〈外国にルーツをもつ子ども〉はどんな背景を持っている子どもでしょうか?
1980年代頃から、就労や難民、国際結婚など、 さまざまな事情をもつ外国人が、家族をともなって来日するケースが増えてきました。
日本の学校教育を受けようとする「外国にルーツをもつ子ども」は毎年増加し続けています。
その中には、外国で生まれ来日した「外国籍の子ども」もいれば、「日本生まれの子ども」、国際結婚カップルの間に生まれた「ダブル(ハーフ)の子ども」、そして最近では「日本国籍の子ども」も増えています。
〈外国にルーツをもつ〉中高生が抱えさせられる課題は…
むずかしい日本語。まったく違う文化の中での生活。
経済面の不安定さ。見えにくい将来の自分の姿。
本来なら当然得られるはずの家族からのサポートも、
家族自身の言葉のハンディのためにむずかしい…。
近年「外国にルーツをもつ」中学生の高校進学率はかなり上がってきています。
ただ、いわゆる全日制普通科への進学率は低いままであり、中退率も高止まりしています。
外国ルーツの生徒は、言語上・学習上のハンデに加え、経済的に困窮していることで進学をあきらめる場合が少なくありません。
それは人権としての「教育を受ける権利」を奪われることであり、その結果、将来の選択の幅も著しく狭められてしまいます。
不安定な職業に就くことを余儀なくされた彼らは、次世代にまで続く負のループに陥ってしまいかねません。
「定住外国人子ども奨学金」とは
私たちは、2007年より17年にわたり、兵庫県に住む経済的に困難な状況におかれた外国ルーツの子どもの高校進学から卒業までを支援しています。
当時、(現在当奨学金の事務局を担う)「神戸定住外国人支援センター」で外国ルーツの小中学生の学習支援を行う中で、経済的な困難を主な理由として高校進学をあきらめる中学生が散見されました。
職場から解雇されやすい外国人家庭の経済状況は不安定で、進学後の費用を考えると子どもを進学させられない、家計を支えるために働いてほしいというケースが少なくなかったのです。
私たちは、経済的なサポートだけでなく、一人でも多くの生徒が将来の夢を「あたりまえに」描き、それを知った同様の背景を持つ子どもたちが、さらなる夢を描ける・・・・・
そんな「広がり」を目標に、奨学金事業を立ち上げました。
その後、私たちは17年間で40名以上の奨学生とともに活動してきました。1人も中退者を出さず、全員が高校を卒業していきました。トップレベルの大学に進学した奨学生もいます。グローバル企業で活躍している奨学生。結婚して日本で子育てをしている奨学生もいます。奨学生の多くは日本の高校で学び、多くの方々に支えられることで日本社会で活躍しています。
「定住外国人子ども奨学金」の目指すもの
●返還不要の奨学金
当奨学金では、
1学年3~4名に、15,000円/月を
給付しています。
外国ルーツの生徒は家計を支えるためにアルバイトをすることが多いのですが、奨学金を受け取ることにより経済的負担が減り、学業により集中することができます。
●孤立させない
外国ルーツの生徒は日本の学校内で孤立しがちですが、本奨学金の行事に参加することにより、同じ外国ルーツの生徒と出会うことができます。また、定期的な面談やイベントを通じて、様々な立場の大人と関わることで、日本社会に参入するための視野を拡げることができます。
●活躍の機会
進学率の低さもあり、外国ルーツの子どもにとってあこがれの対象となる「センパイ」が少ないという状況があります。そこで私たちは奨学生をロールモデルとして育てようと取り組んでいます。「センパイのように日本で活躍したい」といった憧れを後輩にも抱いてほしい。そのために、私たちは奨学生たちが活躍できるイベントの運営・参加に取り組んでいます。奨学生が相互に繋がりあうための取り組みも大切にしています。
このように、外国ルーツの生徒らが常に「誰かに相談できる」状況を作り、卒業までを伴走支援するところが、他の奨学金と一線を画するところです。
チャリティコンサートの開催
外国ルーツの生徒たちが増えている状況、また高校・大学進学についての現状がもっと世の中に知られることなしには現状の改善はないのではと考えた私たちは、毎年開催するチャリティコンサートで、原資の獲得だけでなく、この問題の周知をはかっています。
コンサートでは、演奏の合間に奨学生たちも登壇し、学校生活の様子などを語るコーナーもあります。
卒業生Aさんの声
私は、両親の再婚により中学二年の冬に渡日しました。
神戸定住外国人支援センターで学習支援を受けるうちに奨学金について知り、高校に入学しました。
同じ奨学金を受け大学進学を目指す友人もできました。
奨学金は学習教材の購入や塾の費用にあて、とても助かりました。
その後大学進学を果たし、大学でも奨学金を受けてがんばっています。
寄付金の使い道について
当奨学金は収入の多くをご寄付によっていますが、近年財政が厳しい状況が続いています。
物価高騰などによる世情の余裕のなさ、災害の多発による寄付金の分散、またコロナ禍によってイベントも減少し、チャリティコンサート開催が開催できない年が続きました。
このクラウドファンディングを機に、財政を改善するとともに、
さらに多くの方々に外国人生徒の現状と奨学金について広く知っていただければと願っています。そして彼らの夢を一緒に支えるための仲間になってください!
2025年度の奨学金の不足金額約77万円のうち、50万円をクラウドファンディングの目標金額に設定しました。
このプロジェクトは「ゆめ・まち クラウドファンディング」の認定プロジェクトです。
「ゆめ・まち クラウドファンディング」では、寄付決済手数料を阪急阪神ホールディングスが負担し、広報PR等を支援することで、社会課題の解決に取り組む市民団体の資金調達を応援します。阪急阪神ホールディングスは本プロジェクト等を通じて、ステークホルダーと協働しながら、持続可能な社会の実現に向けて地域社会の発展に貢献してまいります。
▽ゆめ・まち クラウドファンディング特設サイトはこちら
https://congrant.com/jp/corp/h...
金額10,000円 |
金額180,000円 |
金額10,000円 |
金額180,000円 |