活動・団体の紹介
私たちの価値は、皆様からのご支援を学生の成長へと変えることです。特に、学生が「楽しい」と感じられる機会を提供することを大切にしています。AIや機械学習の進歩に感銘を受けながらも、仕事も忙しくゼロから学ぶのは難しい。意欲ある学生の成長を支援し、間接的に進歩に貢献したい。こうした思いを確実に実現する信頼できる団体を目指しています。
これまで、オードリー・タンさんや安野貴博さんを招いたトークイベントや清華大学との交流会を通じ、人工知能の楽しさと可能性を伝え、多くの学生に興味を引き出してきました。興味を持った学生たちには、情熱を成長に変える少し厳しい環境も提供しています。
個人の活動
1. サークルの入会者は、まず人工知能の基礎を弊団体のオリジナル教材と外部の学習コンテンツで学習し、最初の半年でG検定に合格してもらいます。G検定は人工知能の基礎的な内容を網羅的に理解していることを示すディープラーニング協会公式の資格です。ここで、人工知能の発展を覚えるだけではなく、新しい手法を思いついた人の立場に立って、その発想を追体験することで、人工知能の理論の奥深さと面白さに気づき、虜になってもらいます。
ただし、より学生のモチベーションを高めるため「半年以内に合格すること」を原則としています。団体に残るためにはこの検定の合格が必須となります。不合格の場合は、おでかけ(退会処分)となります。
2. G検定合格後は、各自が研究テーマを設定し、それに基づいて専攻を決定します。テーマ設定は厳格で、単なる技術習得でなく具体的な価値を生み出す新規性が求められます。例えば、「強化学習でカードゲームのAIを作りたい」というのは認められません。単純なゲームAIでは陳腐だからです。「強化学習モデルと生成モデルを使い分けながら、プレイヤーがカードをめくるたびに新しいカードが生成される、決して定石に囚われることのないカードゲーム」であれば、提供価値も新しく良いテーマと言えます。新しい提供価値で、新しいモデルを作る。本当に面白いと周りの人に言ってもらえる研究テーマだからこそ、本人は夢中になれるし、すごく幸せな研究生活を送ることができます。
サークル全体の活動
また一方で、サークルの活動として毎週水曜日の19:00-20:30で、AIロボットと遊んだり、AlphaGeometryのアイデアをゲームで体験したりと、和気あいあいとワークショップを行っています。なによりも楽しいと思える、笑い溢れる人工知能のサークルを目指しています。
またこれ以外にも、清華大学との交流会や学園祭でのオードリー・タンさんや安野貴博さんを招いたトークイベントなど、さまざまな活動をしています。
活動の背景、社会課題について
1. AIや機械学習の理論の面白さを伝えたい!
AIというとChatGPTのようなAIアプリケーションも非常に面白いのですが、AIや機械学習の理論も非常に面白いのです。AIの発展は単純に計算能力やデータ量が増えたことだけではありません。むしろ、研究者たちの試行錯誤の中で、新しい手法が誕生してきて、これが大幅な性能の向上をもたらしてきました。この現象の裏にあるデータ分布は何か?果たしてこれは本質的な操作なのか?こういった疑問を抱き続けることが楽しくてたまらない。また、ChatGPTの基盤となるTransformerという手法が出てきた背景にも、胸が熱くなる面白い哲学や思考の転回があります。人工知能の発展を単純に知識として覚えるのではなく、その発展の裏にある思考の面白さや発想のプロセスの追体験を楽しんでほしいという気持ちで、その面白さを伝え続けています。
2. 東京大学における機械学習の講義の少なさ
意外かもしれませんが、東京大学では学部1,2年生に受けられる人工知能や機械学習の単位付きの講義がほぼありません。学部3,4年生に入っても工学部や理学部の専門的な講義でも、既に主流ではなくなった古い内容で終わってしまうことが多く、Transformerや拡散モデルなどの近年主流の手法に踏み込んだ講義がほとんどありません。そのため現代の研究に必須となっているAIの基礎知識を学部生の間で学ぶ機会ができないまま修士課程に進む学生が多くなっています。これでは面白くありません。新しいモデルについても学べる環境を提供しています。
3. 本当に面白い研究を作りたい!
