こんにちは。特定非営利活動法人LEGIKA 理事長の小崎 文恵と申します。ページをご覧いただき、ありがとうございます。
皆さんは、昭和の「トキワ荘」をご存知でしょうか。
手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫など、昭和を代表する漫画家が若手時代を過ごした木造2階建てのアパートです。何人もの新人漫画家がお互いを励まし合いながら暮らしていました。
私たちLEGIKAは、そんなトキワ荘の現代版とも言える「トキワ荘プロジェクト」を運営しています。トキワ荘プロジェクトに参加する若手漫画家たちを一緒に応援していただきたく、クラウドファンディングを実施することにしました。
トキワ荘プロジェクトとは?
「トキワ荘プロジェクト」とは、すでに本気の作品づくりに取り組んでいるクリエイターに対する共働型能力開発プログラムです。さらなる厳しい競争の中で自分の強みを見出し、金銭が絡む具体的な制作活動を通じて、職業人としての力を磨き、チームで最高の作品を生み出すことを目指します。
私たちは、トキワ荘プロジェクト参加者がプロの漫画家として長期的に活躍できるよう、キャリアの基礎面から実践面をカバーする総合的な能力開発プログラムを提供しています。
支援内容
1. 住居支援〜住まいを核とした交流・制作拠点の提供〜
東京都大田区の「上池台トキワソウルーム」など、東京都内に4つのシェアハウスを運営しています。さらに、2024年9月には、完全ワンルームでありながらも共有リビングを有する「日野トキワソウスタジオ」をオープン。すでにプロとして活躍中の実力派作家への支援も拡充しました。
トキワ荘プロジェクトでは、単に住まいを提供するだけでなく、クリエイター同士の交流を促すコミュニティ運営を行い、切磋琢磨し共に高め合えるような作家仲間を見出す支援をしています。漫画に専念できる環境で、現在51名(2025年6月時点)の若手漫画家が切磋琢磨しながら共同生活を送っています。

2.共に競う〜評価機会の提供〜
成長途上の作家にとって、質の高いコミュニティでの交流や競争は重要です。
トキワ荘プロジェクトでは、年度単位の成果を発表し表彰するイベント「LEGIKA UP」を開催し、仲間と競い合うことで成長を促進しています。また、自己設定した目標に対する具体的なアクションを定期的に審査する制度を導入し、計画的な成長をサポートしています。
さらに、成長支援の一環として「マインドセット研修」を実施。参加者は、自分のなりたい姿から具体的な計画に落とし込み、PDCAのサイクルを回していく方法を学びます。研修を通じて、漫画家としても人としても成長できる機会を提供しています。

3. 共につくる〜併設編集部による実践力強化〜
トキワ荘プロジェクトでは、併設の「レジカスタジオ」と共に、プロの漫画家を目指すクリエイターに対して、経済的な自立をサポートするための仕事の紹介を行っています。
参加作家には恒常的に仕事を依頼するほか、レジカスタジオ編集長との面談を通じた実践的な指導も実施。また、ヒット作品を共に作り上げるために、レジカスタジオ登録作家を選抜し、事業面も含めた全面的な支援と協力体制を提供しています。

実績
これらの支援を通じて、これまで140名以上のプロデビュー者を輩出してきました。トキワ荘プロジェクト出身の代表的な作家には次のような方々がいます。
・西修さん『魔男のイチ』(集英社週刊少年ジャンプ連載中)『魔入りました!入間くん』(秋田書店週刊少年チャンピオン連載/アニメ化)
・雲母坂盾さん『ドリトライ』、『ボーンコレクション』(集英社週刊少年ジャンプ連載)
・藏丸竜彦さん『数学ゴールデン』(白泉社ヤングアニマルZERO連載)
・カメントツさん『カメントツのルポ漫画地獄』、『カメントツの漫画ならず道』(小学館ゲッサン連載)『こぐまのケーキ屋さん』(小学館) 『こわいやさん』(集英社少年ジャンプ+連載)
・坂本拓さん『潔癖男子!青山くん』(集英社ヤングジャンプ連載/アニメ化)
未来のマンガ家たちの挑戦を支えたい
トキワ荘プロジェクトでは、2024年9月現在、平均年齢27.7歳の若手漫画家たちが、プロとして羽ばたくための一歩を踏み出しています。
参加者たちは、20代~30代という貴重な時間をかけて、自らの夢に本気で向き合っています。
多くが日中はアルバイトで生計を立て、夜に創作に取り組む日々。なかには生活費を切り詰めて、制作に必要な道具や環境を自ら整えている人も少なくありません。
それでもプロとしてデビューを果たせるのは約3割にとどまり、連載や継続的な活動に進むには、なお厳しい道のりが待っています。
そんな中でも、トキワ荘プロジェクトでの環境がキャリアの転機となった例も多く、確かな成果を生み出してきました。

2025年7月、東急株式会社との連携により東京都大田区に「上池台トキワソウルーム」をオープンします。これは、55室を備えるプロジェクト最大規模の新拠点であり、東京23区内では初の大型物件です。
上池台トキワソウルームは、創作に打ち込めるアトリエ付き住戸や、共同キッチン・ラウンジ・ワークスペースといった充実した共用空間を整備。若手クリエイターたちが安心して創作できる環境を提供します。
単なる住まいではなく「共に暮らし、共に競い、共につくる」場として、プロを目指すマンガ家同士が刺激し合いながら、職業観や創作における自分の強みを磨いていきます。
こうした取り組みを持続可能なものとし、未来のクリエイターたちにより多くのチャンスを届けていくためには、多くの方からのご支援が必要となります。
若手漫画家たちの挑戦を支える環境づくりに、ぜひご協力ください。

アトリエで制作活動を行い、ラウンジで交流し、居室ではリラックスした時間を過ごす

同じ目標に向かって進む仲間の存在を、常に背中に感じながら制作活動に取り組める環境
ご支援金の使い道
昨今の光熱費や物価の上昇に伴うシェアハウス管理コストの増加による経営状況の悪化により、クラウドファンディングを実施させていただくことになりました。
いただいたご支援金は以下に使用させていただきます。
- 開業準備に向けた家具類の購入(約40万円)
- 開業準備に向けた消耗品の購入(約10万円)
返礼について
15,000円以上ご支援いただいた方へは、上池台トキワソウルーム現地の内見をご案内いたします。
最後に
LEGIKAは、トキワ荘プロジェクトを18年運営してきました。
私自身、現場で数多くの若手漫画家と接してきて感じるのは、「成功する作家には必ずふとしたきっかけがある」ということ。
それまでうだつが上がらなかった人が、同居人のちょっとしたひと言をきっかけに新たなジャンルで成功したり、たまたま持ち込んだ先の担当編集者によりデビューにつながったりする例をたくさん見てきました。
トキワ荘プロジェクトというコミュニティ運営をしてきたノウハウを活かして、これからも若手漫画家にたくさんのきっかけを作ってあげたい。
上池台トキワソウルームのオープンがきっかけとなって、長く活躍できる漫画家としての成長を後押ししたいと思っています。
皆様からの温かいご支援を、お待ちしております。
特定非営利活動法人LEGIKA 理事長
小崎 文恵