活動・団体の紹介
NPO法人アクセプト・インターナショナルは、2011年に日本ソマリア青年機構として海外活動から始まり、2017年に法人化しました。海外の紛争地で武装勢力に関わった若者に投降を促し、脱退してきた若者達の社会復帰を支援してきた知見をもとに、2020年に国内でも2つの事業を開始しました。
そのひとつである更生支援事業部では、非行や犯罪に関わった若者の社会定着支援に取り組んでいます。しかし活動を進める中で、既存の支援制度の対象とならない若者たちの存在が見えてきました。保護観察の対象にならなかった若者、家族との関係が断絶した若者、障害があっても診断を受けていない若者——彼らは制度の狭間で孤立し、必要な支援を受けられないまま、さらに困難な状況に追い込まれていきます。
この状況は、私達が海外の紛争地で目の当たりにしてきた構造と酷似していました。社会で行き場を失った若者が、さらに過激な方向へ追い込まれていく。その連鎖を断ち切るために必要なのは、排除ではなく受容でした。
海外の紛争地で培った「排除するのではなく、受け入れる」という理念のもと、私たちは2022年から非行・犯罪の予防活動にも力を入れ、身近な大人に頼れず困窮し孤立しがちな子ども・若者全般を対象に、包括的な伴走支援を実施しています。
更生支援事業部の活動内容
- オンラインでの相談窓口「キミのミカタ」とSNSの運営
- 相談支援と伴走型サポート
- 居住支援とライフスキルトレーニング
- 就労・学習支援
- 居場所づくりと多様な交流機会
- アウトリーチ活動(夜回り、刑務所ラジオ)
- 地域連携、他団体連携
- スタッフ研修
活動の背景、社会課題について
近年、社会的に闇バイトが話題となっており、平成に入ってから減り続けていた少年犯罪も令和4年より上昇傾向に転じたと言われております。このまま増加へと転じるのか、一時的なゆらぎで終わるのかは、今後の犯罪防止・再犯防止の対策にもかかっていると言われています。

令和7年版犯罪白書によると、少年による刑法犯はほぼ4分の3が学生となっています。当団体が駅前の夜回りで声かけをしている体感でも、深夜徘徊をしている少年少女は中学3年生~高校2年生が多いと感じています。彼らの多くは、通学が嫌になって深夜徘徊をするようになり、家庭での折り合いが悪くなると家に帰らなくなり、友人宅やネットカフェを転々とし始めることで困窮から万引きをするという流れになりやすくなります。また、不良交友により誘われて集団暴行、バイク盗、無免許運転同乗といった形から非行に関わり始めるようです。結局学校にいられなくなり退学、なかなか良い仕事には巡り会えず、時間を持て余して不良交友から抜けられず、やがては薬物、詐欺、窃盗、強盗…と誘われるようになります。
そうした流れを断ち切るためには、相談できる大人や実質的な支援に早めに繋がることが不可欠です。

家庭環境が悪化した場合、少年達が家にいると親子での口論から、虐待や家庭内暴力に発展し悪循環となりがちです。第三者のサポートにより、家を出て一人立ち準備に入ることで本人も人生の見通しを持ち始めて仕事に意欲的になることも多く、そうした意識の変化が交遊関係や親子関係の改善に良い影響を及ぼすケースが多くあります。
再犯防止も同様に、少年院や刑務所を出て帰る先のない子ども・若者が住まいや仕事に困ることのないよう支援することが大切とされています。
また、経済面だけでなく、多様な人とコミュニケーションを取る機会を提供することで、世の中に多様な視点や価値観があることを知り、意識する世界を広げることが大切だと考えています。
当事業部では、孤立し困窮しがちな状況にある子ども・若者の仕事と生活の安定、そしてライフスキルの向上を目指し、マイナスをゼロにするだけでなく希望を持って生きられるよう、必要な支援を包括的に届けてまいります。
活動内容の詳細、実績について
①オンラインでの相談窓口「キミのミカタ」とSNSの運営
