。 |
活動の背景、社会課題について
近年日本では、発達に課題を抱えた子どもや、特別な支援や配慮を必要としている子どもの著しい増加が問題視されています。 岡山県においても、特別支援学級に在籍する児童は年々増加の一途をたどっているほか、県内の小中学校で令和4年度に不登校となった児童は 3,000人を超え、過去最高となりました。 一方、同年に県内の公立学校で精神疾患により休職した教員は、過去最高となる109人に上り、教員のマンパワー不足もますます深刻化しています。 教育現場ではすでに、子どもたちに必要な支援が十分に行き届いていない状況にあることが容易に窺え、今後この状況は、ますます悪化していくものと思われます。 ⇒ 私たちは、学校という枠組みを超えた地域協働の幅広い支援体制を一日も早く整備していくこ とが重要と考えます。 また、ダイバーシティやインクルージョンの重要性が叫ばれて久しい中、いまだ日本は、社会的弱者やマイノリティと言われる人たちが、社会的孤立に陥りやすい現状にあると言えます。 ⇒ 私たちは、身近な地域社会から支え合い認め合うコミュニティを形成していく必要があると考え ています。 |
活動内容の詳細について
『かんかくもーる』とは、障害の有無や年齢・性別などの属性に関わらず、誰もが利用することのできる 感覚環境のテーマパーク&くつろぎのサロンです。 ●店舗施設の概要● 【住 所】岡山市南区藤田2001番地(国道30号線沿い) 【営業時間】10:00~15:00 16:00~20:00 【定 休 日】木曜日、第3日曜日 ※定休日を特性の強い方の専用日(予約制)とします。 【定 員】30人 【スタッフ】常時2~3名 ●想定される主な利用者● 『かんかくもーる』はどなたでもご利用いただけますが、次のような方たちには特にご利用いただきたいと考えています。 ・特別な支援を必要とする児童や不登校児童 ・障がい者とその家族 なお、小さなお子さまや支援を要する方にはご家族・支援者などの同伴が必要なものとし、曜日や時間帯ごとのお客さまのご利用を、以下のように想定しています。 平日日中・・・幼稚園・保育園・各種学校・福祉施設・事業所・フリースクール等の団体、親子連れ 夕方夜間・・・会社帰りのサラリーマン、学校帰りの学生 週末日中・・・家族連れ、カップル、イベント参加者 特 定 日・・・特性の特に強い方とその家族、支援者など ※完全予約制 |
●提供内容● <スヌーズレンルーム> ホワイトルーム、ブラックルーム、アクティブルームの、3タイプのお部屋を設ける予定です。 お身体の具合やその日の気分によって、お好きな空間を楽しんでいただけます。 <カフェスペース> 飲食の提供はありませんが、テイクアウトしたものなどを持ち込んでのお食事が可能です。 家族そろっての外食が難しい方にも、気兼ねなく外食気分を味わっていただけるスペースです。 <バリアフリートイレ> 車いすでのご利用はもちろん、ベビーチェアや補助便座、ベビーシートなども設置予定です。 <専用駐車場> 出入口前に、8台程度駐車可能です。 ●利用料金● 1,000円/人日(年齢・性別・障害の有無に関わらず同額) ※時間制限は設けません。 |
代表者メッセージ
「障がい者や高齢者に特化した空間づくり」をご提案する個人事業(inclusive design彩榮)の創業当初から、身体の問題のみならず、内面的な問題を抱える方にも、何か空間的な手助けができないものかと考えてまいりました。 1970年代のオランダで生まれたと言われる、重い障害を持つ方の余暇やリラクゼーションを提供する環境づくりと関わり合いの理念、「スヌーズレン」との出会いは、言わば私自身の人生の大きな転機だったと言えるのかも知れません。 「スヌーズレン」の考えに基づく空間づくりと、感覚環境下における関わり合いの手法などを学びながら、この空間が秘めた力と、ここから広がっていく可能性のようなものを感じずにはいられませんでした。 しかしその頃、日本にスヌーズレンが伝わってすでに30年ほどが経っていたにも関わらず、スヌーズレンルームの導入はごく一部の社会福祉施設などにとどまっており、比較的導入が早かったと言われる岡山においても、言葉すら聞いたことのないという方がほとんどでした。 一人でも多くの方にスヌーズレンを知ってもらいたい、感覚環境の素晴らしさに触れてほしい、そんな思いで、自宅一室にスヌーズレンの無料体験ルームを設けたのは、2022年5月のことです。 こちらの体験ルームをご利用いただいたお客さまは、一年あまりで200名を超えました。 そのすべての方とご一緒させていただく中で、ご家族の様々な想いを伺い、障害を持ちの当事者の方においては、普段は見られないご本人のよい反応や変化などをご家族とともに見守り、感じ、そして分かち合ってまいりました。 体験ルームにお越しいただいた方からは「外出を拒む子どもがここなら行くと言ってくれた」「問題行動が落ち着いてきた」「不眠に悩んでいたが当日はぐっすり眠ることができた」など、たくさんのお喜びの声をいただき、特別な支援を要する子どもたちやうつ傾向の社会人、認知症のお年寄りなどの増加が問題視されて久しい現代、より多くの方にこの空間を知っていただくためにはどうすればよいか、を考える日々が続きました。 また、一方では「定期的に通わせたい」「団体で利用したい」「車椅子でも利用できるようにしてほしい」「こういった場所がもっとたくさんあればいいのに」などのお声もあり、誰でも利用ができて、行きたいときに行って帰りたいときに帰ることのできる、そんな新たなサービスのご提供を叶えたいという思いが日に日に強くなっていきました。 やがて訪れた「スヌーズレン」の考えにも通ずる「おもちゃ」との出会い、そしてまた、私の考える「空間づくり」が家(部屋)の中から地域のつながりへと広がっていったことも、法人化に向けての大きな後押しになったものと思います。 そして2023年8月、これまでの活動を組織化し、次の世代その次の世代へと受け継ぐことのできる持続可能な事業へと発展させるべく、非営利団体 一般社団法人Ai-care を設立いたしました。 生まれたばかりの、まだまた未熟な団体ではございますが、教育機関・企業・研究機関、地域の皆さまとの連携を図りながら、新たなサービスを通じて制度や枠組みを超えた地域協働の活動に取り組み、社会が抱える様々な課題の解決へと挑んでいく所存でございます。 どうぞ末長く、ご支援ご厚情を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。 一般社団法人 Ai-care 代表理事 大西 直美 |
寄付金の使い道について
皆さまからのご支援はすべて『かんかくもーる』運営のための資金として、大切に使わせていただきます。 |