概 要
- 虐待など深刻な状況で希望の家を利用することになる子どもたちが多くいます。
- 一度大きく傷ついた子どもたちは日常生活にも影響が及びます。
- 希望の家の取り組みでは家庭に近い環境で迎え、その子らしい生き方ができるように支援しています。
- この取り組みを継続し、さらに促進するには皆様からのご支援が必要です。
- ご寄付は希望の家の子どもたちへの課外活動費の費用に使わせていただきます。
社会的に養育される子どもたちの割合は約2.5%
虐待通報相談電話への通報件数は年々増加し、2021年度の速報値では20万5029件(厚生労働省)となりました。
その中で社会的に養育される子どもたち(里親、児童養護施設、乳児院等)の割合はわずか約2.5%です(2019年度)。そのうちの約70%が児童養護施設で生活をしています(2019年度)。裏を返せば、児童虐待相談通報の対象となった子どもたちのほとんど(約97.5%)は一時的に保護をしたとしても家庭での生活を継続します。
つまり、児童養護施設等で生活する子どもたちは、かなり重篤な状況に至ってしまったケースである場合がほとんどです。児童養護施設では、児童相談所等の関係機関と連携し、家族等との暮らしを再び取り戻せるように支援をすることになりますが、多くのケースでは困難が伴うことをご想像いただけますでしょうか。
傷つきとその影響
児童養護施設で生活をする子どもたちの約65%は養育者からの虐待を受けているという報告がなされています*。本来守られるべき養育者からの虐待の影響は、子どもたちのその後の生活にも大きな影響を及ぼします。脳への影響はその一つで、前頭前野(社会生活に極めて重要な脳部位)の萎縮等が起こります。また、外傷後ストレス障害(PTSD)や反応性愛着障害等の診断を受けるケースもあり、当たり前の日常生活を送ることが困難な子どもたちもいます。そして、自己肯定感の低さ、将来への過度な不安、現実逃避、対人恐怖や大人への不信、などの特徴を持つ子どもたちは少なくありません。
*厚生労働省「児童養護施設入所児童等調査」2018年
高校卒業後の進路
多くの子どもたちは高校卒業と同時に施設を退所することになります。最大で22歳の年度末まで施設等での生活を継続できる事業ができましたが、高校卒業後も施設等での生活を認められる割合は約20%(2020年度)と、多くはありません。
高校卒業後の進学率も一般的な同年齢の子どもたちと比べると低いです。全高卒者の約74%が大学や専修学校等に進学をしているのに対し、児童養護施設の場合は約33%と大きな差があります(2020年度)。
私たちの取り組み
安全が守られ、安心して暮らせる日常の積み重ねが虐待等の傷つきから回復するための土台です。そのために私たちは、“できる限り良好な家庭に近い環境”で養育を行っています。その他、子どもたちの可能性を広げ、自分らしく生きていくために、私たちが行っている特徴的な取り組みを紹介します。
<小規模化と地域分散化>
かつて大人数収容の施設が主流だったころから、全国に先駆けて一人ひとりの子どもたちに寄り添えるグループホームの運営を行ってきました。
<進学支援>
2012年度から2020年度の高校卒業者の約7割が進学をしており、一般の平均値に近づいています(2020年度の児童養護施設の平均は33%)。
<施設独自の自立支援>
・高齢児合宿研修
子どもたちと自立について向き合い、考える合宿(高齢児合宿研修)を毎年行っています。希望の家の退所者や社会的養護出身の著名人等を講師としてお招きしています。2022年度で50年目を迎えます。
・自立支援棟
施設を退所した子どもたちが無償(運営費は法人負担)で生活できるシェアハウスです(男性棟:定員4名/女性棟:定員5名)。それぞれに必要なサポートを退所後も継続して行っています。
・地域の中での自活訓練
施設の敷地内での自活訓練は多くの施設で行われていることですが、希望の家ではより退所後の生活に近い体験ができるよう、地域の中で一人暮らしの体験を積んでもらっています。
皆様からのご支援が必要な理由
社会的養護の基本理念の一つは「社会全体で子どもを育む」です。私たちは現状を知っていただくために広く発信し続け、“社会全体で応援してもらえている”と子どもたちが実感できるような取り組みを行っていきたいと考えています。
そしてもう一つの基本理念は「子どもの最善の利益のために」です。可能性あふれる子どもたちが虐待等の傷つきから回復し、可能性を十分にひろげ、将来に希望を持ちながら自分らしく生きていってもらいたいと願っています。
これらの取り組みを実現するためには、様々な体験や経験、出会い、そして挑戦する機会等が必要だと考えています。しかし、習い事やイベント等に関して特別な財源はなく、十分な取り組みができていません。子どもたちの希望を叶えてあげたい。そして、思い出深い体験をさせてあげたいと切に願います。
希望の家の子どもたちの可能性を応援するために、ぜひ、マンスリーサポーターになってください。
1回1000円からはじめていただくことができます。ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
■ご支援の使い道■
いただいたご寄付は、希望の家の子どもたちの「課外活動費」に使わせていただきます。
例えば・・・
◆1ヶ月1000円のマンスリーサポーターが3人集まると、
1人のお子さんが地域のサッカークラブや書道教室に通えます。
◆1ヶ月3000円のマンスリーサポーターが3人集まると、
1人のお子さんが地域のスイミングスクールやピアノ教室に通えます。
◆1ヶ月5000円のマンスリーサポーターが3人集まると、
運転免許取得費用に対して、公的な資金の不足分を補うことができます(1名分)。
※公的な補助額:180000円/1名分
◆1ヶ月10000円のマンスリーサポーターが3人集まると、
年に一度、施設全体でのキャンプやバーベキューなど、子どもたちにとって思い出深い行事を企画・実施することができます。
※当施設へのご寄付は、確定申告時に申告することで税の優遇を受けることができます。詳しくは国税庁のサイトをご確認ください。
※寄付をお受けするかどうかは、都度判断させていただき、場合によってはお断りすることもあります。予めご了承ください。
■寄付募集元・お問い合わせ先■
社会福祉法人 共生会 希望の家
TEL:03-5650-2424
MAIL:kibo-info@kibo-noie.com