全国どこからでも相談できるよう多様な窓口を用意しています。遠方からの相談には、その地域の制度や支援団体を紹介しています。
②相談支援と伴走型サポート
困りごとの解決に向けて、方法を一緒に考えたり、様々な制度やサービスを紹介したりしています。その際に、行政や病院での手続きや企業等への同行もしています。
これまでに80名の若者を支援してきました。2025年度は新規15名を含む25名に継続的支援を行っています。
③居住支援とライフスキルトレーニング
住まいのない若者へ、状況に応じて数日間〜最長6ヵ月間の居室の提供をしています。
その間に、金銭管理・掃除・洗濯・炊事・買い物・ゴミ分別など基本的なライフスキルを向上させるためのトレーニングを実施。また、就労に関連して税金や社会保険制度の仕組みや申告などの知識もお伝えします。
※未成年者の居住支援については保護者の同意のもとに実施をしています。
2023年度より居住支援を開始し、これまで8名が利用しました。
ライフスキルトレーニングは年間延べ約500名に実施しています。
④就労・学習支援
履歴書の書き方や面接練習、仕事の探し方などをサポートしています。また、職種の希望に沿えば連携企業を案内し、職場定着の支援もしています。就労に向けた資格取得や高卒認定の取得、通学などを希望の若者へは、大学生スタッフが学習をサポートしています。
⑤居場所づくりと多様な交流機会
調理トレーニングを兼ねた食事会や季節のイベントなど、定期的に当団体のスタッフや職員、協力団体の大学生や地域の方々と交流する場を設けており、多様な価値観に触れる機会としています。
2025年度は居場所や交流イベント、食事会等の実施33回、参加延べ数は40名になります。
⑥アウトリーチ活動(夜回り、刑務所ラジオ)
月2回、繁華街や駅前で夜回りをし、若者への声かけ活動をしています。帰る家のないなど困難な状況にある若者が必要な時に相談できる存在となるべく関係構築に努めています。
2025年度は夜回り実施20回、声かけをした若者は延べ490名になります。
また、連携している刑務所にて、毎月1回50分の収録音源を放送しています。多様なゲストをお招きし、ご自身の経験をもとに施設内にいる若者へ向けた応援メッセージをお届けしています。施設内にいるうちからコミュニケーションを取り、出所後必要な時に支援に繋がりやすくなることを目指しています。
⑦地域連携、他団体連携
千葉県柏市内の地域連携を中心に、千葉県内の各機関や支援団体とのネットワーク及びより広域な全国の支援団体とのネットワーク構築に取り組んでいます。
⑧スタッフ研修
更生保護、福祉、医療など、対象者を取り巻く制度についての知識を学んだり、実際に対象者に対応してみたケースをもとに振り返りなどを実施。それぞれの在り方による対象者とのより良い関わりを常に模索しています。
代表者メッセージ
更生支援事業部は「自己と向き合い、誰もが自立して希望のもてる未来をつくる」をパーパスとして掲げています。
困難な状況にあり身近な大人を頼れない若者は非行や犯罪に繋がりやすく、被害者にも加害者にも転じる要素を持ち不安定な環境に置かれています。そのような若者がいち早く適切な助けに繋がり、将来に向けて希望を持って人生に取り組めるようになることを目指して、我々は日々活動しています。
目の前の困りごとを解消したら終わりではなく、長期的な関わりを持って健全に生きる力を育んでいくことが大切で、その積み重ねが非行や犯罪を減らすことに繋がると考えています。
誰もが安心安全に暮らせる社会へ向けて、皆さまの応援をいただけますと幸いです。
寄付金の使い道について
・居住支援用物件の修繕費用や家具、家電、器具、備品、道具等の購入費用
・居住支援に必要な食料品や生活用品など消耗品の購入費用
・居住施設にて入居の若者に貸出する自転車等の維持や、防犯防災に関わる維持費用
その他、助成金等では利用や購入ができない必要品に充当させていただきます