近年は急速に、ChatGPTやAlphafoldといった、新しい提供価値をもつ新しいAIモデルが組み込まれたアプリケーションが開発されています。これは単なる「AI活用術」や「AIの産業応用」とは質的に異なるものです。これらは、新しいAIモデルを開発して、新しい価値を提供することの両方を非常に高いレベルで実行しています。これは片方だけでも難しいことです。両方は非常に難しいことです。しかし、その一方で、本当に面白くて夢中になれる楽しいテーマでもあります。
実際の産業応用になってしまうと、既存のAIモデルを用いて素早く顧客に価値を提供することが多いです。また、実際の大学などの研究についても、AIモデル自体は新しいけど、提供価値が陳腐である場合も多いです。もちろん両方できる企業や研究者もいらっしゃいますが、あまり多くない上に、できる方は米国に渡って日本にはいないのが現状です。もちろんこの現状をすぐに変えるのは非常に困難なのですが、それでも、新しいAIモデルを開発して、新しい価値を提供することの両方を非常に高いレベルで実行することを目指す中で、本当に面白い研究は現れてきます。そこの部分に妥協せず、面白い研究をどんどん作っていこうと思います。
活動内容の詳細、実績について
直近半年で15名がG検定に合格しました。また、オードリー・タンさんや安野貴博さんを招いたトークイベントや清華大学との交流会を通じ、機械学習の楽しさと可能性を伝え、多くの学生に興味を引き出してきました。
代表者メッセージ
初めまして。共同代表の近藤と本郷と申します。
ありがちな誤解をまず解きますと、私たちは産業応用やキャリア支援の一環としてこの活動をしているわけではありません。私たちは、純粋に人工知能の面白さを伝えたいと思い、運営に携わってまいりました。このページをご覧になっている方の中にも、ChatGPTやAlphaGoを知って、大きく衝撃を受けたり深く感動したりした方も多いかと思います。
人工知能の理論が面白いことを強調してきましたが、それと同時に、こうした新しいアプリケーションが深い感動を惹き起こすのもまた事実だと思います。この感動こそが、新しいAIモデルで新しい提供価値をもたらすということです。これはとても難しいことですが、それでも、そうしたテーマは本当に面白いです。前述のG検定取得必須や研究テーマの厳格な審査などをみて、ちょっと厳しい印象を受けた方もいらっしゃるかと思います。実際には、こうした少し厳しい制度は、逆に興味を深く刺激して夢中になれる環境として、むしろ学生たちに歓迎されています。
勉強の甲斐もあり、直近半年で15名がG検定に合格しました。その一方で、大きな広報活動が重なったこともあり、合格者1人あたり約3万円の費用がかかっています。1口3万円(税抜)のご寄付で、ひとりの合格者の育成が可能です。AIや機械学習の進歩に感銘を受けながらも、仕事も忙しくゼロから学ぶのは難しい。意欲ある学生の成長を支援し、間接的に進歩に貢献したい。私たちは、そうした方々の支援の気持ちを確実に学生の成長に変えることができます。温かいご支援をよろしくお願い申しあげます。
寄付金の使い道について
学生団体である以上、資金使途の透明性について不信感を抱かれるのは当然のことであると承知しております。資金使用に関する透明性を高めるため、一般社団法人を設立しました。一般社団法人には決算公告の開示義務があるため、学生中心の団体でありながらも、透明性のある資金の使用が可能です。
具体的には新歓における活動経費や、団体運営のために利用しているさまざまなサービスの利用料金、および上級生向けの研究の活動資金に充てています。また、新入生の募集活動での食事会では、ドミノピザにお持ち帰りで調達することで費用を半額にするなど、いただいた資金を最大限に有効活用するよう努めております。