活動・団体の紹介
私たちの マヤッカのいえ には様々な方が訪れます。人は誰しも常に心身元気いっぱいで、ポジティブに生きているわけではありません。誰に相談したら良いかわからないまま拗れていく悩みや心配の種は全ての人が持っているもので、放っておくとどこから手をつけたら良いのかわからないほど大きくなってしまうこともあります。
人間関係に悩んでいる方、家族の中に心配事がある方、自然の中でリトリートする代わりに休みに来る方、涼みたい、暖をとりたい方、家にいるのが怖い方、誰かと話したい方…。
マヤッカのいえ は止まり木の様な場所であろうとしています。居場所、逃げ場として。食べる、寝る、休む、佇む、話す。何もしなくても、いい。その人の必要なタイミングに、その人に必要な形でマヤッカのいえがあり、ここでまた羽ばたく力を蓄えてもらえたらいいな、との思いで運営してきました。
そうして実際に活動をしてみて気がついたのは、この一年半、訪れてくださる方々と過ごした時間、場は私たち家守にとってもかけがえのないもので、私たち自身が皆さんに支えられて、癒されて、力を与えていただいていたということです。誰かのため、ではなく、自分たち自身のためにもマヤッカのいえがあってくれるからこそ、私たちはいわゆる「支援者」ではなく人としてありのままの姿で皆さんをお迎えできるのではないかと思っています。
活動の背景、社会課題について
私たちが精神科医療・福祉に携わってきた中で出会った多くの「患者」とされる方々は、自身の心身の不調以外の部分でもたくさん傷つき、苦しめられていました。その最たるものは身体拘束を伴う辛い入院体験であり、長期にわたる多剤多量処方から抜け出せない苦しみでありました。私たちはそんな、本来の希望とは異なる医療によって、さらに傷ついてしまった方々がが少しでも癒され、自分自身を取り戻し、自分の望む新たな日常の生活に戻るためのお手伝いをしたいと働いてきましたが、同時に途方に暮れるほどの無力さを感じてきました。「せめてもう少し早く会えていれば」「苦しさの一番最初のその時に、もっと話を聞けていれば」そう思わずにいられないことも多くあります。最初から病気だったのではない。じっくり話を聞いて結び目が解かれていたら違う展開があったかもしれない。病気はあとから作られたのかもしれないとさえ思うことがありました。だからこそ次第に私たちは、不安や心配事が小さな種のうちに、誰にでもある日突然訪れる危機に立ち尽くす前に、すぐに寄り添い共に考えたり話したり行動したりできる場を作ろうと思うようになりました。既存の医療や福祉では届かない、溢れてしまう、そんな今日の困りごとを見過ごさない決意を形にし、どんな人も、どんな状態でも歓迎してお迎えできる場を作ろうと思ったのです。
活動内容の詳細、実績について
現在 マヤッカのいえ は月に1〜2回のオープンカフェと、それ以外の日は直接ご連絡をいただき、お約束をしてご利用いただいています。通常日は可能な限りご利用なさりたい方のご希望に合わせて開かれています。また、マヤッカのいえは詳しい所在地を公表していません。それは、人には様々な危機的状況が起こり得て、時には居場所さえ誰にも知られないことが必要になるからです。ひとりの人を守る、そのことに全力で取り組みたいと思っています。そのため、広く宣伝してご利用を呼びかけることはしていません。
そんな状況ですので活動、ご利用内容は多岐にわたります。例としては
悩み事を話して少し気持ちが軽くなったところで1人静かに横になり眠る。マヤッカのいえの台所を利用して、ご自身やご家族の食事を作る。家守と一緒に話す、作る、食べる。お風呂にはいる。夜中のSOSにはお迎えを走らせ、マヤッカのいえにご案内して過ごしていただく。楽しいお泊まり会をご一緒する。アート作品や、自作のおもしろネタなどを披露する場。多世代、異文化、いろいろな方との交流、集い。大画面で好きなDVDを見る。
など…思い思いの過ごし方をしていただいています。
毎月のオープンカフェでは、すっかり恒例となったフィンランド仕込みのシナモンロール作りを体験していただき、自慢の美味しいコーヒーをお楽しみいただいています。
代表者メッセージ
私は、出逢った大切な人生を応援するを信条に活動をしてきましたが、制度や立場でできないと諦める事も多くありました。生きてきた半分以上の時間を医療や福祉の中で、学び成長させて頂いてきたと同時に、もがき苦しみ、葛藤して来た私に最強の同志・相棒が現れ、共に活動してきました。マヤッカのいえはこの2人が出逢った事で生まれ、私たち2人の家守りにとってかけがえのない存在となっています。そして、支援する、されるという枠を越えて、ここに集う方々と、支え合いながら、出逢った大切な人生を応援しあえる関係性を育む場になってきている事を感じている日々です。どうか、このマヤッカのいえの存続にお力添えいただき、この場を熟成し発展するための時間をいただけないでしょうか。どうか、よろしくお願い致します。[家守 高橋花世]
私は長い間精神保健福祉分野に身を置かせてもらいながら、自身の無力さにずっと申し訳なさを感じていました。制度はもちろん、時間や立場やいろいろな制約の中で、目の前の方の今日の苦しさに十分寄り添えない場面がたくさんありました。「今からゆっくり話しましょうか。」「あったかい物作るからちょっと食べていきませんか」「今晩が心配ですね、良かったら泊まって行きませんか」せめてそう言えたなら…。それはいつからか悲願でありながら実現が難しい望みとも感じていました。でもカヨさんに出会って景色は一変しました。カヨさんは豊富な看護師経験、スキルと、人やその生活に向き合うことへの類稀な情熱を併せ持ち、私とは全く違う観点や考え方ももたらしてくれる最強の相方でした。カヨさんとなら挑戦できる。時は来た!そうしてマヤッカのいえは生まれました。2人の強みは2人の違い、そして、ひとの生きづらさをめぐる現状を変えたいという同じ強い思いだと思っています。弱みは2人ともが夢みがちで、経済的な持続性や妥協が足らないところでしょうか。不完全ながら走り出した私たちの場に来てくださった方々が、マヤッカのいえを育ててくださいました。今はもう家守たちだけのものではないことを強く感じています。存続していくために、私たちは更なる努力と工夫をしていく覚悟ではありますが、力が足りないからと言って簡単に無くすことはできない場所になりました。どうか少しでもこの場を継続できるように、そして、より良い形で次の段階へと展開していく準備をするために、皆さんのお力をお借りできないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。[家守 村井美和子]
寄付金の使い道について
マヤッカのいえ の維持費(家賃、光熱水費)に充てさせていただきます。
目標額に達した場合は1年間の継続運営資金とさせていただきます。未達成の場合、いただいた金額に応じて可能な限り運営を継続するとともに、閉所のための費用とさせていただきます。