地芝居(じしばい)とは
地芝居(じしばい)とは、アマチュアの人々が行う歌舞伎のことを指し、岐阜県では地歌舞伎とも呼ばれます。
映画やテレビなどの娯楽がなかった時代、お祭りなどの余興として地域の住民が自分たちで楽しむために、歌舞伎を演じていたりしていたのです。
岐阜県は今でも地芝居(地歌舞伎)が盛んで、30以上の団体が活動を行っています。
気良歌舞伎(けらかぶき)もその団体のひとつで、岐阜県郡上市明宝気良に住む20代から40代までの若者約30名で構成されています。
「地域を盛り上げたい」との思いから、平成17年、途絶えていた地芝居(地歌舞伎)を17年ぶりに復活させ、以来15年間9月の気良白山神社祭礼の日に公演を行っています。
また、現在、郡上市文化財である明宝歴史民俗資料館(旧明方小学校)の木造講堂に自分たちの手で仮設舞台を設置するとともに、明宝歴史民俗資料館に収蔵されている地芝居関連の展示、地芝居体験ツアーなどを行い、「歌舞伎」を通じた地域資源の活用に取り組んでいます。

おうちで歌舞伎!映像配信プロジェクト
岐阜県郡上市では全国的にも有名な「郡上おどり」をはじめ、毎年、数多くの祭礼、地域イベントが行われていましたが、令和2年および令和3年は新型コロナウイルス感染拡大防止のためほとんどが中止に追い込まれてしまいました。
そして、例年9月に開催を予定していた気良歌舞伎公演も会場内における感染リスクが避けられないことから中止を決定せざるを得ませんでした。
地域住民にとって大きな楽しみであった地域イベントが中止となることで地域全体の活力が失われつつありました。さらに地域の伝統芸能・民俗芸能にとっては存亡の危機に直面したと言っても過言ではありません。いったん途絶えてしまった伝統芸能・民俗芸能を再び復活させることの困難さは想像以上のものです。舞台設営、スタッフ集め、資金の工面の方法などのノウハウや、演技技術の継承など一度中止してしまうと復活のハードルが高くなるということを、私たち気良歌舞伎自身が17年前の復活の時に嫌というほど痛感していました。
このまま自分たちは“公演中止”という事実にただ流されて何もしなくて良いのか?
いや、気良歌舞伎を復活させた諸先輩方の「歌舞伎で地域を笑顔に」という思いを、今こそ自分たちが受け継いで行動する時なのではないのか。制約があるからこそ、生まれる発想、モチベーション、絆がきっとある。今こそ、ピンチをチャンスに!
そこで気良歌舞伎が立ち上げたのが「おうちで歌舞伎!地芝居映像配信プロジェクト」でした。
このプロジェクトでは地元のみならず、全国各地から力強いご支援をいただき、地元ケーブルテレビおよびYouTubeにて映像配信をすることができました。
このプロジェクトでは映像配信だからこそのメリットを強く感じました。
気良歌舞伎メンバー達は自宅でゆっくりと歌舞伎を観ながら、家族との団らんを楽しむことができました。
例年、会場にまで足を運べない地元の人にも観てもらうことができる。中には寝たきりのおじいちゃんも、孫の役者姿を見て楽しんでもらえました。
そして、YouTubeでの配信では、これまで気良歌舞伎を観たことがなかった地元以外の多くの方々に気良歌舞伎を知っていただく機会となりました。
家族の絆、地域の絆、そして全国の方々との新しい絆を感じるプロジェクトとなったのです。


さらなる夢に向かって! 自分たちの手で芝居小屋を!
映像配信プロジェクトによって多くの方に我々の活動を知っていただき、応援していただくことができました。
気良歌舞伎の次なる大きな夢は「自分たちの手で芝居小屋を作る」ということです。
岐阜県内の他団体の多くが芝居小屋を拠点に活動している一方で、私たち気良歌舞伎は芝居小屋を持っていません。そのため、気良歌舞伎復活以降、例年9月の公演は隣の地区にある公共施設に仮設舞台を設置して上演を行ってきました。
一方、気良歌舞伎の活動が徐々に広まっていく中で、地域の方から「旧小学校の木造講堂を気良歌舞伎で活用してもらえないか」と相談をいただきました。
この木造講堂は気良地区内にある廃校となった校舎(鉄筋の校舎が新築されたため)に隣接するものです。校舎そのものは「明宝歴史民俗資料館」として生活用具など約47,000点、うち国指定文化財約3500点を収蔵・展示をしていますが、当時、木造講堂については、利用されていなかったのです。
そこで、私たち気良歌舞伎は「明宝歴史民俗資料館」に収蔵されている地芝居の衣装・化粧・小道具等を当該講堂にて展示する「気良歌舞伎展」を企画・開催、さらに、その後、手作りの仮設舞台を設置し、気良歌舞伎の稽古場として利用できるまで整備をしてきました。
そして、令和2年からの「おうちで歌舞伎!地芝居映像配信プロジェクト」においては、当該講堂にて収録を行うなど、さらに整備を進めて芝居小屋化への手ごたえは得ました。依然として観客席の整備、照明・音響の機材不足、楽屋スペースの確保などの課題が残っていますが、これまで夢のまた夢だった芝居小屋化が、いよいよ現実的な目標として設定できる段階までになったのです。
令和5年9月には地元住民の方々を招待して講堂舞台のお披露目公演を実施して、講堂での公演開催に手ごたえを得ました。
そして、いよいよ本年、令和6年は気良歌舞伎復活20年の記念の年!
”芝居小屋を完成させ、お客様を呼んでこけら落とし公演を行いたい!”
気良歌舞伎メンバーの熱い思いを実現するべく、今回、皆様からのご支援をお願いすることといたしました。


こけら落とし公演
「気良座」こけら落とし公演は令和6年9月28日(土)に開催いたします。
映像配信につきましては、現在調整中であり、決定次第お知らせいたします。(ただいまLIVE配信できないか検討中です)
今回、皆様からはこけら公演開催に向けて芝居小屋の下記の整備費用のご支援をいただければ有難いと考えております。
【芝居小屋整備費】約100万円
(内訳)舞台照明購入費 約30万円

(内訳)提灯購入費 約70万円(場内提灯30個 入口提灯2個)


なお、その他公演開催にかかる費用につきましては、例年同様に地元の方々からの寄付、補助金などを活用させていただいて対応できる見通しです。
【寄付募集期間】令和6年8月31日まで
お礼について
これまでも気良歌舞伎は地域住民の方をはじめ、皆さまからのご寄付によって公演を行ってきました。
今回のプロジェクトも皆さまからのご寄付によって実現が可能となるものです。わたくしどもの思い、活動に賛同していただける方は、ぜひともご寄付いただければと思います。
資金面での制約があり、なかなか十分なお礼をお返しすることは難しいですが、ご寄付いただいた方には以下の特典をつけさせていただきます。
【特典1】お礼状送付
・こけら落とし公演開催後、お礼状を送付させていただきます。(ご寄付いただいた方のお名前を掲載する予定です)
【特典2】舞台映像エンディングロールでのお名前のクレジット表示
・舞台映像のエンディングロールにてご寄付いただいた方のお名前を表示させていただきます。映像はYouTubeの気良歌舞伎チャンネルにて放映予定です。
皆様からのご支援をいただきながら、このプロジェクトをぜひとも進めたく考えておりますので、ご協力いただければ幸いです。
令和6年6月吉日 気良歌舞伎座長 佐藤真哉
